気候変動への対応が必須となる中、脱炭素社会の実現やサステナブルな事業活動において、大企業とスタートアップのオープンイノベーションは世界の潮流となっている。Climate Tech(気候テック)分野のスタートアップの躍進が注目される中、日系大手企業のCVCはどのような投資活動を展開してるのか。ソニーベンチャーズ代表取締役の土川元氏、オムロンベンチャーズ代表取締役の井上智子氏が環境分野への投資活動や目利きのポイント、CVCの戦略について対談した。モデレーターはDNX Ventures Managing Partnerの前田浩伸氏。

※本記事は2023年3月に開催した「ZET(Zero Emission Technology)New Japan Summit 2023 Kyoto」の対談「スタートアップと目指すカーボンニュートラル ソニー×オムロンの新規事業とCVC戦略」の内容をもとに構成しました(役職名は開催時、記事本文は敬称略)。

環境ファンド「Sony Innovation Fund: Environment」を立ち上げたソニー

前田:まずはおふたりの自己紹介と、CVCの活動や環境の取り組みについて教えてください。

土川:私はもともと日本興業銀行におりましたが、2004年にソニーにジョインし、もう18年余になります。M&Aのグローバルヘッドを務め、Sony Innovation Fundの立ち上げから関わってきました。

土川 元
ソニーベンチャーズ
代表取締役社長
1984年一橋大学法学部卒業後、日本興業銀行入行。1988年スタンフォード大学にてMBA取得。メリルリンチを経て、2004年ソニーに入社。2008年IR部門長、2011年本社Corporate Development部門長、2014年ソニーモバイルCSO、2016年Sony Innovation Fund Chief Investment Manager、2019年よりInnovation Growth Ventures株式会社CEOを兼任。2022年からソニーベンチャーズCEO兼CIO。

 ソニーグループの環境活動は「責任」と「貢献」という視点から、責任においては「気候変動」「生物多様性」「資源の有効活用」、有害な化学物質は使わないという「化学物質」を、コアのポイントとして進めております。

 2010年に環境計画「Road to Zero」を策定し、2050年までに自らの事業活動および製品のライフサイクルを通して「環境負荷ゼロ」の達成を目指すという目標を立てました。現在、その達成目標年を10年前倒しした形で、気候変動領域においてスコープ3までを含むネットゼロの達成年を2040年とし、取り組んでおります。

Image:ソニーベンチャーズ

Image:ソニーベンチャーズ

 CVCについては、ソニーは2016年にCVC活動をスタートしております。ソニーはご存知のように事業内容が大変幅広く、それをもって目利きができる分野が比較的広く、多くの分野に投資活動を行っております。経営陣のスタートアップ投資に関する理解が大変深い会社です。

 我々のグローバルチームは米国、日本、欧州、イスラエル、インドにおります。ファンドの構成は、アーリーステージの出資はソニーのバランスシートからと、ミドル以降の投資はGP、LPファンドから行っています。それに加えて、環境ファンド「Sony Innovation Fund: Environment」を創設し、社内の環境グループとJVという形で、貢献できる項目を中心に投資を行っていくものです。

 環境ファンドの第1号案件は生物多様性の案件で、協生農法など拡張生態系に関連した環境技術に特化した事業を推進する会社です。

Image:ソニーベンチャーズ

Image:ソニーベンチャーズ

「社会課題をイノベーションで解決する」オムロンの歴史と今

井上:私は2018年にオムロンベンチャーズのCEOに就任しました。その前は産業革新機構におり、医療機器のイノベーションのエコシステムをより発展させようというコンセプトの下、傘下に医療機器に特化したベンチャーキャピタルを立ち上げ、その領域での投資活動を日本、シリコンバレーなどで行ってきました。

