豊富な履歴書データベースをもとに、最適なキャリアパスも提案
―まずZippia設立の経緯について教えてください。
創業者は私の大学の友人、Henry ShaoとChrs Kolmarです。Henryは以前、不動産業者と連携し、不動産を求める人々がマーケットにある不動産情報を自由に検索できるプラットフォームを構築しました。
次に何を作ろうかと考えた時に、Henryは常々、共に働く部下たちの指導に力を入れ、彼らの成長を促すため、1対1のメンタリングの重要性を感じていることを思い出しました。
その観点から、企業に応募する際に、1対1のメンターシップのような感覚で、その人が必要とする豊富で信用度の高い情報を提供したいと考えました。それが当社の創業のきっかけです。
我々は多くの企業にインタビューを行い、その企業について、働く方々のキャリアについてより深く掘り下げてデータ収集を行い、キャリア検索サイトを構築しました。
―具体的な商品内容について教えてください。
我々のキャリア検索サイトでは、求職者が仕事を探して応募できるサイトであるとともに、職業検索の側面を持ち、大学の専攻に基づいた適した職業を紹介するページも設けられています。
また、何千もの履歴書データベースを持ち、似たようなキャリアの遍歴を追うことができます。豊富なデータをもとに、求職者に対して想定可能なキャリアパスの提案を行います。例えば、現在応募を考えている職種がプロジェクトマネージャーであっても、あなたの経歴であれば、プロダクトプロジェクト管理やマーケティングディレクターの職種も応募すべきと導くといった形です。
ビジネスモデルは、BtoBであり、企業からの収益による収入です。現在は様々な収益モデルのテストをしているところです。
社員の性別情報、給与レンジなど、リアルな事実情報を収集
―競合企業との差別化ポイントはどこですか。
我々の競合サイトは「GlassDoor」です。企業に関する情報収集に焦点をあてており、求職者が特定の企業について詳しく知りたい場合には、このサイトはとてもよくできています。ですが、我々のサイトと異なる点は、「GlassDoor」は情報がレビューに基づいているという点であり、実際の会社から収集した情報ばかりではないということです。
我々は、その会社についての社員情報を入手し、社員の多様性、給与レンジなど、よりリアルな事実情報を収集しています。レビューのように記入者の喜怒哀楽の感情に左右された情報には基づいていません。
私たちのサイトで最も人気のツールは、これから進むべき可能性のあるキャリアパスについてマップ化したものと、様々な企業の平均給与をレンジごとにグラフィック化したものです。会社の場所や規模だけでなく、応募する際に参考にすべき質の高い情報を提供することを強みとしています。
日本展開も視野に
―御社の中期的な目標についてお聞かせください。
最大の目標のひとつは「検索エンジンの最適化」です。他のソースからのリンクが多ければ、ランクが高くなりますので、来年中には10,000件のバックリンクを獲得し、検索結果の順位が10番目ではなく2番目となることを目指します。創業者の2人は検索エンジン最適化についての知識とスキルと経験を持ち合わせていますので、あまり時間とお金をかけずに構築できるでしょう。
そしてプラットフォームを改善するとともに、アクセス数の増加を強化していきます。現在利用者は100万人程度ですが、もし1億人となれば、サイトへのリンクも増え、検索エンジンもより最適化されますし、企業側も期待する人材にリーチできるわけですから。
―日本やアジアへの進出も考えていますか?
もちろん考えています。現在、あらゆるモデルをテストしているのは、海外のどの市場においても適用するモデルを作り上げるためです。1年以内には、最初の国として日本などアジアへの展開を検討していきます。
我々はすでに世界中にメンバーがいますが、日本に進出した場合、最も障害となるのは言語の問題です。そのため、ライターや販売員などのコンテンツマーケティングのチームを既に保持している組織が最良のパートナーシップとなるでしょう。