企業同士の資料共有プラットフォームのDocSend。オンライン署名やリンク送付後の閲覧状況などを分析できる機能もあり、今や9000社が利用するツールとなっている。CEOのRuss Heddleston氏に問題意識や起業の経緯を聞いた。

Russ Heddleston
DocSend
Co-founder & CEO
2006年にスタンフォード大学卒、コンピュータサイエンスで修士号取得。MicrosoftやDropboxでインターンをしたのち、最初の起業をした。2011年にハーバードビジネススクールでMBA取得。Facebookでプロダクトマネージャーを務めたのち、2013年にDocSendを設立しCEOに就任。

誰がどこまで読んだのかも分析可能

―どのような問題を解決しようとしていますか。

 メールに様々な資料を添付するのは手間がかかります。Outlookはストレージに上限があって、添付のデータであふれかえってしまわないように過去のメールを消して回る必要がありますよね。送られてきたパワーポイントファイルを開けたらフォントが変わってしまったことはありませんか? GoogleDriveやMicrosoftOffice365といったツールもありますが、アカウントを作らないといけません。こうした様々な問題がもたらすストレスを解決したかったのです。

―DocSendでは具体的にどのようなことが可能なのですか。

 資料を送るだけではなく、たとえば送った後に何人くらい、どのページまで閲覧されているか、転送を許可する場合どれくらい転送されたかなどが分析できます。どこまでリンクを共有するかも選択することができ、常に内容をアップデートすることもできます。

 それから、オンライン署名の分野でもワンクリックでNDAが結べるなど非常に便利になっています。契約を結ぶためのディールマネジメントのプラットフォームという形で使ってくれている企業も多いです。資金調達やセールス、様々な分野で、Fortune500の大企業からスタートアップまで幅広い顧客層がいます。

Dropboxでのインターンシップがきっかけ

―どのような経緯で起業したのですか。

 大学院卒業後に、当時まだ15人程度しか社員がいなかったDropboxでインターンをしました。Dropboxはメール添付の問題に取り組んでいて、とてもいい解決策を作っていると思いました。彼らはリンクを送るモデルもはじめていて、これでもう企業は逐一資料をメールに添付しなくても済むなと思っていたのです。

 ところが、後にFacebookに勤めて辞めたころに、いまだに多くの企業がメール添付をしていることに気が付きました。それでスタンフォード時代から共に過ごしてきたDaveとTony、つまり現在の共同創業者の二人に、話を持ち掛けたのです。彼らと一緒に企業をインタビューしてまわったところ、なぜメール添付をするかというとそのほうが簡単だからという答えが返ってくるのです。そこで、もっと簡単にリンクを送れるサービスを作ろうとDocSendを作りました。

日本市場にも関心

―日本市場に関心はありますか?

 日本では、企業によっては資料添付を禁止するようなルールがありますよね。ですので、大変関心があります。まさに日本市場にどのようにアプローチすべきかを考えているところです。付加価値をつけて再販売をしてくれる企業があれば、パートナーシップをぜひ組みたいと思います。



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