井上 智子
オムロンベンチャーズ 代表取締役社長
オムロン株式会社 グローバルコーポレートベンチャリング室室長
PhD., MBA 2018年4月よりオムロンベンチャーズCEO、2020年9月よりオムロン共創デザインセンタ長兼務後、2022年4月にグローバルコーポレートベンチャリング室を立ち上げ、現在は室長を兼務。オムロン以前は、産業革新機構にて医療機器のベンチャーキャピタルの設立準備から、ファンドの設立、運営、ベンチャー投資に携わる。また、ジャパン・バイオデザインプログラム(東大、阪大、東北大)の立ち上げ支援や筑波大学のグローバル医薬品・医療機器マネジメント講座の講師、メンター、ファシリテーターを務めるなど、多方面で活動。一橋大学経済学部卒、ペンシルベニア大学ウォートン校MBA、東京女子医科大学早稲田大学共同大学院共同先端生命医科学専攻修了博士(生命医科学)、スタンフォード大学バイオデザインプログラムファカルティフェロー。

 一方で、本当のエコシステムを構築していくには、大企業と一緒に取り組まなければ、真のイノベーションにはならないのではないかと思っていた頃、オムロンの宮田喜一郎(代表取締役 執行役員副社長 CTO)に出会いまして、オムロンのビジョンを聞くにつけ「こういう会社だったら理想とするようなエコシステムを作っていけるのではないか」と思い、2018年から現在の活動をしているという経緯です。

 オムロンの歴史は「ソーシャルニーズ創造の歴史」であり、社会課題をイノベーションで解決しようと取り組んで成長してきた会社です。例えば、電子信号機や自動改札、ATMの前身のオンラインキャッシディスペンサなど、実は世界初でオムロンが創出したイノベーションです。

Image:オムロンベンチャーズ

 オムロンは京都に本社がある会社ですが、日本における民間最古のベンチャーキャピタルと言われる「京都エンタープライズデベロップ」(KED、1972年〜1979年)を設立したのは、オムロン創業者の立石一真でした。多くの起業家を支援して一緒にイノベーションを起こそうと、そういうことをやってきたような会社です。

 オムロンベンチャーズは、これまでの歴史を踏まえ、改めてこの時代に合ったイノベーション活動をしていこうということで2014年に設立されました。現在、運用総額は100億円以上で、基本的にアーリーステージを中心に投資活動をしています。

Image:オムロンベンチャーズ

 投資の考え方として、以前は事業部起点でシナジーが見込める周辺領域にフォーカスしながら投資活動してきました。一方で、既存事業起点の投資活動だけですと、投資活動によりスタートアップと一緒に10年後、20年後の先が見られるにもかかわらず、目先のビジネスに偏ってしまいがちで非常にもったいないねということで、オムロンが中長期で捉える社会的課題を起点としたイノベーションにシフトしました。

 それが「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」、そして「健康寿命の延伸」の3つであり、世界中のスタートアップ、起業家たちと一緒に実現することを目指したCVC活動を行っています。

Image:オムロンベンチャーズ

 今回のサミットのテーマでもある「カーボンニュートラル」の領域にも投資活動しております。これら目指す世界を実現するための打ち手が3つあります。

 世界のイノベーションの集積地と言われているシリコンバレーやイスラエルなどの場所で、プレゼンスの高いベンチャーキャピタルに選択的に投資をして、効率的にインサイダー・ネットワークを拡充していこうという活動が1つ目です。

 また、2つ目に、スタートアップ、ベンチャー企業への直接投資として、オムロンベンチャーズのファンドを組成して投資活動しております。

 3つ目が、シナジーがあってもなくても、スタートアップ自体の事業開発の中に入って支援していく活動です。スタートアップの中に専門人材を送り込んで、事業育成を加速させる支援にも取り組んでいます。

 CVC活動全体の考え方としては、戦略リターンを重視しつつ、財務リターンをポートフォリオ全体で0以上にしようと、そういう方針で投資活動をしております。ポートフォリオ全体で投資額以上の財務リターンですので、一般的なベンチャーキャピタルより財務リターンの目線は高くはないですが、1つ1つのスタートアップ自身がそれなりの力がないと戦略リターンの実現もなかなか難しいということで、このような方針を取っています。

Image:オムロンベンチャーズ

Climate Tech分野のスタートアップ投資はどのくらい伸びたか?

