目次
1. グーグルの一般公開施設「Google Visitor Experience」
2. ARで本社ツアー疑似体験「Apple Park Visitor Center」
3. AI企業のハブ化するサンフランシスコのオフィス街
4. 西海岸の旗艦店「テスラ・ショールーム」
5. ショッピングだけじゃない「サンタナ・ロウ」
6. シリコンバレーの知の源泉「スタンフォード大学」
7. 唯一無二のVCクラスター「サンドヒル・ロード」
8. シリコンバレー発祥の地「HPガレージ」
9. 自動運転タクシー「ウェイモ」に乗ろう
10. 使い方いろいろ「コワーキングスペース」
1. グーグルの一般公開施設「Google Visitor Experience」

image : Iwan Baan / Google
グーグル・ビジター・エクスペリエンス(Google Visitor Experience)は、米カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社に隣接した一般公開施設。2023年にオープンした施設で、ストアでの買い物や、カフェでの食事を楽しめる。カフェで提供される食事は意外と本格的で、特にフォカッチャと季節の野菜のスープが筆者のおすすめ。
ほかの建物は一般訪問者の立ち入りが制限されているが、キャンパス内には「ドロイド君」などの像が点在しているほか、グーグラーズ(Googlers、社員の愛称)がロゴカラーの自転車「Gバイク」でキャンパス内を移動している姿も見られて新鮮だ。周辺には市営の公園や小高い丘もあるため、天気のいい日はリフレッシュを兼ねてぜひ散策を。
2. ARで本社ツアー疑似体験「Apple Park Visitor Center」

image : Apple、TECHBLITZ編集部(左下)
アップルパーク・ビジターセンター(Apple Park Visitor Center)は、米カリフォルニア州クパチーノにあるアップル本社「アップルパーク」の道路向かいにある一般公開施設。入場無料で休館日もないため、旅行者にも人気のスポットだ。1階はアップルストア、カフェ、本社ビルのARモデル展示室の3つに分かれており、2階には開放的な屋上テラスが広がっている。
残念ながら、屋上テラスからでも円形の巨大な本社ビルはほんの一部しか見ることができないため、1階のARモデル展示室で借りられる専用iPadを駆使して疑似的な「本社ツアー」を体験しよう。ちなみに、カフェで提供されるラテアートはアップルのロゴをあしらった特別仕様(画像左下)。ブラックコーヒー派の方も、ここではカフェラテを注文してみてはいかが?
3. AI企業のハブ化するサンフランシスコのオフィス街

赤い点線で囲まれたエリアがSoMa地区で、北側の境界線がマーケットストリート(Google Mapより抜粋)
テック企業の中心地として知られるサンフランシスコ市内のオフィス街には近年、OpenAIやAnthropicをはじめとしたAI企業が本拠を置く傾向が顕著だ。セールスフォースタワーなどの高層ビルが立ち並ぶSoMa(サウス・オブ・マーケット)地区や、隣接するファイナンシャル・ディストリクト(金融地区)にはAI系のユニコーン企業や有望スタートアップが集い、AIイノベーションの世界的な中心地へと変貌を遂げている。
シリコンバレー地域の企業分布として、アップルやグーグル、エヌビディア(NVIDIA)といった企業は、製造設備や広大な敷地を要するためシリコンバレー南部に拠点を構える一方、AI企業はそれほど広大な敷地を必要とせず、サンフランシスコ市内のオフィス街を選ぶ傾向にある。ユニオンスクエアからもほど近く、エリア内にはサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)などもあるため、観光を兼ねて今話題のAIスタートアップが集う現場を自分の目で見る絶好のチャンスだ。
4. 西海岸の旗艦店「テスラ・ショールーム」

image : bluestork / Shutterstock
サンノゼ西部の高級複合商業施設「サンタナ・ロウ(Santana Row)」にあるテスラ・ショールームは、西海岸におけるテスラの旗艦店の1つ。店頭には展示車数台のほか、オリジナルデザインのマグカップなども販売されている。事前に日程を予約しておけば、試乗も可能だ。予約はテスラ公式サイトの専用ページから。
ちなみに、競合のリビアン(Rivian)も間もなくサンタナ・ロウにショールームをオープンする予定。また、隣接するショッピングモール「ウェストフィールド・バレーフェア」にはルーシッド(Lucid Motors)やポールスター(Polestar)のショールームがあり、各社をハシゴして最新モデルを見比べるのも楽しそう。

5. ショッピングだけじゃない「サンタナ・ロウ」

image : Santana Row HP
テスラ・ショールームを訪れた後は、そのままサンタナ・ロウをゆっくり散策してみよう。サンタナ・ロウは「シリコンバレーのロデオドライブ*」とも呼ばれ、目抜き通りの建物はヨーロッパ風の街並みを思わせる雰囲気。広大な敷地内には、高級ブランドを含む50以上のショップや30軒を超えるレストラン・カフェが立ち並ぶほか、日本人駐在員にも人気の高級賃貸住宅やブティックホテル、オフィススペースなどが併設されている。
シリコンバレーのビジネスパーソンの間では、打ち合わせや商談の待ち合わせ場所としても重宝されていて、天気の良い日には屋外のカフェテーブルでカジュアルなミーティングを行う姿も多く見られる。シリコンバレーならではの仕事とプライベートが自然に融合するライフスタイルを垣間見ることができる、現地のテック文化を象徴するワンシーンだ。
*ロサンゼルス市内の高級住宅街ビバリーヒルズにある有名な高級ショッピングストリート
6. シリコンバレーの知の源泉「スタンフォード大学」

