ペット関係者による水平的なエコシステム
―BabelBarkの事業内容を教えてください。
BabelBarkは、ペットの関係者の情報を1カ所に集約してつなぎ合わせたプラットフォームです。このプラットフォームでは、飼い主、獣医、ペットシッター、ペットトリーマー、トレーナー、栄養士など、ペットに関わる関係者に情報を共有することができます。
―具体的にどのように使うのですか。
たとえば獣医はペットシッター、トリマーたちとワクチンの情報を共有し、トレーナーと連携して共同で対応できます。便利なだけでなく、結びつくあらゆる関係者のサービスの質の向上につながるシステムです。
―飼い主や獣医といった立場ごとに異なるプラットフォームを提供しているのですか?
基本的にはプラットフォームは1つですが、3つの異なるインターフェイスを持っています。獣医のニーズに応じるためにはBabelVetを用意し、モニタリング機能に加え、飼い主や関係者とのディスカッション掲示板機能を持たせています。
ビジネス目的としてはBizBarkというインターフェイスで対応しています。ペットシッターやトレーナー用のインターフェイスでは、オンラインでスケジュール調整や支払い、宣伝などができます。
Image: BabelBark
拡大するペット産業の市場
―BabelBarkのサービスの市場規模とメインターゲットは?
ペット産業の市場は巨大で、2017年度の米国市場規模は780億ドル、2021年には960億ドルまで伸びると予測されています。市場の中核となっているのは、ミレニアル世代やZ世代にあたる飼い主で、彼らの多くが犬か猫を飼い、家族の一員として接しています。
我々のサービスの基本的なターゲットは、若いミレニアル世代の飼い主や、獣医やシッターです。しかしそれだけではなく、より上の世代に、テクノロジーを活用した新たなツール・考え方を提供しています。
たとえば60代で我々のサービスを利用している獣医たちは、顧客層が変わりつつあるのを実感しています。つまり10年前には獣医の客といえば大半が50代と60代前半でしたが、今日ではそれが20代後半から30代前半に変わりました。このため、獣医は自分の年齢に関わらず、テクノロジーに長けた若い世代の意向を汲んだサービスを供給する必要があるのです。
プラットフォームを翻訳すれば日本への展開も可能
―BabelBarkを立ち上げた経緯は何でしたか。
ビジネスパートナーと私はペット市場について注目し、最適なペットのケアについて議論と検討を重ねていました。起業を準備していた2014年当時、ペット市場が非常に高い率で成長しており、不況期にも成長を続ける唯一の業界だと考えました。
それから市場の分析にとりかかり、初めてのプロトタイプを構築し、ドッグパークや知人、家族にサービスを提案したところ、3週間で147人が利用したいと答えました。そこで事業を立ち上げることにしたのです。
―海外戦略や日本企業との連携について考えを聞かせてください。
アメリカとカナダでサービス利用可能とする予定です。来週にはヨーロッパでの議論を予定し、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリアでの会社設立を検討しているところです。ソフトウェア技術のプラットフォームの世界展開は容易ですし意義があることです。
日本展開にも関心がありますが、言語の問題からプラットフォームが受け入れられるかを検討する必要があります。プラットフォームを翻訳できれば、日本でアプリをローンチすることもできると考えています。