Image: Rawpixel.com/Shutterstock.com
 新型コロナウイルスの感染が広がる中、ビジネスを継続させるため、そして従業員の安全を守るために、多くの企業がリモートワークを導入しました。ビデオミーティングが普及し、多種多様なコラボレーションツールが登場、デジタル契約書や電子署名の利用も否応なしに進むなど、リモートでの仕事をスムーズに遂行するためのテクノロジーソリューションの位置付けが、「ベター」から「マスト」へ変わっていきました。今回は、業務効率化ツールに関連するテーマを15に分けて、テーマごとに代表的なスタートアップを紹介します。

※本記事はTECHBLITZが配信した「Business Efficiency Tools Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらか本記事末のフォームまでお問い合わせください。

<目次>
デジタル化の動き、働き方の見直しが加速
業務効率化ツール、注目の15カテゴリ
1. リモートワーク&コラボレーション
2. 会議書き起こし&要約
3. タスク・目標管理
4. モチベーション&スキルアップ
5. 文書・資料作成
6. 手書き書類のデジタル化
7. ワークフローの自動化
8. 営業サポート
9. 契約書作成・管理
10. カスタマーサポート
11. データ管理・共有
12. ITサポート
13. ビジネス・インテリジェンス(BI)
14. リスクマネジメント
15. 経費精算&SaaS管理

デジタル化の動き、働き方の見直しが加速

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、ビジネスを継続させるため、そして従業員の安全を守るために、多くの企業がリモートワークを導入しました。ビデオミーティングが普及し、多種多様なコラボレーションツールが登場、デジタル契約書や電子署名の利用も否応なしに進むなど、リモートでの仕事をスムーズに遂行するためのテクノロジーソリューションの位置付けが、「ベター」から「マスト」へ変わっていきました。

 この間、対面で会話を交わしながら仕事をすることの大切さを感じると同時に、これまで当たり前として受け止めてきたことの中に、実は無駄や非効率が隠れていたことを実感した方も多いのではないでしょうか。ワクチンが普及し、ビジネスが「正常化」していった後にも、パンデミック以前から進んでいたデジタル化や効率化の動き、そして働き方の見直しが加速していくだろうと予測されています。

 ガートナー社がCXOレベルの企業幹部を対象に実施した「Gartner 2020 Digital Workplace Survey*」でも、回答者の68%がコロナ危機収束後も、デジタルワークプレイスの推進、実施に取り組む意向を示しています。同記事上でガートナー社は、デジタルワークプレイス関連技術のハイプ・サイクル**も紹介しています。

※本記事はTECHBLITZが配信した「Business Efficiency Tools Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまでお問い合わせください。

業務効率化ツール、注目の15カテゴリ

Image: Business Efficiency Tools Trend Report

1. リモートワーク&コラボレーション

 新型コロナウイルス感染拡大阻止のため、大勢の人が一堂に会するイベントの開催が困難となり、また従業員の健康を守るため在宅勤務が一気に普及しました。それにともない、展示会や商談、社内ミーティングをオンラインで簡単かつプロフェッショナルに実施できるツールが数多く生まれました。「正常化」後も社員がリモートワークを選択することを認めると表明した企業も出てきており、これらのツールは将来的にも重要な役割を担っていくことが予想されます。

Hopin
交流促進を重視したオンラインイベント開催ツール
所在地 London, UK
創設年 2019年
資金調達額累計 $571.4 M / Series C
出資者 Andreessen Horowitz, General Catalyst, Salesforce Ventures, Accel, LinkedIn, etc.
URL https://hopin.to/
ネットワーキング要素を高めた、柔軟性の高いオンライン会議 / イベントプラットフォームを開発。オンラインでの「会場づくり」に力をいれており、イベントページ作成やスポンサー募集(掲載)などが可能。また、「オンライン展示ホール」機能では、ページ内に製品紹介ブースを設定して訪問者をブースに呼び込んだり、参加者同士でつながり、別のチャットルームで座談会を開催したりできる。
Image : Hopin HP
RemoteHQ
ビデオチャットと共同作業をひとつのブラウザで
所在地 Boston, Massachusetts, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $2.7 M / Seed
出資者 TechU Ventures, Underscore VC, etc.
URL https://www.remotehq.com/
ビデオチャットをしながら、共有ブラウザ内で共同作業を行えるバーチャルオフィスツールを開発。「部屋(ワークスペース)」を作り、その中でビデオチャットやホワイトボードなどの各種アプリを同時展開して共同で作業ができる。アプリケーションのレイアウトは個別に設定でき、他の参加者の画面内容には影響しない。議事録作成や日本語の文字起こしにも対応。
Image : RemoteHQ HP

