データセンターに最適化されたチップ
―創業でインスピレーションとなったことを教えてください。
私は、主にネットワークとデータセンターの分野でキャリアを積み、創業前は半導体メーカーCaviumでCOOを務めていました。そして、「今後は10年間で、ITインフラはデータセンターに大きく移行していくだろう」と予測し、そこで「徹底的にデータセンターに最適化された半導体チップを作れないか」と考えました。そうすればパフォーマンス、マネジメント、アナリティクスで優位に立てます。それが創業のきっかけとなりました。
当社が作るのは非常に複雑なチップで、多くの企業が挑戦して失敗してきたものです。設立メンバーの多くはチップ系ベンダーのBroadcom出身で、ネットワーキングに関する知識が豊富でした。おかげでイノベーティブで最高品質のチップを作れました。
当社は今では80を超える特許を有しています。おかげでチップを大変効率的に作ることができました。データセンターネットワークの運営を容易にするアナリティクス能力をつけ、他ではできなかったような可視性をネットワークに導入できました。
業界最高のパフォーマンス
―プロダクトについて教えてください。
主要プロダクトである、データセンタースイッチ用チップが果たすのは、SOA(半導体光増幅器)とストレージ、アプリケーションとエンドユーザーを相互につなぐことです。Google、Microsoft、Amazon、Facebook、Ciscoといった企業など、データセンターを運用する企業に活用されています。
―競合と比較して、強みはどこにあると考えますか。
強みはパフォーマンスの高さです。当社のチップは最大で毎秒12.8テラバイトのパフォーマンスです。このため、他にないような高品質のネットワークを構築できます。
―ビジネスモデルについて教えてください。
チップの販売が主力です。チップは容量別になっており、価格は容量の大きさによって幅があります。他には付随するソフトウェアの提供、データセンターの運用を行っています。
日本への進出にも関心
―国際的な事業展開もされていますか。
米国の他にも、中国、欧州の大規模データセンターが顧客になります。カスタマーの比率は米国と米国外で50対50です。
日本への進出にも関心があり、協業できそうな日本企業も探しています。データセンターのシステムを運用する企業と提携できたらと思います。当社に関心を示しそうなのは、NTT、ソフトバンク、楽天、KDDIあたりではないかと思います。
―当面の目標と、長期的なビジョンについて教えてもらえますか。
当面の目標は、カスタマーを増やすこと、これまでと異なる国・地域に拡大することです。新製品も増やしたいです。
長期的なビジョンは、大規模クラウドやエッジデータセンターなどの顧客に信頼される存在となることです。