【Solidia Technologies】CO2排出を削減する省エネセメント
Image: Solidia Technologies HP
設立年:2008年
URL:https://www.solidiatech.com/
Solidia Technologies(本社:米ニュージャージー州 Piscataway)は、CO2排出を削減する省エネセメントの製造技術を開発している。
セメントは通常、石灰石を原料とし焼成して生産するため、CO2を排出しやすい。Solidia Technologiesは低石灰のケイ酸カルシウムセメント(CSC)の製造と、水ではなくCO2と反応させることでCSCを使用したコンクリートの硬化を実現する技術を開発した。同社によると、燃料消費量、CO2排出量を各30%削減できる。硬化の工程で使ったCO2をそのまま完成品であるコンクリートに封じ込める技術も持っている。
従来の水を使ったコンクリートの硬化期間は28日であるのに対し、同社の製品は1日で硬化する。耐久性にも優れ、コストも低く抑えられる。世界のコンクリート製造者に同技術が採用された場合、業界のCO2排出量を7割削減し、年間3兆リットルの水を節約可能という。
【ZESST by Almatech】水素エネルギーのゼロエミッション旅客船
Image: ZESST by Almatech HP
設立年:2009年
URL:https://zesst.ch/en/
ZESST by Almatech(本社:スイス Lausanne)は、水中翼を搭載した水素エネルギーによる旅客船ZESSTを開発、提供している。日本では神戸にオフィスを構え、CO2を排出しないゼロエミッション船として、2025年大阪・関西万博での試験運航を予定している。
ZESSTは、水の抵抗を最小限に抑え、エネルギー消費を85%削減する。巡航速度は時速50kmに達するCO2を排出しないゼロエミッション船で、運航による波や騒音もほとんど出さず、生態系を保護するとともに快適な乗り心地を提供していく。
2027年から100人乗りの旅客船を建造・販売する計画をしている。渋滞した陸路の代わりに高速水素船を利用することで、移動時間やストレスが軽減され、利用者の生活の質の向上をもたらすこともできる。ゼロエミッションに加え、既存のディーゼル船よりも高い経済性・採算性を誇っており、コスト面でも優位性を持つという。
【Sweep】企業の脱炭素経営を支えるオールインワンプラットフォーム
Image: Sweep HP
設立年:2020年
URL:https://www.sweep.net/
Sweep(本社:フランス Montpellier)は、大企業の脱炭素経営を助けるオールインワンプラットフォームを開発するクリーンテック企業。CO2排出量の測定から分析、脱炭素化に向けての活動支援など、主に大企業のカーボンマネジメントニーズを満たすプラットフォームをSaaSとして提供している。
世界的に企業のESGへの責任が高まる中、Sweep(インタビュー記事)はCO2排出データを収集、可視化して企業の環境対応を後押しするデータドリブンなカーボン管理プラットフォームを提供している。膨大なデータを整理し、事業やバリューチェーン全体にわたる大規模なCO2排出量の測定から炭素削減のための行動、気候変動報告基準への準拠を容易に実現する。日本では大手の電気通信事業者で導入されている。
また、同社は気候変動プロジェクトへの投資によるカーボン・オフセットを可能にするマーケットプレイスも提供している。
【AEInnova】廃熱エネルギー利用とバッテリーレス熱電自電源IoTシステム
Image: ALTERNATIVE ENERGY INNOVATIONS (AEInnova)HP
設立年:2014年
URL:https://aeinnova.com/
ALTERNATIVE ENERGY INNOVATIONS(本社:スペイン Terrassa)は、「インダストリー4.0」のために、廃熱を回収して電気に変換する廃熱エネルギー利用や、バッテリーレス熱電自電源IoTシステムの開発に取り組んでいる。廃熱をクリーンで持続可能なエネルギーに変換することで、システムの電源となる電力を生成し、汚染度の高いリチウム電池の使用を回避できる。
AEInnovaのバッテリーレス、セルフパワー型のIoTシステム「INDU-EYE」は、IoTからリチウム電池をなくし、機械や作業プロセスから出る廃熱を利用してクリーンで持続可能なエネルギーに変換するシステム。
配線が必要ないため、工場などへの設置費用やメンテナンス費用を節約でき、バッテリーレスで環境にやさしくコストを削減できる。エッジコンピューティングによるデータ処理で有用なデータのみを送信しデータ統合するため、予知保全の効率化やコスト削減につながる。
【Zerticarbon】ブロックチェーンで認証された炭素吸収源ソリューション
Image: ZERTICARBON HP
設立年:2021年
URL:http://www.zerticarbon.com/
ZERTICARBON(本社:フィンランド Mikkeli)は、ブロックチェーンで認証された炭素吸収源ソリューションを提供している。
炭素吸収源とは、植物や海、土壌など、大気から放出するよりも多くの炭素を吸収するものを指す。ZERTICARBONプラットフォームは、ブロックチェーンプラットフォームに基づき、森林の所有者と、森林保全やネットゼロを達成するためにCO2排出量の相殺を希望する顧客をつなぐ包括的なサービス。同社の森林に関する専門知識と最先端のブロックチェーン技術を組み合わせることで、プロセスの透明性と信頼性を確保している。
同社のアプリで、顧客は実際の森林の検索からNFTやCO2トークン(ZCO2)の取得まで、プロセスのすべての段階にアクセスすることができる。さらに、森林の所有権やZCO2の価値に関する広範な情報を提供する。特定の木に関するデータはすべてブロックチェーンで認証され、木のGPS位置、捕獲されたCO2の量、植樹日などのデータも記録される。
【ZeroAvia】小型航空機向け燃料電池型ゼロエミッションパワートレイン
Image: ZeroAvia HP
設立年:2017年
URL:https://www.zeroavia.com/
ZeroAvia(本社:米カリフォルニア州 Hollister)は、航空業界におけるゼロエミッション化のリーダーを目指し、水素ベースの燃料電池による航空ソリューションを開発・提供している。
同社は、300〜500マイル程度の飛行距離のCO2排出ゼロ化ソリューションとして、水蒸気のみを排出する水素ベースの燃料電池による駆動システムを開発している。最大出力250kWで20座席の航空機を500マイル飛行が可能という。
水素供給システムは環境性を重視している。水を太陽光や風力等の再エネ発電で電解槽で水素化し、その水素を小型航空機の両翼端にある水素タンクに貯蔵、主翼中ほどに燃料電池とモーターを備え、プロペラを回す。クリーンで燃料およびメンテナンスコストも75%低減し、フライトの全体コストを最大50%削減可能という。2025年までに9〜19席の航空機で航続距離300マイル、2027年までに40〜80席の航空機で最大700マイルの航続距離を目標としている。