2. 会議書き起こし&要約

 AI 技術の進展にともない、会議中の会話を書き起こすだけにとどまらず、「重要部分や決定事項を際立たせる」「要約を作成する」「誰がいつまでに何をやるのかアクションリストを自動作成する」といった “会議アシスタント機能” が進化を遂げています。

Otter.ai
AIによる音声のライブ書き起こしツール
所在地 Los Altos, California, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $63.0 M / Series B
出資者 NTT Docomo Ventures, GGV Capital, 500 Startups, Slow Ventures, etc.
URL https://otter.ai/
AIを用いて会話や音声を瞬時に文字化できるライブ書き起こしツールを開発。書き起こし生成後に大事な箇所にハイライトをつけたり、キーワードを抽出したりしたうえで、グループ内でシェアすることができる。登録すれば発話者を自動分類できるほか、記録された文字をクリックするだけで、音声データの該当箇所にジャンプ(頭出し)することも可能。
Image : Otter.ai HP
Fireflies.ai
会議後の面倒な作業を担うAIアシスタント
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $19.0 M / Series A
出資者 Khosla Ventures, Canaan Partners, Right Side Capital Management, etc.
URL https://fireflies.ai/
会議の議事録作成、書き起こしや要約、会議後に取るべきアクションのリスト化、過去の会話内容の確認など、会議に付随する一連の作業を担うAIアシスタントを開発。主要ビジネスツールとの統合をサポート。ビデオ会議に加え、セールスコール、採用活動やユーザーのインタビューなど幅広い分野での利用も想定されている。
Image : Fireflies.ai HP

3. タスク・目標管理

 チーム内でのタスクを可視化し、進捗を管理するツール、設定目標への到達を支援するツールも多数生まれています。特にリモートワークを取り入れている組織では、チームや部下を管理するマネージャーにとって、あるいはチーム内でのスムーズな協業のためにも不可欠なツールと言えます。

Pipefy
チーム向けコラボレーション&タスク管理ツール
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2013年
資金調達額累計 $63.7 M / Series B
出資者 Trinity Ventures, Insight Partners, Founders Fund, etc.
URL https://www.pipefy.com/
チームで行うタスクの管理や進捗共有が容易な、プロセスマネジメントツールを開発。シンプルなユーザーインターフェースと高い操作性が特徴で、数百のテンプレートから必要なカードを選んでダッシュボードに貼りつけるだけで操作完了。チーム内で進捗状況をドラッグ&ドロップで簡単に変更でき、メンバーそれぞれの動きを可視化することができる。社外の顧客、パートナー、ベンダーとのプラットフォーム共有も可能。
Image : Pipefy HP
Gtmhub
誰でも簡単に始められるOKRプラットフォーム
所在地 Denver, Colorado, US
創設年 2015年
資金調達額累計 $40.3 M / Series B
出資者 Insight Partners, CRV, Techstars, SAP.iO Foundry, Techstars, etc.
URL https://www.gtmhub.com/
OKR(Objectives and Key Results)による目標管理を行うためのマネジメントプラットフォーム。OKRはGoogleなどで取り入れられており、従来の目標管理手法MBO(Management by Objectives)に代わる手法として注目される。同製品では初心者でも設定や管理がしやすいようガイドブックを用意しており、使いやすいUIで組織の管理者をサポートする。また既存のワークツールとの連携も可能。
Image : Gtmhub HP

4. モチベーション&スキルアップ

 業務効率化のためには、モチベーションアップとスキルアップも大切です。リモートワークにより働きやすさを見出す人がいる一方、孤独感などからモチベーションの低下を感じる人も出てきており、社員の “やる気向上” に関するソリューションは今後いっそう注目されることでしょう。本レポートでは、リワードシステムやコーチングを通して、モチベーションやスキルの向上を後押しするソリューションを取り上げます。

