クリエイティブ領域の制作と発信を自動化
―どのような領域で事業を展開しているのですか。
付けた広告のクリエイティブ領域、コンテンツ制作の領域です。様々な領域で自動化が進んでいますが、 広告のクリエイティブ領域、コンテンツ制作の領域ではまだまだマニュアル作業が中心でした。もちろん動画や写真を撮影するなど人の手がどうしても必要なところもありますが、自動化できるところもあります。
マーケティングをするのに昔は皆が見るテレビなど限られた方法しかありませんでしたが、デジタルマーケティングによって、1対1のコミュニケーションが実現するようになりました。
私たちはパーソナライズしたデジタル広告の制作・配信のプラットフォームを提供しています。私たちのツールを使えば、マーケターはどのようなメッセージを、どの個人や集団に届けたいのかを決め、その後は自動的にコンテンツ作成と宣伝をすることができるのです。
―どのような経緯でこの領域に注目したのでしょうか。
長い間ソフトウェア業界にいて、もっとテクノロジーを使って自動化できる領域、技術とマーケティングによってスケールが可能になる領域はどこだろうと考えていました。マーケティングのコンテンツ制作においては、人の手をかけて非効率に行われていることが非常に多いと感じました。
一方で、マーケティングそのものはどんどんデジタル化して、テレビよりもインターネットに移行していっていました。そこで、マーケターたちが仕事を効率化し、スケールできるソフトウェア会社を作ろうと考えたのです。
色やモデル違いの100種類の広告を作成
―AIを使って自動化を実現しているのでしょうか。
そうです。小売業界でブランド側から顧客についてのデータ、パートナー企業、第三者など3種類のデータから、AIを使って特定の個人へのレコメンデーションを導き出しています。
たとえば1つのブランドがランニング用の靴を宣伝するとして、5種類の色があり、10種類のモデルがあったとすれば、50個の広告を作るということです。男女それぞれを対象にしていれば100個の広告が必要になるでしょう。それを自動的に作り、それぞれターゲットに合わせて発信するというイメージです。
―どんなビジネスモデルをとっていますか。
年間契約のサブスクリプションモデルをとっています。
―日本企業とのコラボレーションの可能性はありますか。
ええ。これからデジタルマーケティングを進化させていきたいという企業は、ぜひ私たちのサービスを試してみてほしいですね。
各国ごとに市場の事情は異なると思います。ですから、私たちのツールも日本市場に適応させる必要はあると思いますが、その点は日本のブランド企業から学ばせてもらって、お互いに価値を提供し合うようなコラボレーションができたらうれしいです。