オンラインショッピングで購入した商品の返品を引き受けるHappy Returns。連携している小売業者の商品をまとめて送ることで物流を効率化し、消費者の負担を減らす。CEOのDavid Sobie氏に話を聞いた。

David Sobie
Happy Returns
CEO & Co-founder
2004年Tuck School of BusinessでMBA取得。EコマースのJustFabやRevolveでCMOを務めたのち、Happy Returnsを創業。

返品作業の負担を減らしたい

―どんなサービスを提供していますか。

 オンラインショッピングの返品代行をしています。オンラインショッピングで買ったものを返品するには、領収書を印刷して、箱に入れて、郵便局に並んで、後日ちゃんと返品がされたかクレジットカードの履歴をチェックして…と、非常に面倒ですよね。これを私たちは簡単にしたいと考えました。

 私たちは米国中心にショッピングセンター内に300箇所の「Return Bar」と呼ばれる拠点を持っています。それはショッピングモールや大学キャンパスの書店などにあります。返品をしたい人は、その商品だけを持って私たちの拠点を訪れてもらい、Eメールアドレスを伝えさえすれば、履歴をたどって、私たちが返品処理をします。

 返品の理由によっては、別の提案をすることもできます。たとえばサイズ交換ができるか確認したり、セーターの色が気に入らないのであれば別の色のセーターを提案することもできます。

―返品をする人は無料で利用できるのですね。

 返品する人は無料で利用できます。返品を個々人でやると、箱が毎回必要で開封作業もすることになりますが、私たちは複数の連携小売業者の商品を各拠点から、西海岸と東海岸のそれぞれの物流拠点に集めています。商品を畳んだりバーコードをつけたりと整えたうえでまとめて業者に送ることができるので、かなり効率化ができます。

 ビジネスモデルは、小売業者から「Return Bar Network」にアクセスする月額費用と、 1つあたりの返品につき費用をいただきます。

返品のしやすさがEコマースの顧客満足度向上につながる

―自社店舗を持たないオンライン小売業者向けということですか。

 店舗を持たないオンライン業者が多いですね。ただ店舗がある業者でも、使ってくれることはあります。拠点数が単純に増えるという考え方が1つと、代行の技術を評価して店舗内に私たちの拠点を設けてくれるアパレルブランドもあります。返品しやすいということが、オンラインショッピングそのものの顧客体験を向上させます。

―米国以外への展開の可能性はありますか?

 今年は海外展開を考えています。まずはカナダが、距離的にも近く、言語の壁もないので最有力市場です。日本にも大変関心はありますが、言語や通貨の対応が課題ですね。米国に進出している日本の小売業者とのパートナーシップはもちろん大歓迎です。返品がしやすくなれば、Eコマースがもっともっと発展すると思います。



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