Blueboard
エンゲージメントを高める「体験」型リワードシステム
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2014年
資金調達額累計 $15.8 M / Series A
出資者 500 Startups, Greycroft, Gaingels, Plug and Play Tech Cente, etc.
URL https://www.blueboard.com/
体験型ギフトを贈る、従業員向け報酬プログラムを展開。ボーナス、ギフト券や商品を中心とする一般的なリワードプログラムとは異なり、忘れられない貴重な「体験」を贈る点が特徴。金銭・物的報酬を受け取った感動はいずれ薄れるが、記憶に残る有意義な体験の提供を通して従業員の貢献に報いることでモチベーションやエンゲージメントを長期的に高めることができる。更に、金銭的報酬は職場で話題にしにくいが、体験型ギフトであれば共有しやすく、前向きな企業文化の醸成にも寄与する。
Image : Blueboard HP
BetterUp
従業員を対象としたオンライン・コーチング
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2013年
資金調達額累計 $269.8 M / Series D
出資者 Lightspeed Venture Partners, Thresholdspeed Ventures, Salesforce Ventures, etc.
URL https://www.betterup.co/
従業員向けの個別オンラインコーチングプラットフォーム。従来エグゼクティブを対象に対面で行われていたコーチングを、あらゆるレベルのビジネスパーソンが受けられるサービスとして展開。顧客企業の従業員は、ビデオやテキストチャットを通して、コーチングの専門家やセラピストなどから1対1での指導や助言を受け、目標達成、ソフトスキル向上、メンタルケアなどに取り組むことができる。
Image : BetterUp HP

5. 文書・資料作成

 文書や資料の作成にまつわる面倒な作業を、AI が担ってくれる時代がやってきました。デザイン性に優れた資料をターゲット顧客ごとに作成してくれるツール、コンプライアンスや社内ルールなどに反する可能性のある箇所を指摘してくれるツール、箇条書きから自然なメールの文書に直してくれるツールなど、多種多様です。

Highspot
顧客に合うプレゼン資料を用意するAI
所在地 Seattle, Washington, US
創設年 2012年
資金調達額累計 $396.9 M / Series E
出資者 Tiger Global Management, Sapphire Ventures, Salesforce Ventures, etc.
URL https://www.highspot.com/
AIを用いて、見込み顧客のニーズに合致するプレゼン資料の作成をサポートするスマート営業ソリューションを提供。業種や属性をふまえ交渉相手が必要としているコンテンツをAIがセレクトし、効果的なプレゼン資料の作成を支援する。過去のプレゼン資料はもちろん、最新の市場データや関連動画、イラストなど、ダッシュボード上でアクセス・編集が可能。Salesforceとの統合により、企業のCRMデータに基づいた最適なコンテンツの生成にも対応。
Image : Highspot HP
Flowrite
単語をもとに、AIがビジネス文章を代筆
所在地 Helsinki, Finland
創設年 2020年
資金調達額累計 $0.7 M / Seed
出資者 Lifeline Ventures, Seedcamp, etc.
URL https://www.flowrite.com/
タイピングや音声入力した単語や短文をもとに、ユーザーの文体を活かした自然な長さのメッセージへ瞬時に変換するソフトウェア。ブラウザに同ソフトをプラグインし、Gmail / Slack / Twitter / Google Documentなどのツールへ文章を展開可能。ビジネスメール作成やニュースレターの投稿文章の作成に役立てることができる。AIがユーザーのトーンやニュアンスを学習するため、利用を重ねるにつれ文章は洗練されていく。
Image : Flowrite HP

6. 手書き書類のデジタル化

 デジタル化を進めていくためには、情報をデータに変えていかなければなりません。データ分析やリモートでの情報検索、セキュリティ対策の行いやすいさ、といった点からも書類のデジタル化はより重要度を増していくことでしょう。本ページでは、既存の手書き書類をデジタル化するソリューション、手書き用のフォームからデジタル入力フォームへの変換を支援するソリューションを紹介します。

HyperScience
紙面の手書きや印字を自動でデータ化
所在地 New York, New York, US
創設年 2014年
資金調達額累計 $188.9 M / Series D
出資者 Bessemer Venture Partners, Battery Ventures, Felicis Ventures, etc.
URL https://hyperscience.com/
手書き書類を自動でデジタル化する、企業向けの業務効率化 / 生産性向上ソリューションを開発。マシンラーニングを用いた独自技術で書類タイプを自動分類し、そこに書かれる手書きの文字や印字を素早く読み込む。フォーム / 申込書 / 請求書 / 小切手など様々な種類の書類に対応。これまで紙ベースの手書き申請書を多く扱っていきた金融、保険、行政の分野で導入が進んでいる。
Image : HyperScience HP
EasySend
ノーコードでペーパーワークをデジタル化
所在地 Tel Aviv, Israel
創設年 2016年
資金調達額累計 $16.0 M / Series A
出資者 Hanaco Venture Capital, Intel Capital, Vertex Ventures, etc.
URL https://www.easysend.io/
ユーザー向けWEB入力フォームの作成、社内ドキュメントのペーパーレス化などペーパーワークのフローをノーコードでデジタル化していくことができるツールを開発。今まで使用していた入力用紙のPDFをアップロードするとAIがフォームの構造やユーザーの記入箇所を認識。10分足らずでデジタル入力フォームが完成する。電子署名機能の利用も可能。ワークフロー分析やA/Bテストによりユーザー体験の最適化を図っていくことができる。
Image : EasySend HP