前田:私からは、環境関係のスタートアップ投資の変遷について紹介します。クリーンテック、Climate Tech分野の成長を見てみると、件数だとここ12年で約790件から3700件余りと5倍近い数字になっています。もちろんこの時期はベンチャー投資全体が非常に伸びた十数年でしたので、VC案件全体におけるクリーンテック、Climate Tech分野の案件が占める割合をみてみると、2010年の8%から2019年には13%と約1.7倍に増えています。

前田 浩伸
DNX Ventures
Managing Partner
1998年、慶應義塾大学(SFC)を卒業。1999年住友商事に勤務。2004年よりシリコンバレーにてVenture Capitalistとしての道へ進む。2004年にPresidio Venture Partners、2006年からGlobespan Capital Partnersを経て、2013年からDNX Ventures (旧DFJ JAIC, Draper Nexus Ventures)を立ち上げ、現在Managing Partnerを務める。

 また、世界のベンチャー投資全体の約20%がクリーンテック、Climate Tech関連の投資になっております。VCの視点から、グローバル全体でこの市場が非常に大きな割合になってきていることがわかるかと思います。

Image:DNX Ventures

 実は2010年とその前後の頃は第1次クリーンテックブームが、特に米国において非常に大きくありました。我々もご多分に漏れずその分野に投資しました。ところが、当時はソーラーテックやバイオエタノール系のスタートアップに投資しましたが、非常に厳しい結果だったんですね。背景として、例えば原油の価格がいきなり半分ぐらいに下がった瞬間に、このソーラーや代替エネルギーの企業が全然ROI(投資利益率)が出なくなり、散々たる結果になりました。

Image:DNX Ventures

 その経験を経て、この2017年以降のサステナブル、クリーンテックの第2次ブームにおいて我々は引き続きこの分野に投資し続けています。例えば学校交通のデジタル化・スクールバスの電化に取り組むスタートアップや、小型衛星を使って世界全体の災害監視などデータ解析で取り組む企業があり、これらは非常にうまくいっています。

Image:DNX Ventures

 第1次ブームと、現在の第2次ブーム、一体何が違うのかというと、米国の視点から3つの要素が大きく影響していると思っています。

 1つ目が、米国の人口分布におけるミレニアルやZ世代の人口が非常に割合が広がっています。彼らはものすごく環境に対してセンシティブで意識が高い。2つ目が政府からの規制強化が効いていて、ESGのコンプライアンスに係る部分の規制がどんどん増えています。この点は日本も同じだと思います。

 3つ目が、米国に住んでいる人の3分の1が気候変動を感じる実体験をしているという点です。シリコンバレーもここ数年、水不足や山火事が起きています。実際に体験すると気候変動への意識が高まりますし、投資家も気候変動に重点を置くようになり、市場がシフトしていますし、大企業やブランドも持続可能なイメージを意識するようになっています。

 CVCの現状についてもご説明します。ベンチャーキャピタルの投資の中に占めるCVCの割合は、2010年当時は10%程度ですが、2022年には全体の20%以上、CVCが占めるようになっています。年々、存在感が大きくなっています。また、CVCのトップテンのうち、4社は日本企業関連のファンドです。CVCにおいて日本のプレゼンスが上がってきている点は特筆すべきポイントだと思います。

Image:DNX Ventures

ソニーの環境ファンドの狙い、オムロンのビジョン型・共創型の投資

前田:これらの背景を踏まえてお聞きします。ソニーは環境ファンドを新たに立ち上げたとのことですが、既存のファンドと別で立ち上げた理由や背景について教えていただけますか?

