隙間なく機能するモバイルファーストソリューション
―まずInnovapptiveの事業について教えてください。
機械や設備等の資産を多く保有している資産集約型産業に適した、ソフトウェアサービスと、「Connected Workforce Platform™」を提供しています。
資産集約型産業では、従業員の大多数はフィールド作業員(現場作業員)です。例えば以前は、フィールド作業員の一連の作業は紙ベースで管理されていましたが、iPhoneがで始めたころから、多くの企業がデジタルファーストなビジネスプロセスの転換を求めました。私はここから着想を得て、現在のビジネスを立ち上げました。
当社の資産マネジメント、サプライチェーンマネジメント、フィールドサービスマネジメントソリューションと「Connected Workforce Platform™」は、フィールド作業員とバックオフィス、そして会社全体を自動的に繋ぎます。実態と差異がない現場作業記録データを作業員の負担なしでリアルタイムに取得・共有し、フィールド作業員が必要な情報を必要な時に必要な場所で得ることができる業務支援プラットフォームの役割を果たしています。そしてバーコードを活用したサプライチェーンマネジメントなど、現場作業からバックオフィスまでの一連の業務を包括的に繋ぎ、管理・支援しています。
当社の「Connected Workforce Platform™」や管理用ソフトウェアから得るデータは正確で包括的です。このデータを基に経営陣は経営判断を下すことができますし、例えば各フィールド作業員の作業効率が明白になり、業務改善につなげることも可能です。
規模が大きいほど小さな効率化が大きな利益率アップに繋がる
―資産集約型産業で活用されているとのことでしたが、具体的な活用例と実績を教えてもらえますか。
日本の石油・天然ガス開発企業「国際石油開発帝石(INPEX)」が、オーストラリアで実施している大型LNG・プロジェクトのフィールド作業員用プラットフォームとして当社のサービスを採用していただいています。このプロジェクトは、850kmにもおよぶ長さの海底パイプラインを繋ぐもので、かなり大規模なプロジェクトです。
また、企業名は伏せますが、業界最大手の石油会社とグローバル契約を締結しています。この会社が当社の顧客としては最大規模で、全世界にフィールド作業員が約23,000人います。彼ら全員が当社のサービスを使い、作業効率が10%上がれば1億8,000万から2億ドルの経費削減になると期待されています。
その他には、UNICEF(ユニセフ)が、支援物資の管理に当社のバーコードソリューションを使っています。当社のサービスはすぐに展開できるため、紛争や予期せぬ自然災害時など、緊急時に素早く導入することができ、有効性が高く評価されています。
競合他社ではなくInnovapptiveが選ばれる理由
―同様のサービスを提供している競合他社との違いはどこにあるとお考えですか。
認識している範囲では競合している会社は3社います。
Tiger Globalが当社への投資を検討していた際、「なぜInnovapptiveを選んだのか」当社の顧客にヒアリングを行いました。その結果から、二つの点において当社が競合より優れていることが明確になりました。一つは、ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスにおいて他社より優れているということ。もう一つは、導入まで数週間しかかからず拡張性が高いことがあげられました。特に導入後の拡張性の高さはコストカットにも繋がり、競合他社との大きな違いだと言えます。