image : jejim / Shutterstock
シリコンバレーの心臓部に位置するスタンフォード大学は、世界最高峰の学術機関であると同時に、訪問者にとっても魅力的な観光スポット。赤いタイル屋根と砂岩の建物が特徴的な広大なキャンパスは、「ザ・ファーム」の愛称で親しまれる。
自由に散策するなら、14階の展望台からの見晴らしが絶景な「フーバー・タワー」、卒業生の結婚式の場としても人気の教会「メモリアルチャーチ」、世界有数のロダン彫刻コレクションを所蔵する「キャンター・アーツ・センター」などが見どころだ。学生主導のガイドツアーも用意されており、スタンフォードの歴史や文化、学生生活について詳しく学べる貴重な機会となっている。
7. 唯一無二のVCクラスター「サンドヒル・ロード」

TECHBLITZ編集部撮影
シリコンバレーの資金調達の中心地として知られるサンドヒル・ロードには、セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)やアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)など名立たるベンチャーキャピタル(VC)を筆頭に50社前後が拠点を構え、世界でも唯一無二のVCクラスターを形成している。ここはスタンフォード大学からも程近く、まさにシリコンバレーのスタートアップエコシステムを象徴する場所の1つだ。
その歴史は1972年、クライナー・パーキンス(Kleiner Perkins)がここにオフィスを構えたことに始まる。2000年代初頭には、マンハッタンやロンドンの高級地区を上回る世界最高額の商業不動産賃料を記録(1平方フィート当たり144ドル)、2024年時点でも米国でトップクラスのオフィス賃料を誇るエリアだ。どこかリゾート地のような雰囲気も漂う低層オフィスビル群は一般公開されていないが、ドライブスルーで見学することは可能だ。
Sequoia Capital / Andreessen Horowitz / Kleiner Perkins / Khosla Ventures / New Enterprise Associates / Lightspeed Venture Partners / Greylock Partners etc.
8. シリコンバレー発祥の地「HPガレージ」

TECHBLITZ編集部撮影
1939年、スタンフォード大学の卒業生であるビル・ヒューレットとデイブ・パッカードが母屋の裏にある小さなガレージで創業したヒューレット・パッカード(HP)の発祥地。このガレージは1989年にカリフォルニア州から正式に「シリコンバレーの誕生地」(Birthplace of Silicon Valley)として認定され、2007年には国家歴史登録財に指定された、テクノロジー産業の聖地だ。
9. 自動運転タクシー「ウェイモ」に乗ろう

サンフランシスコ市内では、Googleの親会社アルファベット傘下のウェイモ(Waymo)による完全自動運転タクシーサービス「Waymo One」が一般向けに提供されている。このサービスは2023年8月に商用運行を開始し、2024年6月25日に一般開放された。米国では2025年5月現在、サンフランシスコ市内のほか、アリゾナ州フェニックス(最初のサービス導入都市)、カリフォルニア州ロサンゼルス、テキサス州オースティンでサービスが展開されている。
- スマートフォンにWaymo Oneアプリをインストールしてユーザー登録
- アプリで乗車地点と目的地を指定して配車をリクエスト
- Waymoが到着したらアプリのアンロックボタンでドアを開ける
- 車内でシートベルトを着用し、操作パネルのスタートボタンを押して発車
- 目的地に到着したら降車し、ドアを閉める
10. 使い方いろいろ「コワーキングスペース」
サンフランシスコは世界のテック産業の中心地として、多様で柔軟なワークスペースが発達。特にパンデミック後は、リモートワークとオフィス勤務のハイブリッドモデルが定着し、短期利用可能なコワーキングスペースの需要も増えている。時間単位で利用できる形態も充実していて、特にファイナンシャル・ディストリクト(金融地区)やスタートアップが密集するSoMa(サウス・オブ・マーケット)地区には多くのスペースが集中している。
- NEON:サンフランシスコで最も柔軟性の高いドロップイン型ワークスペースの1つ。時間単位で$5から利用可能で、契約や長期コミットメントは一切不要。スマートフォンアプリで簡単に予約から支払いまで完結できる。高速光ファイバーインターネット、無制限のコーヒー、プライバシーブース、プリンターサービスを完備。UPS(United Parcel Service)アクセスポイントも併設されているため、荷物の送受信も便利だ。
- Anchor Coworking:サンフランシスコ市内でも特にコスパの高いコワーキングスペースの1つ。会員登録料なしで、フローティングデスク、専用デスク、プライベートオフィスを提供。5つの会議室、ラウンジ、フーズボール、瞑想エリア、ハッピーアワー、ビジネスエリア、キッチンサービスなど充実した設備が魅力。「お試し利用」オプションがあり、施設ツアーと短時間の利用体験ができる。
- Trellis:パンデミック後に設立された、コミュニティ重視のコワーキングスペース。ドロップイン利用が可能で、月額メンバーシップに加入すれば24時間365日アクセス可能。3段階のホットデスク、電話ブース、プライベートオフィス、会議室を完備。自然光が差し込む美しいレンガと木材のインテリアが特徴的で、犬同伴可能なワークスペースとしても人気。週1回のハッピーアワーでは、メンバーの最初の1杯が無料になるサービスも。
- San Francisco Public Library:完全無料のオプションとして、サンフランシスコ公共図書館のCivic Center本館は、静かな作業環境を求める出張者にも人気。無料Wi-Fi、読書エリア、ノートパソコン用の作業テーブルを提供。プリンターサービス(有料)やオンラインデータベースへのアクセスも可能。