映画のような本格的なVRコンテンツを制作できる「Jaunt」

映画のような本格的なVRコンテンツを制作できる「Jaunt」

Media / Enterprise Software / AR/VR / Silicon Valley / Startup / Jaunt
2017-03-25 06:06
いま注目が集まっているVRコンテンツ。ゲーム業界のみならず、さまざまな業界への活用が期待されている。そんな中、独自開発したプロ向けVRカメラ「Jaunt One」を提供しているJaunt。360度の映像を高い解像度で撮影し、VRコンテンツを制作することができる。同社は2013年に設立され、The Walt Disney Companyなどのエンターテインメント企業やGVといったVCから1億ドルを調達している。今回はCo-founderでCEOのGeorge Kliavkoff氏に事業内容や今後の展望を聞いた。
George Kliavkoff
Jaunt
CEO
1993年にバージニア大学ロウスクールにて学位を取得後、ハースト、NBC、Huluなどのメディア企業での経験を経て、2016年にJauntを設立してCEOに就任。

360°全方位型の高画質VRカメラ「Jaunt One」を開発

―まずJauntの事業概要について教えてください。

 私たちは映画のように高品質なVR映像コンテンツの制作にフォーカスし、VRプラットフォームとVRコンテンツ開発スタジオの運営という2つの事業を運営しています。私たちのプラットフォームを利用することで、素材画像の撮影からVRコンテンツへの編集、配信まですべてを行うことができます。さらにVRスタジオでは、The Walt Disney Company社などの大手エンターテインメント企業と共同でVRコンテンツの制作を行っています。

―VRカメラとVRプラットフォームについて詳しく教えてください

 私たちは360°全方位型の高画質VRカメラ「Jaunt One」を開発しており、VRプラットホームを提供する際にこのカメラも一緒に提供しています。このカメラの側面には合計24個のカメラが搭載されていており、360度の映像を高い解像度で撮影することができます。

  コンテンツ制作から配信までの流れとしては、撮影した複数の素材をプラットフォーム上へアップロードしてつなぎ合わせ、1つのVRコンテンツを制作します。そして、クラウドベースのレンダリングシステムを通して配信される媒体に合わせてフォーマットを変換し、制作完了となります。VRコンテンツをこのように素材の撮影から制作、配信まで一つのプラットフォーム上でサービスとして提供している企業はJaunt以外にはありません。さらに、Facebook 360やYoutube 360だけでなく、それ以外のどんなVRヘッドセットからでも我々のコンテンツは視聴が可能です。この点も私たちのプラットフォームの特徴の1つと言えますね。

―スタジオでは具体的にどのようなことを行っていますか。

 スタジオでは、オリジナルコンテンツの制作とパートナー企業向けのコンテンツ制作代行の2つを行っています。ここでは、主にディズニーを始めとするエンターテインメント企業やNFLなどのプロスポーツリーグと共同でコンテンツ制作をしています。共同制作するコンテンツは、それらの企業や団体のPR映像であったり、スポンサーへ提供するためのコンテンツなど様々です。

映像の解像度の高さ、制作規模が強み

―主な顧客はどのような企業になるのでしょうか?

 顧客は、エンターテインメント系の企業が中心です。私たちのサービスを利用することで、質の高い映画のようなVRコンテンツを大量に制作することができますし、既存の映像コンテンツを新たにVRコンテンツへ変換することも可能です。そういった意味では映像を扱うエンターテインメント系企業との親和性はとても高いと思います。

―競合と比較した際の強みは何でしょうか?

 現在、我々の競合と言える企業はVRカメラの分野に1社のみで、Nokia社が唯一の競合企業です。Nokia社が開発・提供しているVRカメラと比べた場合の強みは、映像の解像度です。「Jaunt One」を使えば、素材を16kの解像度で撮影でき、それらを現在スクリーン上に投影できる最高解像度である4kで映し出すことが可能です。今後の映写技術の発展次第では、10k以上の解像度のVRコンテンツを作り出すことも可能になるでしょう。

 スタジオ事業に関しては、いくつかの同業他社がいます。それぞれの企業は、コンテンツの質は我々と同程度のものを制作している企業ですが、それらのコンテンツを我々のように大量制作できるほどの規模を持つ企業はありません。

―売上はどのように得ているのでしょうか?

