コードいらずでチャットボットを実装可能
顧客の満足度の向上はどの企業にとっても至上命題だ。顧客がいつでもカスタマーサポートを受けられるよう、自社のウェブサイトにチャットボットを加えているケースも少なくない。Passage AIはそんなチャットボットをコードいらずで追加でき、顧客の質問に自動で応答するメッセージプラットフォームを提供している。AIとNLU(自然言語理解)、ディープラーニングを使い、顧客の質問に対し自動で返信する。より高度な回答が必要だった場合のみ、カスタマーサービスにつなぐという仕組みだ。
Passage AIを組み込むとLINEやFacebook Messengerといった20以上のプラットフォームに自動的に展開される。CEOのRavi Raj氏は「いちど構築すれば、自動的にプラットフォームとして動きます。Amazon Alexa、Google Home、もちろん一般的なウェブサイトでの使用も可能です。一行のJava Scriptをウェブサイトに追加すれば、自動的にチャットボットが実装されます。またCisco SparksやMicrosoft Checkpointなど多くのプラットフォームをサポートしています」と語る。
回答の正確性は95%以上
同社の強みは3つあり、1つ目は高度なNLPアルゴリズムによる回答の正確性だ。Ravi氏は「Passage AIのボットは95%以上の正確性を誇り、業界で最も優れています」という。多くの人は発話言語でボットに質問などを投げかけてくるが、彼らのボット発話言語の理解度は人間に近く、返信はPassage AIによってキュレーションされているという。
2つ目は、対応言語の多さだ。中国語と日本語はテキストと音声どちらにも対応しており、ドイツ語、フランス語、スペイン語にも対応している。
3つ目はコードを書かずにチャットボットを使用できる点だ。操作は全てドラッグ&ドロップで簡単にでき、いちいちコードを書く必要がない。
Image: Passage AI
Passage AIの今後の展望とは
Passage AIはWalmartに買収されたKosmixというスタートアップの創業者たちによって創立された。2015年に「今後はAIの時代になる」と聞いた彼らは、AI、そしてFacebook MessengerやSlackなどの誰もが使用できるメッセージプラットフォームの可能性を信じて創業した。プロダクトをローンチしてまだ6ヶ月にして、パートナーシップ締結が進み、年間の売上は100万ドルを越えた。「私たちは今の状況に満足している。」と話すRavi氏。今後もAIアルゴリズム、NLPアルゴリズムの正確性を向上させていく予定だ。
すでに日本の代理店もあるPassage AI。日本の大手企業からもすでに興味を示されているという。今後の日本展開が楽しみなスタートアップだ。