決済システムにとどまらない、総合的な顧客サービスを提供
―まずは御社のビジネスについて教えてください。
マーチャントサービス向けに決済や顧客サービスツールを提供しています。当社は、もともと決済関連会社を運営していた2人の起業家が作った会社です。それまでのビジネスを通して、我々はマーチャントサービスがいかにこの20年、30年と停滞しているかに気づきました。そして消費者向けサービスと直結する決済サービスそのものをビジネス化することで、企業としての価値が生まれると考えたのです。
そこで我々は企業のビジネス運営をサポートするため、決済システムを含む、一連のツールを構築することにしました。
―そのツールというのは、企業ごとにカスタマイズするのでしょうか。
基本的には既成の製品を実装していただく形になります。当社には実装専門チームもいますので、彼らが担当します。我々のクライアントは顧客サービスに必要なツールなどを理解したうえで、最適なソリューションを求めて当社のドアを叩いてくださっています。ですから、我々はそのソリューション提供から実装までをしっかりサポートしています。
―顧客サービスに必要なツールというのは、具体的にどういったものになりますか?
決済システムはもちろん、あとはデジタルマーケティングも重要です。たとえば休業日の連絡やWebマガジンの配信など、こまめにコンタクトをとることが顧客保持にはとても大切です。
他には、レビュー管理。多くのユーザーはレビューを参考にサービスを取捨選択しています。あまりにも評価が低かったり、レビューが1件もないような企業は敬遠されます。ですから、あらゆるレビューサイトを巡回して新規の投稿があればアラート通知するなど、企業がしっかりレビューを把握、管理できるようにサポートします。
あとはロイヤリティシステムや小売店専門のレジシステムや美容院などのサロン向け予約システム、そして今力を入れているレストラン用のPOSシステムなど、商業ビジネスのあらゆる場面に対応するサービスを扱っています。
ライバルは従来型の決済ソリューション
―競合はいますか?
競合と言えば、やはりSquareですね。彼らは中小企業相手にこの分野を開拓し、業界に多大な影響を与えました。ただ、その手法は大企業向けではないですね。また、彼らの営業スタイルはプル型で、これから新規事業を始めようとする企業がネットで検索してたどり着くケースが多いでしょう。それに比べて我々は対面型の営業スタイルです。なので、正確に言えば我々の本当のライバルは従来型の決済ソリューションと言えますね。
―今後のプランはいかがでしょうか。
我々はこの2年間で社員を500名規模にまで拡大してきました。ですから、今後もレストラン向けPOSシステムを中心に事業拡大を図っていきたいですね。今後12か月で営業担当チームを2倍にしたいと考えています。サポートチームもおのずと2倍になるはずです。製品への投資も続けていきますよ。長期的には会社の売上を数十億ドル規模にまで大きくしていきたいと思います。