7. ワークフローの自動化

 昨今では、一連のワークフロー(業務工程)の中で複数のアプリケーションを使い分けることも珍しくありません。そのような中、社内で利用される複数アプリケーションを連携させ、単純作業など一部のワークフローを自動化するツールにも人気が高まっています。プログラミングの知識がなくとも、ノーコード、ドラッグ & ドロップで業務の効率化を図っていくことができます。

n8n.io
異なるアプリ間のワークフローを自動化
所在地 Berlin, Germany
創設年 2019年
資金調達額累計 $13.5 M / Series A
出資者 Sequoia Capital, Firstminute Capital, Felicis Ventures, etc.
URL https://n8n.io/
複数のアプリケーションを横断し、ワークフローを自動化する統合プラットフォームをオープンソースで提供。直感的に操作可能なUI上で、作業単位である「ノード」をつなぎ、サイロ化されたシステム間のワークフローを自動化し、データの同期ができる。サードパーティのAPIだけでなく、自社で開発したアプリケーションとの統合も可能。
Image : n8n.io HP
Tonkean
単純業務の自動化を支援するノーコードAIOps
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2015年
資金調達額累計 $33.2 M / Series A
出資者 Lightspeed Venture Partners, Foundation Capital, Slow Ventures, etc.
URL https://tonkean.com/
ビジネスワークフローを統合、自動化、最適化できる、ノーコードのAIOpsプラットフォームを開発。カスタマーサポート、新規顧客のオンボーディング、社内監査など、複数の部門とのやりとりが発生し、ワークフローが煩雑になりがちなビジネスプロセスをモジュール化。これに条件(when)やアクション(do)をつなげてタスクを構築し、自動化させることができる。
Image : Tonkean HP

8. 営業サポート

 パーソナルスキルが重視される営業や顧客対応の場面でも、AIとデータを活用する動きが出てきています。商談を支援するものから、潜在性の高い見込み客を特定するもの、スケジュールやToDoリストの優先づけをしてくれるもの、コーチングを提供するものまで、非常に多様なソリューションが見られます。

Chorus.ai
営業パーソンのトークスキルを上げるAIサポーター
(2021年にZoomInfoが買収。2023年6月追記)
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2015年
資金調達額累計 $103.0 M / Series C
出資者 Redpoint, Emergence, Georgian Partners, Sozo Ventures, etc.
URL https://www.chorus.ai/
電話セールスの内容をリアルタイムで録音 / 書き起こし、AIが内容を理解して必要なアクションや情報の提示をしてくれるアシスタントツールを開発。あらかじめ学習したキーワードが出た際には、マニュアルやプライスリスト、説明資料など必要情報が提示される。発話内容の分析レポートや、トップ営業パーソンのスクリプトをチームで共有できるほか、必要に応じコーチングを受けることも可能。
Image : Chorus.ai HP
slintel
データに基づき購買意欲の高い見込み客を特定
(2021年に6senseが買収。2023年6月追記)
所在地 Mountain View, California, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $26.0 M / Series A
出資者 Sequoia Capital India, Accel, GGV Capital, Helion Venture Partners, etc.
URL https://www.slintel.com/
見込みの高い潜在顧客を特定する、BtoB向けセールスインテリジェンスプラットフォームを開発。数十億ものデータポイントから分析した、見込み顧客の購買意欲レベル、購買パターン、競合製品との契約状況などの情報を提供。リサーチ時間の短縮が図られるのみならず、自社製品・サービスを利用する可能性の高い顧客に効率的にアプローチすることで、返答率の向上、アポイント数の増加、成約率の上昇につなげることができる。
Image : slintel HP

