石油・ガス産業や製造業の企業向けに、集まってくるデータを分析するソフトウェアを提供しているElement Analytics。 運用担当者がデータを可視化し、工場や機器の「デジタルツイン」を得られるようなサービスを目指しているという。CEOのAndy Bane氏に話を聞いた。

Andy Bane
Element Analytics
CEO
University of Colorado, Boulder卒。ソフトウェア会社Ventyxで製品管理の副代表兼CMO(Chief Marketing Officer)を務め、そののち同社が電力関連、重電、重工業を手がける多国籍企業ABBグループにより買収され、 ABB Enterprise Softwareで副社長兼CTO(Chief Strategy Officer)に。2015年からElement AnalyticsのCEO。

正しいデータを正しいところに

―どのようなサービスを提供しているのでしょうか。

 サンフランシスコに拠点を持つソフトウェアサービスの会社です。我々はデータをより有効につかって問題を解決したいと考えている企業のサポートをしています。正しいデータを、正しい人のところに、正しいタイミングで届けるというのは簡単なことではありません。多くのデータは文脈がなく、様々なところに散らばっています。これらを適切に集めて分析するのはこれまで手作業でされていたわけですが、センサーや機器からますます多くのデータが収集できるようになっており、処理が難しくなっています。私たちはこれを自動化することで、企業がデータを使いやすく、分析しやすいようにしています。

世界中の拠点をどう効率的に活用するか

―具体的にどのような使い方がありますか?

 石油・ガス、製造業、化学メーカーなどの企業が主要顧客です。彼らは数十年にわたりデータを集めてきました。たとえばある巨大な石油・ガス企業では、世界中に30カ所のプラットフォームを持っており、これらをより効率的に生産的に活用する方法を常に考えています。それぞれの場所に40以上の機器があり、集まってくるデータを分析するには、58種類の別々の分析モデルを走らせる必要があります。30カ所では1600モデルにも及びます。これをエクセルでやるわけにはいかないので、私たちがソフトウェアを提供しています。

―ビジネスモデルはどのような形なのでしょうか。

 ビジネスモデルとしてはSaaSモデルではありますが、私たちの顧客の場合は特に製造業で、運用担当者はデータを自分たちで管理したいと思っています。必ずしも第三者にデータを移行したがらないので、彼ら自身のクラウド環境などで利用できるようにしています。これはかなりユニークなやり方ではないでしょうか。

「デジタルツイン」を提供

―どのような企業からのニーズがありますか。

 どんな企業でも、自社内で予測的なメンテナンスをしたいという企業、データサイエンスチームを持っているけれど今は70~80%をデータのクリーニングにかけていてそこを効率化させたい企業などが顧客になりえます。

 データの可視化も手掛けています。担当者には、データを階層化して見たいのと同時に、グラフィックで見たいというニーズがあります。工場や製品などに関わる物理世界の出来事を、そっくりデジタル上にリアルタイムに再現する「デジタルツイン」という言葉がはやっていますが、私たちは運用上のデジタルツインを作っているわけです。1つずつのポンプやコンプレッサーのデジタルツインでもあるし、それらがすべて組み合わさったプラットフォーム全体のデジタルツインにもなります。

―どうしてこのビジネスをはじめたのですか。

 私自身、数十年にわたって、資産中心の業界でシステムやソフトウェアを扱ってきました。電力や石油・ガス、パルプ・紙などの製造業で特に長く働き、アセットを管理し活用するためのシステム作りに関わってきました。こういったことは数十年前から行われていて、ただそこにクラウドやビッグデータ、機械学習といったものが入ってきて、より安くスケールさせることができるようになってきたということです。

戦略的アドバイザーを得たい

―今後の展望を聞かせてください。

 私たちの顧客企業に対して戦略的アドバイザーになってくれる企業とコラボレーションをしていきたいと思っています。単に再販売をするということではなく、データやソフトを使って何ができるかを一緒に考えられるようなパートナーを長期的に得られたらと思います。日本企業とのコラボレーションもぜひ始めたいです。すでに三井物産とのコラボレーションにはとても満足しています。日本市場だけではなく世界中で問題解決を図るグローバル企業をサポートしたいと考えています。



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