 現在、収益の50%はプラットフォーム事業から得ています。我々のプラットフォームモデルは月額のSaaSモデルで提供しており、VRカメラの使用料とクラウドレンダリングシステムの利用料込みの料金体系を設定しています。

  残りの収益の50%はスタジオ事業です。スタジオ事業は大きく分けて4つのモデルから構成されています。「メディア企業向けのオリジナルコンテンツの販売」「ブランド企業と共同でのVRコンテンツ制作」「著作権を有する映像コンテンツをVRコンテンツへ変換」の三つを制作サイドのサービスとして提供しています。最後の一つは、コンテンツライブラリの運営とコンテンツの提供です。我々が制作したVRコンテンツをヘッドセットメーカーや旅行会社などのVRコンテンツをユーザー向けに利用したい企業向けに提供しています。

ディズニーなど大手ブランド企業と連携

―顧客との連携事例を教えてください。

 The North Face社とThe Walt Disney Company社との提携事例をご紹介します。まずThe North Face社では、同社の商品を身につけた専属クライマーがヒマラヤ山脈を登頂する様子を映像に収め、それをもとにVR映像を制作しました。さらに実際の店舗の一角にVR視聴ブースを設けて、一般公開したのです。さらに、そのブースの近く映像内のクライマーが身につけているものと同じ商品を置くことで、消費者の関心が高いうちに商品を手に取らせることができました。

 The Walt Disney Company社との提携事例については2つの事例をご紹介します。まず一つ目は上海ディズニーランドのビデオレターの作成です。実際にテーマパークへ足を運ぶことが難しいユーザー向けに、テーマパーク内の映像をVRコンテンツとして配信する予定です。このビデオレターは実際に行くかどうか検討しているユーザーに対して良いプロモーションになるでしょう。もう一つはディズニーの子会社であるESPN社との共同プロジェクトです。バスケットボールやサッカーなどのスポーツ放送へVRコンテンツを組み込んで、より臨場感のあるコンテンツを作り出そうとしています。

世界最大の映像VRコンテンツ企業を目指す

―最後に、今後の御社のビジョンをお聞かせください。

 私たちの将来のビジョンは、最高の映像とVR技術を確立して、Jauntを世界最大の映像VRコンテンツ企業へ成長させることです。国際展開へ向けてもすでに大きく進み始めています。今後はアメリカだけでなく、日本を含む世界各国の企業の方たちと共にVR業界の発展に貢献できればと思います。

設立 2013年5月1日
資金調達額 1.0021億USドル(2017年1月現在)
従業員数 100人以上
拠点 Palo Alto, CA, USA
関連記事
Zoomだけじゃない!シリコンバレー発リモートワークツール7選
Zoomだけじゃない!シリコンバレー発リモートワークツール7選
Zoomだけじゃない!シリコンバレー発リモートワークツール7選の詳細を見る
AI主導の顧客レビュー収集・分析ツールで新製品開発にイノベーションをもたらすRevuze
AI主導の顧客レビュー収集・分析ツールで新製品開発にイノベーションをもたらすRevuze
AI主導の顧客レビュー収集・分析ツールで新製品開発にイノベーションをもたらすRevuzeの詳細を見る
「よりゲームの中に入り込む」体験を。VRゲームで非現実体験を提供するSandbox VR
「よりゲームの中に入り込む」体験を。VRゲームで非現実体験を提供するSandbox VR
「よりゲームの中に入り込む」体験を。VRゲームで非現実体験を提供するSandbox VRの詳細を見る
1時間の会議を5分でチェック。会議“後”を劇的に効率化させる AIアシスタントFireflies.ai
1時間の会議を5分でチェック。会議“後”を劇的に効率化させる AIアシスタントFireflies.ai
1時間の会議を5分でチェック。会議“後”を劇的に効率化させる AIアシスタントFireflies.aiの詳細を見る
現実空間にデジタルを融合。空間コンピューティングのMagic Leap
現実空間にデジタルを融合。空間コンピューティングのMagic Leap
現実空間にデジタルを融合。空間コンピューティングのMagic Leapの詳細を見る
信仰のためのプラットフォーム、宗教のつながりをデジタルで実現するSeventh Spark
信仰のためのプラットフォーム、宗教のつながりをデジタルで実現するSeventh Spark
信仰のためのプラットフォーム、宗教のつながりをデジタルで実現するSeventh Sparkの詳細を見る