9. 契約書作成・管理

 契約書の作成・管理、いわゆるリーガルテック(LegalTech)と呼ばれる分野でもAIの導入が進んでいます。複数部門の担当者が関与する契約書の作成プロセスを可視化、共同作業を可能とするもの、締結済みの契約書を管理して更新時期が近づくと担当者に通知したり、ベンダーマネジメントや監査業務の効率化を支援するものなどもあります。

Juro
AI活用の契約書作成管理プラットフォーム
所在地 London, UK
創設年 2016年
資金調達額累計 $8.0 M / Series A
出資者 Point Nine Capital, Seedcamp, Union Square Ventures, etc.
URL https://juro.com/
契約書作成と管理を含めた一連の業務をペーパーレス化し、効率化するソフトウェアを開発。契約書作成の際は、AIが契約内容に合致するテンプレートを提示。ドラフトに基づき、関係部門や担当者間でコメント機能を利用し協議できる。また電子署名によりクライアントの迅速な決断を後押し。契約書の作成 / 締結 / 更新に関わる全ての関係者と各々のスケジュールが明確化され、進捗状況を一目で確認できる。
Image : Juro HP
Evisort
契約書の項目をAIでデータベース化
所在地 San Mateo, California, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $55.6 M / Series B
出資者 M12, Serra Ventures, Vertex Ventures, General Atlantic, etc.
URL https://www.evisort.com/
AIによる契約書の自動解析、管理プラットフォームを開発。AIが20ページ程度の契約書を数秒で解析し、結果をダッシュボード上に見やすく表示する。更新期限が近い契約書の自動通知や、その内容をレポートにまとめることも容易。分析データを活用し、ベンダーマネジメントを行ったり、コンプライアンスに準拠していない契約書の検出、監査業務などにも応用できる。
Image : Evisort HP

10. カスタマーサポート

 AIベースのカスタマーサポートボットを活用し、自然な対話を通して顧客の問い合わせに対応することが可能となってきました。お客様を待たせることがなくなるうえ、サポート担当のスタッフはより複雑な問題、あるいはクリエイティブな顧客対応業務に専念できるようになります。また既存顧客の満足度や解約リスクを可視化するソリューションにも注目が集まっています。

ultimate.ai
多言語対応のAI主導カスタマーサービス
所在地 Berlin, Germany
創設年 2016年
資金調達額累計 $27.4 M / Series A
出資者 Felicis Ventures, OMERS Ventures, HV Capital, Maki.vc, etc.
URL https://www.ultimate.ai/
メールやチャットを介した顧客とのコミュニケーションを、AIが仮想エージェントとして円滑処理するカスタマーサービスプラットフォームを開発。顧客との会話文の最大80%を自動処理。サポートスタッフの出番は複雑なケースのみとなり、従来の単調な反復作業よりも高付加価値の仕事に専念できる。100以上の言語を扱い、すべての顧客に24時間体制で即時対応可能。
Image : ultimate.ai HP
Catalyst Software
顧客との関係値を視覚化するヘルススコア
所在地 New York, New York, US
創設年 2017年
資金調達額累計 $45.4 M / Series B
出資者 Accel, True Ventures, Spark Capital, Ludlow Ventures, etc.
URL https://catalyst.io/
顧客のデータやコンタクト履歴を一つに統合し、最適なアプローチで顧客満足度を高めるカスタマーサクセスプラットフォームを開発。顧客情報を360°見渡せるダッシュボードを作成し、顧客の行動履歴などを元に、顧客の満足度や企業との関係値を表す「ヘルススコア」を算出。これに基づき、解約リスクやアップセル、クロスセルの可能性が可視化され、迅速なアクションをとることが可能に。
Image : Catalyst Software HP

11. データ管理・共有

 ビジネスにおいてデータの収集と活用の重要度が増す中、特に個人を特定することのできるデータをいかに適切に処理するか企業の姿勢が問われています。また、組織内の各部署あるいはクラウド上に分散しているデータを、横串で検索・利用することのできるソリューションに対する需要も高まっています。

