Cumulus Networksは、スイッチやルーターなどの機器に搭載されるネットワークを制御、管理する「ネットワークOS」を提供する。ネットワーク機器に対しては初めてLinuxでオペレーティングシステムを開発し、顧客企業が様々なベンダーのハードウェアを使いながら自社システムを構築し、運用するのを手助けしている。 ハードウェア購入から保守運用のすべてを1社に依存しなくてはならない状態を脱することが顧客企業のシステム運用効率の大幅な改善につながる。CEOのJosh Leslie氏に話を聞いた。

Josh Leslie
CumulusNetwork
CEO
University of California, Berkeleyにて認知科学の学士を取得。2002年にColumbia Business SchoolでMBA取得。CommVault Systems、VMwareを経て、Instart Logicでは営業責任者などを務め、ベンチャーキャピタルからの投資で企業を成長させた実績を持つ。2015年にCumulusに入社し、2016年にCEOに就任。

20年以上変わっていないネットワーク市場の構造

―何がこれまでのネットワーク運用と異なるのでしょうか。

 ネットワーク市場は、20年前にサーバー市場がそうであったように、基本的にメインフレーム形式なのです。メインフレーム形式というのは、巨大で高額で複雑で、適切なハードウェアとソフトウェアを組み合わせて、高度に訓練された専門的な人たちが運用をするものです。これがデータセンターではLinuxのようなソフトを使った業界標準形式に置き換わりつつあります。我々はこれと同じことをネットワークにおいてもたらそうとしています。

 これまでは、たとえばCiscoのスイッチを買ったら、ハードもソフトも全部Ciscoで揃えて、管理したければCiscoの方法に従って、Ciscoの技術者を雇って、新たに機器を追加したければまたCiscoのものを買うしかありませんでした。でも、我々のサービスはLinuxを使った運用システムなので、多くのベンダーの中からハードを選ぶことができます。Linuxの知識があればだれでも運用ができます。これによって非常に低コストで機材をそろえ、運用することができ、自分たちでシステムをコントロールできるようになります。

 ネットワーク市場においては私たちの取り組みは非常にユニークで、他のどの企業も似たような価値を提供することができていません。

Image: Cumulus Networks

起業のきっかけは、Googleでの次世代インフラ作り

―どうしてこのビジネスをはじめたのでしょうか。

 創業者であり我々のCTOであるJ.R.Riversは、16年間Ciscoで働き、重要なプロダクトラインの構築を手掛けたのち、Googleで次世代インフラを作るのに携わりました。このとき、Googleでは伝統的なベンダーの製品を一切使わずに、オープンソースを利用したんですね。この経験からJ.R.Riversは他の企業もおそらく同じような方法でインフラ構築をしたいと考えているのではないかとひらめき、それがCumulusをはじめるきっかけになっています。当時彼が創業者兼CEOだったのですが、根っからの技術者で製品構築をしたいということで、2015年から営業のVPをしていた私がCEOの役割に就くことになりました。

日本企業との長期的なパートナーシップに期待

―ビジネスはどのくらい拡大しているのでしょうか。

 ライセンスモデルで展開しており、年率100%成長しています。オンラインでビジネスを展開しているハイテク業界、ヘルスケア関係、政府系機関、小売業などを中心に、現在は1200余りの顧客がいます。Fortune100の3分の1は私たちのお客さんです。たとえばJPモルガンチェースは私たちのサービスを利用してGAIAと呼ばれるクラウドを作ったのですが、運用効率が10倍向上しました。

 ネットワーク市場は140億米ドルとも言われており、ネットワーク領域において我々が最初の重要なソフトウェア企業となれると思っています。グローバルでは、アメリカ全土、日本と中国に進出しており、シンガポールやオーストラリア、ドイツや英国、中東、ロシアでも採用をしています。

―日本企業とのコラボレーションの可能性はありますか?

 現在、NTTやIIJなど、40~50社の日本企業が顧客です。日本はIT購入の巨大市場ですから、我々のメンバーが日本に駐在もしており、ポテンシャルに大変期待をしています。販売のパートナーとしてCTCやネットワールド、デルジャパンなどと既に協業していますが、既存のハードウェアメーカーともぜひ長期のパートナーシップを組みたいと考えています。



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