増加するスマートコントラクト
―どのようなサービスを提供していますか?
フィンテックや自動運転車、不動産、クラウドファンディング業界などで「スマートコントラクト(契約の自動執行)」が増えています。私たちは、こうした契約におけるセキュリティや保険を提供しています。外部からのウイルスや攻撃を防ぎ、契約を安全に遂行します。大企業はとりわけ安全性を確保したいためにQuantstampを使ってくれています。
―強みはどのような点にありますか?
私たちはブロックチェーンの領域でアクセラレータY Combinatorに投資をしてもらっている数少ない企業の1つで、お墨付きをもらっているといえるでしょう。シリコンバレー出身なので、日本企業にシリコンバレーの知見をもたらせるという強みもあります。オフィスはサンフランシスコ、ニューヨーク、トロント、台湾、東京にありグローバル展開を進めています。
Image: Quantstamp
ビッグデータのように、革命が起こる
―どのような経緯で起業することになったのですか?
Quantstampを始める前は、アルゴリズムトレーダーとして、私のプログラムは毎日、百万ドル単位のお金を管理していました。ここでトレーディングの世界において安全性の高いプログラムを構築するための技術を習得しました。この同じ知識が、スマートコントラクトにおける新しいデジタル資産に適用でき、日々顧客に価値をもたらせるのではないかと考えました。私たちは実は“Fundamentals To Smart Contract Security”という本も書いていて、セキュリティについての知見を世界に広め、産業の成熟に貢献できたらと考えています。
―この領域について、どのような展望を持っていますか。
ビッグデータ革命により、私たちの生活はあらゆる点で変わりつつあります。10~15年前はまだビッグデータが始まったばかりで、皆「これによって何ができるか?」と問うていました。ブロックチェーンについては今がそういった状況で、今後同じように革命的な状況が起こっていくと思います。今後、もっと多くの大企業がブロックチェーンを使い始め、顧客はそれがブロックチェーンかどうかを知らないうちに使っているという状況になるでしょう。
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日本企業は慎重。市場は進んでいる
―日本市場をどう見ていますか?
日本企業は、シリコンバレーの企業よりも慎重だと感じます。新しい技術のプロコンを理解するのに時間をかける印象があります。ただ、別の側面として、日本はデジタルの支払いについては非常に進んでいると感じます。皆が電車に乗るのにSuicaを使っていますよね。イノベーションに対する関心も高いですし、反応は良好です。私たちは日本のオフィスに日本語を話すスタッフとエンジニアがいるので、企業との連携も容易ではないかと期待しています。
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