Inpher
個人情報を暗号化したままAIデータ解析
所在地 New York, New York, US
創設年 2015年
資金調達額累計 $14.0 M / Unknown
出資者 Amazon Alexa Fund, Crosslink Capital, JPMorgan Chase, Bowery Capital, etc.
URL https://www.inpher.io/
企業が収集したデータを暗号化し、個人情報を保護しながらAIアプリケーションで利用することのできる技術「Secret Computing®」を開発。同技術により、GDPRなどのグローバルなプライバシーおよびデータ規制を順守しながら、データの価値を引き出すことができ、データ・プライバシーとデータ・ユーザビリティのトレードオフから解放される。
Image : Inpher HP
Onna
クラウドアプリの統合検索エンジン
所在地 New York, New York, US
創設年 2015年
資金調達額累計 $43.0 M / Series B
出資者 Atomico, Dawn Capital, Dropbox, Slack Fund, etc.
URL https://onna.com/
企業内で使用されているあらゆるクラウドアプリのデータを集約し、一括検索できる統合検索プラットフォームを開発。同社製品はAPIベースでデータソースに接続しながら利用可能なデータを収集。各種アプリケーション上の情報を統合・管理し、それらの情報を機械学習と自然言語処理(NLP)技術を用いて高精度かつ網羅的に検索することができる。
Image : Onna HP

12. ITサポート

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でリモートワークが普及する中、企業のITシステム・サポート部門にも大きな影響がありました。以下では、安全で信頼性の高いリモートアクセスを提供するソリューションと、問い合わせ件数の増加にともなうITサポート部門への負担を軽減するソリューションを紹介します。

Moveworks
企業内のIT関連トラブルをAIが自動解決
所在地 Mountain View, California, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $105.0 M / Series B
出資者 Bain Capital Ventures, ICONIQ Capital, Kleiner Perkins, Lightspeed Venture Partners, etc.
URL https://www.moveworks.com/
ソフトウェアのインストール、アクセス権限の付与、パスワードの再発行など、組織内のヘルプデスク機能をAIが代行するITサポートプラットフォームを提供。IT関連のトラブルを抱える従業員がSlackやMicrosoft Teamsなどを通して質問や依頼を送信すると、過去のドキュメントやFAQなどから解決策を探し出し、瞬時に回答。導入顧客先では、約4割の問い合わせがAIによる自動処理で解決されているという。
Image : Moveworks HP
Axis Security
VPN不要で安全なリモートアクセスを実現
所在地 San Mateo, California, US
創設年 2018年
資金調達額累計 $99.5 M / Series C
出資者 Canaan Partners, Cyberstarts, Spark Capital, etc.
URL https://www.axissecurity.com/
VPN不要かつエージェントレスながら、安全なリモートアクセスを可能にするクラウドプラットフォームを提供。企業のネットワークにアクセスする従業員を仲介するハブとしての役割を担う。ネットワーク層ではなくアプリケーション層で動くため、複雑なネットワークへのアクセスや他ツールとの統合が容易。各ユーザーの動きを監視 / 分析したうえで、異常や問題も早期に検知する。
Image : Axis Security HP

13. ビジネス・インテリジェンス(BI)

 組織内に蓄積された情報を「ナレッジ化」して社外からの情報と組み合わせ、ビジネス課題の解決や意思決定に活用していくソリューションもますます進化を遂げています。データ分析の知見が少なくても容易に操作できるソリューションも増えており、データアナリストやマネジメント層に限らず、様々な部門の社員がそれぞれのビジネスにデータを有効活用するようになってきています。

Kyndi
「説明可能なAI」によるテキスト解析システム
所在地 San Mateo, California, US
創設年 2014年
資金調達額累計 $28.5 M / Series B
出資者 Intel Capital, PivotNorth Capital, Citrix Startup Accelerator, UL Ventures, etc.
URL https://kyndi.com/
自然言語処理技術を活用した同社のAI技術は、文書、メール、レポートなどの長文の分析に優位性を持ち、キーワードではなく「概念」を識別。文中の重要な情報を優先順位付けすることに長け、複雑で奥が深い文書を高速で読み取り、分析し、分類することができる。たとえば金融アナリストが1年かけて読み込み、評価するレベルの1,000件のドキュメントを、同社AIは7時間で処理。加えて、AIが導き出した結論をブラックボックス化させることなく、理論的根拠を提示し、説明責任を果たすことに重きを置く。
Image : Kyndi HP
Starmind
脳神経科学を用いた、キーパーソン検索
所在地 Zürich, Switzerland
創設年 2010年
資金調達額累計 $25.0 M / Series A
出資者 Digital+ Partners, Plug and Play Tech Center
URL https://starmind.ai/
脳神経科学を応用したAIアルゴリズムによって、課題解決に最適な組織内の人物を見つけられるBIツールを開発。社内のあらゆる情報ソースから独自のナレッジベースを構築。検索窓に解決したい事柄を入力すると、質問に回答できる社内のベストパーソンを瞬時に導き出す。脳神経科学を用いたセルフラーニング・アルゴリズムによって、人間の脳に極めて近い判断プロセスで処理ができ、単純なキーワード検索では取りこぼしていた情報を網羅できる。
Image : Starmind HP

