Image: Ninja Van
東南アジアでラストマイルの配送を手がけるNinja Van。従来の配送サービスの遅延や非効率さを解消するため2014年に設立された。低コストで確実に商品配送を行える配送サービスを提供し、東南アジアのEコマースの成長と共に事業は急成長している。現在までで1億1700万ドルの資金調達をしており、東南アジアの有数のスタートアップと数えられる。1000人以上の企業となった彼らは、配送ビジネスの先に何を見据えているのか。CEOのChang Wen Lai 氏に話を聞いた。

テクノロジーで東南アジアの可能性を引き出す

―Ninja Vanのビジョンを聞かせてください。

 私たちのビジョンは極めて明解で、東南アジアをテクノロジーによって様々な可能性に接続したいということです。現在は大きな物流ネットワークを保有していますが、物流のみに絞るつもりはありません。このネットワークを使ってどのようにビジネスを成長させるかで、様々な可能性が開けると思っています。

Chang Wen Lai
Ninja Van
CEO
ウォートンビジネススクールでBBA、2012年にシンガポールのSMU卒。デリバティブのトレーダー、テーラーメイドのファッションブランドの共同創業者を経て、Ninja Vanを創業。

―どのような可能性があるのでしょうか。

 東南アジアには中小企業が山のようにあります。いまや皆がモバイルフォンを持っていますから、国境を越えて購買が行われます。消費者とつながる様々な方法がありえます。こうした中小企業が成長していくのを支援していきたいと考えています。

国境を超えたサプライチェーン支援、決済システムも検討

―物流以外では具体的にはどのようなことを検討していますか?

 現在は東南アジアで物流に集中しており、中小企業にとってEコマースの解決策を提供することがすべての起点になっています。でも将来は、たとえば国境を越えたサプライチェーンを支援できるかとか、決済システムや消費者のコミュニティを作れるかなど、多様な可能性を検討しています。

―日本市場をどのように見ていますか?

 日本は東南アジアよりも先行していて、日本が今どうなっているかを見ることはとても勉強になります。日本の物流を見ると、ある程度成熟しても勝者がすべてを持っていくわけではないということがわかりました。日本市場は私たちが展開する余地もありますが、まずは東南アジアで長く利用されるサービスを目指そうと思っています。

Image: Ninja Van

―日本企業などとのパートナーシップに何を期待しますか?

 日本企業を含めて東南アジアに物を売りたい企業が物流に私たちを使ってもらえるよう、海外企業から出資も受けながらベストプラクティスを学んでいきたいと思っています。ただ日本企業は意思決定が遅く、直接的でない物言いが多いので、そこを改善してもらえたらもっとパートナーシップを組みやすくなると思います。

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