土川:環境ファンド自体はインパクトファンドとして組んでいます。一方、我々の他のファンドは基本的にファイナンシャルリターンをベースに作っています。やはりソニーとして成長する企業と付き合っていきたい、ということがベースにあります。サステナブル分野については社内の環境グループと一緒に具体的な案件を見ながら、環境に対するインパクトがあり、かつ少し時間がかかるかもしれないがファイナンシャルリターンも見込めるスタートアップに投資する形です。どちらかというとアーリーステージの案件を見ていきます。

前田:ミッションドリブン的な視点も非常に大きいように感じます。でもただそれだけではなく、財務リターンもしっかり求めていくということなんですね。

土川:時間軸的には少し時間が必要なところではありますが、スタートアップ投資の面白いところで予想以上に急成長を遂げることもあります。エビの殻からプラスチックに代わる天然由来のパッケージング材料を生産する技術を開発するCruz Foamという米国のスタートアップがあります。発泡スチロール等、プラスチック材料に対する規制が米国でも強まっていますが、このスタートアップはプラスチックの代替材料としてエビの殻を原料とし、複数の特許技術で大量生産を実現する技術を開発しました。

 そして、この原料の素材が、以前はそれほど量がないのではないかと思ったのですが、実は大量にあるということが判明しました。現在、テレビなどの家電といった重い商品を運ぶ梱包材などを考えていますし、会社として急成長し始めています。

前田:オムロンベンチャーズさんではサステナブル分野、環境系を別ファンドにしようという議論などはありましたか?

井上:領域で別のファンドにしようっていう話はありませんでした。というのも、オムロンという会社の歴史、事業自体がソーシャルニーズの創造ということで、社会課題解決を強く考えてこれまで事業成長をしてきた会社ですので、フォーカスする領域自体が環境やヘルステックなど、ある程度難易度も高く、社会的意義も非常にある領域です。ですので、投資活動において領域でファンドを別にしようという話はありませんでした。

前田:なるほど。オムロンベンチャーズさんの投資活動において、短期的な事業連携が見込める投資と、長期的な分野のものという2つの方向性があるというお話を先ほどいただきました。こちらの詳細を教えてください。

井上:そうですね。ファンドは分けていませんが、投資のタイプとしては2つあります。1つがより長期的な視点で見ていく「ビジョン型」の投資、それからコラボレーションをメインに考えていく「共創型」の投資と、この2つのタイプがあります。

前田:投資活動においてサステナブルの分野は非常に幅が広いと感じませんか?環境系のスタートアップ投資において、デューディリジェンス(DD)の難しさを感じますか?

土川:私たちはソニーの全リソースがバックにあり、相当幅広い分野までカバーされていますが、確かに前田さんがおっしゃるようなサステナブル系については日進月歩の幅広い技術があり、我々だけで評価できるかというと、なかなか難しいところがあると思います。

 1つの手法として私たちソニーがユーザーになれるもの、という視点で見ることは結構あり、試しながらやっていくこともあります。

井上:私自身はこれまで医療機器という結構狭いフィールドにおいて深く活動してきたので、その感覚からすると、オムロンの事業領域は幅広すぎると思ったことも最初はありました。ですが、リスク感覚としては医療機器を見るときと同じような感覚もあり、(サステナブル系の分野についても)あまり違和感はありません。

 広い領域でそれぞれの業界知見のある人材は全社的にいますので、あとは外部の専門家とコラボレートしながら目利きをしていく感じです。

前田:デューデリジェンスにおいて、各事業部の関わりは必ずあるものなんですか?もう1点、既存事業とのシナジーが生み出せる可能性を見出せないと出資はできないものでしょうか?

土川:我々のミッションとしては、基本的にソニーの周辺領域にあり、我々が目利きができ、成長しそうな分野を見つけて投資をしていくのが基本形であります。一例ですけれども、例えばYouTubeや、Netflixとも大変早期から付き合っています。周辺領域で伸びていくものに早くから気づいて、対応していこうというのが基本的な姿勢です。

井上:先述した通り、2つのタイプの投資があり、共創型はDDのところから深く事業部のトップも含めて関わってもらい、一緒にやっていくとコミットしたものは事業部のアセットを使いながらしっかり一緒に事業成長していく形になります。

 事業部としても、あれもこれも全てアセットを使ってというのは現実的ではないので、結構選択的になっていく部分はあります。

投資に携わる人材をどう確保するか CVCは今後どんな存在であるべきか

前田:ソニーさん、オムロンさん共に会社全体で環境や脱炭素において大きな目標を掲げています。CVCが出資する環境系のポートフォリオ企業についても、その全社的な目標にどれだけ貢献しているのか、KPIや本社側のプレッシャーがあるのでしょうか?