14. リスクマネジメント

 ビジネスには不測の事態がつきものですが、外部環境の変化がもたらすリスクを予測することができれば、危機に備えて適切な対策を導き出せる可能性が高まります。本ページでは、世界中から膨大な情報を収集し、分析し、自社の事業に影響を持ちうるリスクを可視化、必要に応じてアラートを発するリスクマネジメントツールを取り上げます。

Dataminr
報道より早い、AIを用いた緊急情報検知
所在地 New York, New York, US
創設年 2009年
資金調達額累計 $1.1 B / Series F
出資者 Institutional Venture Partners, Alumni Ventures Group, Morgan Stanley Tactical Value, Venrock, etc.
URL https://www.dataminr.com
機械学習を駆使して、インパクトのある出来事や緊急情報を瞬時に検知して分類、重要度を判断したうえで、報道されるよりも早くアラートを発信。たとえば、VWのディーゼル不正問題では株価が30%急落する3日前に、またCOVID-19関連では、米国政府による最初の発表の7日前にアラートを発信した。
Image : Dataminr HP
Jupiter Intelligence
気候変動が及ぼすリスクの予測分析ツール
所在地 San Mateo, California, US
創設年 2017年
資金調達額累計 $34.0 M / Series B
出資者 Data Collective, Energize Ventures, Ignition Partners, MS&AD Ventures, Nephila Capital, QBE Ventures, DCVC, etc.
URL https://jupiterintel.com
気候変動によって、幅広い産業分野に様々な影響がもたらされると考えられている中、同社は気候変動にともなうリスク予測データ分析ツールを提供。顧客データ、公開データ、気象観測データを元に1時間から50年以上先の気候および気候変動がもたらすリスク分析と予測を行う。空港、港などの公共施設や連邦政府、エネルギー、農業、大手保険会社や不動産会社などが主な顧客となっている。
Image : Jupiter IntelligenceHP

15. 経費精算&SaaS管理

決済承認や経費精算プロセスの効率化と合理化を実現するソリューションもニーズの高いテーマです。また、近年、業務の効率化につながる SaaSプロダクトが数多く生まれましたが、社内で複数の契約が発生していたり、ユーザー数をまとめることで契約料が削減されるにもかかわらず全体像が掴めないという状況が生じています。この問題を解決すべく、社内のサブスクリプション契約をモニタリングし、最適な契約プランを提案するサービスも登場しています。

Extend
法人向けバーチャルクレジットカード
所在地 New York, New York, US
創設年 2017年
資金調達額累計 $14.0 M / Series A
出資者 FinTech Collective, Point72 Ventures, City National Bank, Plug and Play Tech Center, etc.
URL https://www.paywithextend.com
発行や管理が容易な法人向けのバーチャルクレジットカードを提供。ウェブやアプリ上で自社のカードに紐ついたバーチャル法人カードを社員や契約社員に発行。それぞれにオリジナルのクレジットカード番号を付与するとともに、ユーザー毎に限度額や有効期限を設定できる。カードの紛失や悪用リスクが抑えられるほか、出張時に社員が立替払いをする必要もなくなるため、経費精算業務の合理化が図られる。
Image : Extend HP
Zylo
企業のサブスクリプションコストをモニタリング
所在地 Indianapolis, Indiana, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $35.2 M / Series B
出資者 Bessemer Venture Partners, GGV Capital, Menlo Ventures, Salesforce Ventures, Slack, etc.
URL https://zylo.com
SaaSアプリの一元管理と利用の最適化を実現するプラットフォームを開発。ZoomやDropboxなどのビジネスツールは、社員や部門ごとに別個の契約がなされているケースも多く、無駄なコストが発生している。同社製品を利用することで、企業内で利用されているSaaSアプリの一元管理が可能。法人契約とすることでボリュームディスカウントを受けられたり、未使用アプリを検出したりして、全体コストの削減につなげることができる。
Image : Zylo HP

※紹介している企業情報は、「Business Efficiency Tools Trend Report」制作当時のものです。
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