透明性が高く手数料不要
―創業したきっかけを教えてください。
私は「従来の米国の銀行がやっていなかったような、銀行サービスのデジタルプラットフォームを作りたい」と思いました。それが創業したきっかけです。
―事業内容を教えていただけますか。
CogniはBtoC向けのデジタル銀行サービスです。機械学習とAI技術を取り入れたデータドリブンのデジタル銀行プラットフォームで、ユーザーのライフスタイルを変え、ファイナンスを簡素化します。口座開設には銀行の窓口に並ぶ必要がなく、スマホだけで可能です。送金も収支管理もスマホで楽に行えます。ホテル、飛行機、映画チケットの予約もできます。Apple Pay、Google Pay、Samsung Payとも連携しています。
―ユーザーにはどのように販売しているのでしょうか。
米国では銀行口座を持つのに費用が500~1000ドルかかり、高額だと感じてきました。そこで、「伝統的な銀行より透明性が高く、ATM手数料や口座維持手数料のかからない銀行プラットフォームがある」ということを、人々に知らせていくことがベストだと考えました。
ストレートなメッセージ
―御社の強みはどこにあると考えていますか。
創業して間もないスタートアップというところ、透明性の高い銀行サービスであること、自社のメッセージをストレートに伝え続けているところです。
―他に競合するようなプレイヤーは存在しますか。競合と比較した場合、強みはどこにあると考えているでしょうか。
米国の銀行市場は巨大で、参入するプレイヤーは数多く存在します。例えば、Chime(米国のミレニアル世代向けに手数料不要のデジタル銀行を運営するシリコンバレーフィンテック)のような評価額50億ドルのプレイヤーも存在します。しかし当社が競合として意識しているのは、それより伝統的な銀行です。Cogniが伝統的な銀行と比較してメリットになる点は、利用する手数料が不要で、銀行口座維持にも手数料が不要ということです。
伝統的な銀行とのパートナーシップ
―当面の目標と、長期的なビジョンを教えてください。
当面はシンプルに、ユーザーに透明性のある強固で明瞭な銀行サービスを提供し、ユーザーからのフィードバックを得て、緩やかなペースでエコシステムを作り、維持していくことを目標にしています。将来的にはローン事業やモーゲージ事業などの可能性も追求していきたいです。
―国際展開についてどう考えていますか。
海外顧客については、現在、クローズドで限定的にテストを行っています。韓国には強力なパートナーシップ企業が存在します。日本も大変興味深い市場です。
Cogniの日本参入を望んでいる日本の大企業とも対話をしてきました。日本の伝統的な銀行とも対話をし、パートナーシップを組むことを望んでいます。