土川:実は環境系のインパクトファンドを始める前に、世界中の環境関連機関の方にお話を聞いたり、グリーンウオッシュなどの勉強や情報収集を1年ほどかけて行いました。米国のソーシャルインパクト関連の組合にも参加しました。現在の規模の投資件数の段階では、やはり個別の案件に係るストーリーをとにかく明確にして、きっちり説明できるということをベースに置いています。

 いわゆるデータを集積してどの程度インパクトがあったか、という把握や検証も検討しましたが、投資件数がある程度上がってこないと、いわゆる可視化、ビジュアル化できる状況ではまだないということになりました。

井上:そうですね。先ほども申し上げた通り、ポートフォリオ全体で財務リターンを「0以上」にしようと、そこだけを決めているので、インパクト指数や指数を倍にしないといけないという取り組みはしていません。しっかりと、投資額以上には頑張っていこうという視点でトップも見ています。

前田:CVC特有のお話も聞かせてください。投資に携わる人材について、組織内の登用や外部の経験者の採用など手法はいろいろあると思いますが、どのように捉えていますか。

土川:各企業によっていろいろ文化の違いはあると思います。ソニーの文化的にはもともとクリエイティブな発想を持っている社員が大変多いということ、スタートアップ業界で何が起きているかということに個人としても関心を持っている人の比率が極めて高いと思います。我々がファンドを始めたときにも、社内から情報提供が山のように来ました。そういう文化が特徴的にあります。

 また、ソニーという会社が創業時に取り組んだトランジスタは、最初は外から取ってきたテクノロジーでした。ソニーでは海外のテクノロジーをどんどん見つけてくる部隊も長年活動しており、ソーシングがそもそもできるという特徴もあります。

前田:一般的なVCはファンドのパフォーマンスに対するCarried Interest、成果報酬が分配されます。CVCにはこのような仕組みはなかなかないと思いますが、オムロンさんのように外からプロフェッショナルを採用していく中で報酬の設計について工夫をされていますか?

井上:切り込んできましたね(笑)。私自身が投資のバックグラウンドなので、やはり投資をやるからには、しっかりキャピタルゲインを求めていくという仕組みは健全だと思っています。社内でもいろいろ議論をし、実は新しい人事制度を作りました。オムロンとしても、大きなチャレンジでしたけれども、キャピタルゲインをインセンティブとした報酬をつける形にしたことで、CVCとしては攻めた形の人事制度ができたかなと思っています。これによって、さらにCVCをを進化させていけるといいなと思います。

前田:進化のパターンとして素晴らしい取り組みですね。最後の質問です。先ほど紹介したように、世界的にCVCの割合やプレゼンスが増しているという現状を、おふたりはどう捉えていますか?

土川:CVCで構成する協会のメンバーでよく話しているのは、歴史的には、CVCは景気が悪くなると比較的取り扱いが減るという状況が起こってきましたが、今後そんなことをまた繰り返してしまうとCVCは存在しなくなると感じています。ですので、景気悪化などの状況下では各企業とも当然、幾分は選択的になることはあると思いますが、CVCの活動自体はきちんと続けていこうというのが業界の共通認識だと思っています。

井上:CVCの歴史の中で、いろいろ変遷をたどったCVCもあると思いますが、やはり純粋に、CVCが事業会社の社会実装力などを基に真の価値を生み出すことに貢献していく存在であり続けられれば、ずっと必要とされる存在であると考えていますし、そういった在り方を目指して今後もCVC活動をしていきたいと考えています。



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