(2021年にUpdaterが買収。2023年6月追記)
消費者目線で始まった「Truck & Muscle」サービス
―まずDolly設立の経緯とサービスについて教えてください。
Dollyは、Co-FounderのChadと私の雑談から始まっています。大物家具の配達や自分で引越をした時の“イライラ体験”を話しながら、これを変え、10倍優れた消費者体験を提供するサービスを作るにはどうしたらいいか、消費者として自分はどういうサービスを求めているのかを真剣に検討し始めたのがスタートです。
従来の配達サービスは届ける側のスケジュールに受け取る側(消費者)が合わせていました。ホームセンターで大型バーベキューセットを買って配送を頼むと、「配達は3、4、5または10営業日後になります」と言われ、時間も指定できないので、平日に4〜8時間ほど時間を取って到着を待つことになりますが、配達日や時間は確約されていません。配送サービスは全てアナログ対応なため、荷物が届くまで消費者は情報を得ることができませんし、変更も難しいです。
Dollyは、依頼者がスマホアプリを使い、自分の都合に合わせた日時に荷物や商品が届くよう依頼でき、GPSによる荷物のリアルタイムトラッキング機能を備え、配送担当ドライバーとの連絡が可能な「ポイント・ツー・ポイント」な配達サービスです。
小規模な近距離引越、購入品の配達、所有品の輸送と、輸送を伴わない物の移動の4種類の「Truck & Muscle」サービスを提供しています。
―Dollyはどのように収益化していますか。
いわゆるマーケットプレイスと同じように、サービス供給者から手数料をとっています。進行状況や依頼内容の難易度によって変わりますが、当社の手数料は料金の約30%です。
例えば、箱を動かす料金と、冷蔵庫を動かす料金は同じではありません。サービスを細かく分けてそれぞれに料金を設定しています。
ユーザーは、アプリ内で質問に回答する形式で依頼内容を入力し、入力が終わると、コンピュータが利用料金を算出します。Dollyは、予約検討時の提示料金を保証しており、これが消費者にとって当社のバリュー・プロポジション(Value proposition)になっています。
「レビュー評価4.9、NPS80」配送サービス業界で類のない高評価
―ユーザーからかなり高い評価を得ていると伺いました。Dollyのどのようなところが高評価を得ているのでしょう。
当社には、現時点で約10,000人がドライバーとして登録しており、実際にサービスを提供した件数は25万件です。Dollyはアプリを使った利便性が高い配達サービスというだけでなく、ユーザーがいつでもなんでも簡単に頼める人がいると感じられ、最高のカスタマー・エクスペリエンスを得ることができるよう、専門のカスタマーサポートチームが献身的に対応しています。ドライバーも何かあればDollyのカスタマーサポートが支援します。
Dollyのドライバーの多くは、自分のトラックなどを使った副収入源としてDollyでサービスを提供しています。サービス提供者には1時間30ドルを約束しており、彼らにとってDollyの仕事は大切な収入源の一つになっていますので、そういった意味でもサービスの質が保たれやすいのだと思います。
Dollyアプリは、1万5千以上のレビューと評価をいただいており、評価の平均スコアは5点満点中4.9です。そして、NPS(Net Promoter Score 顧客推奨度)は80を超えています。AppleのNPSが60台ですから、これはかなり高い数値です。
―今後について聞かせてください。
現在は、全体の3分の2が消費者から直接受ける依頼で、残りは販売店からの依頼です。今現在も大手販売店と新たにパートナーシップを進めているところで、今後は販売店とのパートナーシップを更に増やして行きたいと考えています。販売店での利用を通じ、商品をお客様に届けるラストワンマイルサービスとして、米国内での認知を高め、事業をさらに拡大していきたいと考えています。