DroneInchは田畑や農園の巡回点検を、簡単、低コスト、そして自動操縦で実現させるアプリ「DIFlyDrone」を提供している。今回はFounder & CEOのSrivatsan Desikan氏に話を聞いた。

高額なソフトウェアや研修、複雑な操縦からの解放

―まずDroneInch設立の経緯を教えてください。

 日本も同じだと思いますが、農業従事者は高齢化と後継者不在という問題に直面しています。その解決策を先端技術に求め、ドローンの導入が進んでいますが、農業を専門にしてきた人にとってドローンを有効活用することは容易ではありません。ドローンのカメラの設定から全て自力で行わねばならず、ソフトウェアや研修に高額な費用がかります。せっかくドローンを買っても、使わなくなったと農場を持つ友人や彼の仲間から聞いたことがDroneInch設立のきっかけになっています。

―DroneInchの製品について教えてください。

 当社は、ドローンDJIMavicProおよびDJIMavic2以降で使える「DIFlyDrone」というiOS用のアプリを提供しています。ドローン本体の製造や販売はしていません。「DIFlyDrone」はApp Storeから無料でダウンロード可能です。

 「DIFlyDrone」は、ドローンを自律させるためのプラットフォームで、動画や静止画の撮影を含めた巡回点検に適した機能が備わっています。このアプリを使うために特別な研修を受ける必要はありません。

Srivatsan Desikan
DroneInch
Founder & CEO
1995年、インド工科大学バラナスにて土木工学の第一級優等学位を取得。MicrosoftのSolution Services Managerなどを務めた後、2008年、UC Berkeley Haas School of BusinessにてMBAを取得。2014年までCiscoにてSenior Business Development Manager (cloud)などの管理職を務めた。2017年にDroneInchを創業し、FounderとしてCEOに就任。DroneInch以前に4回起業し成功を収めている。
 例えば田畑で使う場合、ユーザーは対象となる畑をアプリ内の地図上で指定し、栽培している作物の種類をアプリ内のリストから選択するだけです。種まき期の2ヶ月間だけ毎朝8時に巡回点検を行うというように、日時の設定も可能です。こうした“Mission”の設定は、簡単な操作だけで行えます。実際に巡回点検を行う際、現地で必要な作業は、ドローンのスイッチを入れることと、終了後にスイッチをオフにしてドローンを保管することだけですから、特別なスキルは不要ですし、全て自分でやる必要はなく、他の人に頼むことができます。

 作物の種類など、“Mission”内容に従い、ドローンが飛行する高さ、飛行パラメータ、カメラのアングルなどが自動で調整され、任務を実行します。撮影画像は、専用のクラウド「DICloud」に保存され、必要な時に確認することができます。また、ドローンの飛行が制限されている場所も把握していますので、違反しないよう自動で制限する機能も設けています。

―アプリのダウンロードは無料とのことですが、撮影等も全て無料で行えるのですか。

 いえ、有料です。Mission Creditを購入いただき、“Mission”単位で使う分だけ支払う方式を取っています。例えば、撮影“Mission”は一回5 Mission Creditです。また、最初に200 Mission Credit(200ドル相当)を付与しますので、これで約1ヶ月間は無料でアプリをお試しいただくことができます。「DICloud」への撮影画像や動画の保存および閲覧は無料です。

―かなり低コストで使うことができますね。

 そうですね。農業用のドローンを操縦するために人間のパイロットを雇う費用や、完全に競合しませんが他の専用ソフトウェアと比べるとかなり低コストです。

 低価格でサービスを提供できている理由は、全てをAWS(Amazon Web Service)でまかなっているため、サーバの購入や、データセンターを所有する必要がないことや、経験値が高いエンジニアを雇用し、少数精鋭のチームを構築したことが大きいです。

農業以外でも活用できる大きな可能性

―農業以外の分野でも展開できる可能性はありますか。

 今は農業分野にフォーカスしていますが、農業以外に、15以上の分野で展開が可能だと考えています。危険な場所での活用など、33のユースケースを想定しており、それらを一つひとつ実現してくことを目指しています。

―海外での展開も考えていますか。

 農業用のソフトウェアとして、当社はすでにグローバル展開しています。南アフリカとインドで導入実績があります。インド以外のアジアの国々での展開も当然考えています。将来的には農業以外の分野での進出も目指します。



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