ストレスフルな新居探しの経験から
―創業の経緯を教えてください。
私達は、家を借りることがいかにつまらなくてストレスフルであるかを体感してきました。これをもっとシンプルにできないか、と思ったことがきっかけです。
Zeus Livingを創業する前のことですが、私の妻がパロアルトで専門医学実習生をする機会を得て、私達は当時住んでいたサンフランシスコからパロアルトに引っ越すことを決めました。そこで、サンフランシスコにあった当時の家を賃貸に出しながら、パロアルトで新居を探すことにしました。それがとてもストレスフルでした。息子の学校も探す必要がありましたし、私はスタートアップを経営していました。すべてがいっぺんに起こったため、時間もかかり、これを楽にできないかと思いました。Zeus Livingのアイディアは、私が経験したことを元に、共同創業者でCEOのKulveer Taggarが考えて実現しました。
庭付きの宿泊先も
―どのようなサービスを提供しているのでしょうか。
Zeus Livingは、30日以上の出張で滞在するための家具付きの宿泊用住宅を企業向けに提供しています。米国内の主要都市で様々な宿泊用住宅を提供しており、それらはどれも魅力的な価格で、ホスピタリティにあふれ、満足できるサービスになっています。
当社のサービスには三者が関わっています。不動産所有者、企業、30日以上滞在する個人です。当社は三者それぞれに良い解決法を提供します。不動産所有者にとっては当社のクライアント企業などに貸すという選択肢を提供します。クライアント企業が不動産所有者のサービスを一層利用するようになること。当社は数多くの成長企業と提携しています。究極的には世界中のグローバル都市全てにおいて展開することが目標です。現在、提供可能な宿泊用住宅は2000戸ほどで、アパートから一戸建てまで幅広いタイプの宿泊先を提供できます。ベッドルームが3つある住宅、庭付きの住宅もあります。
ホスピタリティを磨き続ける
―国際的な展開はされていますか。
当社は現在は米国のみで展開していますが、興味深いことに、利用する滞在者の30%は米国外から来た人々です。
米国内と同時に、国際展開も考えています。現時点では何も決まった計画はありませんが、将来はアジアにも進出したいと考えています。
―日本展開時にはどのようなパートナーを求めていますか。
日本に限らず、どの市場にもそれぞれ異なる事情があります。進出先について多くのリサーチをし、パートナーとなる不動産所有者やクライアント企業が求めるものを理解していきたいと考えています。
―当面の目標を教えてください。
当社は現在シリーズBの段階にいますが、3つの目標があります。第一に、より多くの住まいの選択肢を提供できるようにし、参入した市場をより深堀りしていくこと。第二に、当社の技術を発展させ続けること。そのために当社は多くのエンジニアを抱えています。第三に、最高と思えるホスピタリティを提供すること。これは当社の核心となる部分だと認識しています。