※TECHBLITZでは、人型ロボット分野の国内外のスタートアップを独自に調査。記事後半では、中でも注目の5社を紹介します。
人間の体に似た形状のロボット。人型のデザインは、人間が使用する道具や環境に適合させるという機能面の目的が一般的。近年はスタートアップを中心に開発競争が進み、手足の動作が滑らかなロボットも数多く登場。まずは倉庫や工場での活用、ゆくゆくは高齢者介護の現場などでも活躍できる可能性があり、深刻な労働力不足の解消につながることが期待されている。
<目次>
・Teslaの人型ロボット、AIが開発スピードに貢献
・人型ロボットが「人型」をしている理由
・TECHBLITZが選ぶ、人型ロボット関連スタートアップ5選
1. 1X(ノルウェー)
2. Agility Robotics(米国)
3. Sanctuary Cognitive Systems Corporation (Sanctuary AI)(カナダ)
4. Diligent Robotics(米国)
5. PowerON(ニュージーランド)
Teslaの人型ロボット、AIが開発スピードに貢献
Teslaは2023年12月、第2世代の人型ロボット「Optimus Gen 2」の動画をX(旧Twitter)に投稿。前モデルからのアップデートとして、軽量化や歩行速度の向上、卵をつかめるほど繊細な指の動きが可能になった新型の「手」などが目を引いた。
それから1カ月後の2024年1月には、ロボットが器用な動作で洗濯物をたたむ動画をElon Mask氏がXに投稿。複雑な動作をこなす姿に驚きのコメントも寄せられたが、これはネット掲示板のユーザーにより「仕掛け」がすぐに見破られ、画面外でオペレーターが遠隔操作していると判明した。Mask氏は自身の投稿にリプライを付ける形で、「注意事項:Optimusはまだ洗濯物を自動ではたためないけれど、いずれこれが任意の環境で完全自動化されるのは間違いない」と弁明。器用さを検証するための試験だったという。
いずれにせよ、プロジェクト発表(2021年8月)から2年半弱での開発スピードには目を見張るものがある。2023年に第1世代と第2世代が立て続けに公開されたOptimusの急速な進化について、開発に携わっているMilan Kovac氏は、「大規模なAIモデルのトレーニングと評価インフラストラクチャー」「アクチュエーターやバッテリー、AIチップ、自動運転ソフトなど自動車開発で培った技術的な基礎」などがこれを可能にしたとXへの投稿で言及している。
なお、人型二足歩行ロボット開発の先駆けとして知られるBoston Dynamicsの「Atlas」は、2013年7月のデビューから、ジョギング機能が追加されるまでに約5年の歳月を要した。
洗濯物をたたむ「Optimus Gen 2」(Xに投稿された動画のスクリーンショット)
人型ロボットが「人型」をしている理由
Amazonは2023年10月、物流拠点に人型ロボット「Digit」を試験導入すると明らかにした。ロボットは、同社が投資するスタートアップのAgility Roboticsが開発したもの。二足歩行し、両腕を使って物を持ち上げたり、移動させたりすることができる。
物流拠点や工場ではロボットアームが導入されるケースが多い。Amazonは人型ロボットを試験する理由について、「サイズと形状が人間向けに設計された建物によく適している」「作業員との協業型ロボットであるDigitのようなソリューションを拡張する大きなチャンスがある」と説明している。
このように、人型ロボットが「人型」をしている理由は、人間が働いている場所での協業や代用を想定しているケースが最も一般的。2023年3月にステルスモードから脱したスタートアップのFigureの自律型汎用ロボット「Figure 01」や、Apptronikの二足歩行ロボット「Apollo」などもその例だ。別のケースとしては、Engineered Artsが開発する人型ロボット「Ameca」に代表される娯楽目的のロボットのように、用途が人との交流である場合が挙げられる。
「Ameca」は表情豊かで、OpenAIのGPT-3を利用して会話内容を生成する(Engineered Arts提供)
TECHBLITZが選ぶ、人型ロボット関連スタートアップ5選
人型ロボット開発は各種作業を想定した汎用型ロボットを筆頭に、物の移動により特化したもの、病院での業務支援ができるものなどさまざま。また、サブ技術ではあるがロボットのグリッパーに「触覚」を与えるような技術を開発するスタートアップもある。TECHBLITZ編集部が選ぶ、人型ロボット関連のスタートアップ5社はこちら。
1. 1X
設立年 | 2014年 |
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所在地 | ノルウェー モス |
2. Agility Robotics
設立年 | 2015年 |
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所在地 | 米国オレゴン州コーバリス |
3. Sanctuary Cognitive Systems Corporation (Sanctuary AI)
設立年 | 2018年 |
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所在地 | カナダ ブリティシュコロンビア州バンクーバー |
4. Diligent Robotics
設立年 | 2016年 |
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所在地 | 米国テキサス州オースティン |
5. PowerON
設立年 | 2019年 |
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所在地 | ニュージーランド オークランド |
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