人と人のつながりがビジネスの原動力
―まずはNimble設立の経緯を教えていただけますか。
1989年にCRMツール「GoldMine」を作った時は、まだCRMという言葉すらない時代でしたが、自己資金から5,000米ドルを投資して起業しました。そして、10年後に収益は年間1億米ドルになり、世界中で約1,000万人が利用するツールになりました。1999年に「GoldMine」を売却し、私はアーリーリタイアしました。
夫として妻と二人きりの時間を持ち、父親として子育てを楽しみ、地域コミュニティの一員として活動する。私の人生において代え難い素晴らしい時間を過ごしました。そして、子どもたちが学校に行くようになると、自分の時間が戻ってきました。丁度Twitter、FacebookやLinkedInなどのSNSが米国内で流行り始めていた時期で、私も使うようになり、人とのつながりが世界中に広がりました。SNSでの会話とソーシャルリスニングや連絡先などの「つながりデータ」を統合し効率的に管理したいと考えるようになり、ツールを探しましたがありませんでした。
そこで、新しい会社Nimbleを作りました。
競合サービスでは月500ドルする機能を月25ドルで提供
―CRMツールということですが、具体的にどういった製品を提供しているのでしょうか。
Nimbleは、SNSを組み込み、CRMプラットフォームを自動的に構築します。
まず、Office365またはG Suiteの連絡先とTwitter、FacebookやLinkedInの情報をサイロ化します。次に、セールス、マーケティング、CSや会計などビジネスで使うソフトウェアにある連絡先をサイロ化します。全てのチームメンバーが個別データベースを持ちます。
例えば、転職すると、新しい職場と前職で使っていたビジネスソフトウェアが違うことがありますね。Nimbleなら、あなた自身が構築した「つながりデータ」を、新しいビジネスソフトウェアに統合することが可能です。
―どういった面で他社製品と違うのでしょうか。
Office 365またはG Suiteや、その他SAPなど200種類以上の業務用ソフトウェアを自動的に統合し、APIによって一箇所で使えるようにしています。加えて、ソフトウェアにある連絡先や人物および会社データと、あなたの「つながりデータ」も統合できる点がNimbleの特徴です。
Nimbleでは、ビジネスの内容、社内の誰がいつコンタクトを取ったかと言った対応履歴など、顧客に会う前に知っておくべき情報を詳細に自動的に取得できます。
CRMツールは自分から情報にアクセスしなければならず、率先して使いたいと思えないモノが世の中に沢山あります。しかし、Nimbleは違います。自分が記憶した情報を必要な時に思い出すように、必要な情報をあなたの目の前にお出しします。また、導入にかかる時間は圧倒的に短く、費用も他社より安いです。
Microsoftのグローバルな販売チャネルを活用
―今後の目標として日本語での展開も視野に入っていますか。
現在は英語版だけですが、55%が米国外のユーザです。英語圏だけでなく、ヨーロッパおよびシンガポールなど、英語に抵抗がない国で使われています。日本市場に興味はありますし、既に英語でNimbleを使っている日本のユーザもいると思います。
Nimbleの日本語対応に関しては、パートナーとして事業展開に興味がある日本企業がいれば、視野に入れたいと考えています。当社は、Microsoftのパートナーです。当社とパートナーになると、当社の販売チャネルや、Microsoftのグローバルなリーチ力を活用できますよ。
日本に行ったことはないのですが、日本の人々や文化には常に好意を持ってきました。日本は行ってみたい国です。これを機に、SaaSやCRMまたはグローバルチャネルでのチャンスなどについて話を聞きたい日本企業がいれば是非ご連絡ください。