Image: Netskope
企業がクラウドを安全に活用するためのセキュリティ対策を提供するNetskope。リモートワークや外部との情報共有のためにクラウドがますます使われる中、セキュリティをどう担保するのかー。この課題に着目し、ビジネスを拡大させてきたCEOのSanjay Beri氏に聞いた。

Sanjay Beri
Netskope
CEO
スタンフォード大学で修士(科学)、UCバークレーでMBA取得。マイクロソフト、自らの起業、McAfee、Juniper Networksなどを経て、2012年Netskopeを創業。

企業のクラウド利用にセキュリティ対策を

―どんなサービスを提供していますか。

 一言でいえば、私たちは企業向けにSaaS、インフラ、そしてウェブのすべてに対して、クラウドを使ったセキュリティを提供しています。今や山のようにアプリケーションがあって、企業にとってはアプリ内のデータの安全性が重要な課題となっています。またAWS、Azure、Googleクラウドプラットフォームといった公的なクラウドの安全性も管理しています。そしてウェブです。社員がウェブを見るときに、脅威やデータ紛失、コンテンツフィルターなどの対策をします。これらのサービスを提供するために、様々な技術を使っています。機械学習、ビッグデータを使い、リアルタイムで監視しています。

Image: Netskope

患者の医療データや金融の個人情報を安全に共有

―どのような活用例がありますか。

 たとえばヘルスケアの分野では患者さんの医療データは非常に慎重に扱う必要があります。でも医療関係企業が、医師や社員と共同で問題を解決する必要があるときに、データを共有しないとことは進みません。そのときに、クラウドを使いたいけれど、個人情報をクラウドにあげても大丈夫なのかと不安になりますよね。クラウドにはあげるけれども、外部へ流出はしない、内部でも適切な人しか閲覧ができないという状況を作る必要があります。金融業界でも同じです。個人的な信用情報や金融情報を守る必要はあるけれど、個人のスマートフォンやノートパソコンからもアクセスはしたいですよね。私たちのサービスによってこうしたことが実現できます。ヘルスケア、金融、小売などを中心に、すでに顧客企業は1000社に及びます。

―強みはどこにありますか。

 強みはまず人材です。巨大なセキュリティシステムを構築してきた経験者たちが集まっています。それから、私たちの製品は、在宅だったり、カフェからだったり、リモートで働く人向けに作られています。従来の製品は、パソコンがあってそこから動かない人向けのものが多いのです。

クラウドがますます使われる環境へ

―どうしてこのビジネスをはじめたのですか。

 私は90年代からマイクロソフトでキャリアをスタートさせ、その後自分でセキュリティ製品の会社を立ち上げたりもして製品開発、マーケティング、エンジニアリングに関わってきました。Netskopeを立ち上げる前はJuniper Networksでモバイルとセキュリティ関係のGMをしていたのですが、ますます多くのデータが社外、つまりクラウドに出ていくのを目の当たりにしました。今までとは違う対策が必要になってくると思いました。でも、大きな会社は官僚的すぎてなかなか変われません。そこで会社を出て、Netskopeを立ち上げたのです。

―今後の展望を聞かせてください。

 Netskopeを独立した、象徴的なセキュリティ企業に育てたいです。いま日本にもチームがいて、長期的に投資していきたいと思っています。強力なエコシステムを持っているパートナーと組んで、顧客獲得をしていきたいのです。北米、南米、南アフリカ、中東、オセアニア、東南アジアでも運用しています。



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