TECHBLITZ編集部では今回、世界のスタートアップの中から「物流」の分野における累計資金調達額トップ50社をまとめた「物流50」レポートを作成しました。“物流ロボット”、“自律走行トラック”、“総合物流サービス”などに分類し、世界の先端ソリューション事例を紹介しています。
※レポート本誌は、「BLITZ Portal」にて2023年11月にご利用企業向けに発刊しております。

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物流の2024年問題以降の世界は?

 2014年以来、物流業界のスタートアップは力強い成長を遂げ、2021年の資金調達額は過去最高の254億ドルに達しました。しかしパンデミック下でのEコマースに対する驚異的な需要増加の反動や金利の上昇、原油価格の高騰など多くの要因が重なり、2022年の資金調達額は前年と比較して49%減少しました*。

 短期的には急激な落ち込みを見せた物流業界への資金流入ですが、他の業界と同様にデジタル技術による効率化の要請は強く、長期的には成長は続いていくと見られています。実際に、商品の注文から配送までを一括して請け負うフルフィルメントサービスや、ピッキング / 運搬ロボットなどを活用した物流倉庫の自動化、効率的なフリート管理を実現するプラットフォームなどが近年急速に普及しており、大幅な省人化・効率化が進められています。

 また、物流網が発展途上の地域では、スタートアップ企業がその役割を担い市場シェアを獲得する機会も多いことから、アジアをはじめとした地域で総合物流サービスやラストマイル配送など、物流網の構築に関わる分野の資金調達が活発に行われています。

 国内においては物流業界における2024年問題としてトラック運転手の人手不足とそれに伴う物流コストの上昇が予想されています。これに対応するように、トラックの自動運転技術に対する企業の動きが活発になっています。海外に目を向けると、早ければ2024年中に自動運転トラックの公道走行がスタートするとも言われており、自律走行モビリティやドローンなども合わせた配送の自動化は今後も推し進められていくでしょう。

 本レポートでは、世界の物流関連スタートアップの中から累計資金調達額トップ50社(2023年10月時点)をピックアップし、カテゴリーに分類してご紹介します。

*McKinsey & Company“Start-up funding in logistics: Adjusting to a new reality

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「物流ロボット」「自律走行トラック」「総合物流サービス」などの注目スタートアップを紹介

 本レポートでは下記注目カテゴリーを取り上げております。

【7つの注目カテゴリー】

  • ラストマイル
  • ラストマイル(BtoB)
  • フルフィルメント
  • 物流ロボット
  • フリート管理
  • 自律走行トラック
  • 総合物流サービス

 その中でも今回、「物流ロボット」「自律走行トラック」「物流ロボット」のスタートアップを一部紹介いたします。
※以下の資金調達額累計は2023年10月時点の数値となります。

物流ロボット

物流業界の課題である労働力不足と作業効率向上の問題に取り組む、物流ロボット (AMR / ACR) の開発およびサービス提供企業。AI や機械学習を駆使し、人間よりも高精度に作業を行うことで、配送のスピードアップにつながる。

Exotec

Image : Exotec HP

3D移動ロボットによるEC向け自動倉庫オペレーティングシステム。最大30kgの商品を運搬でき、氷点下の冷凍庫でも24時間稼働。倉庫内を上下 / 左右に自動で秒速4mで移動しピッキングできる。ユニクロの倉庫にロボット1000台を導入した実績あり。

自律走行トラック

自律走行機能を搭載した自動運転トラック開発および自動運転トラックソリューション。24時間体制の自動運行システムや遠隔操作などにより車両運用の効率化に寄与する。輸送トラックドライバーの人手不足を改善するソリューションとして普及が待たれている。

Kodiak Robotics

Image : Kodiak Robotics HP

高速道路を走行するトラック向けの自動運転技術。LiDARやレーダーからのデータ、独自のステアリングシステム、衛星画像データなどを駆使し、最適な走行を実現する。これまで数々の物流・自動車関連企業と提携を行っている。

総合物流サービス

物流網の構築から、サプライチェーン構築、金融サービス、物流データ分析まで幅広く対応する総合物流サービスを提供。越境 EC に代表されるような経済圏のグローバル化により、多様化した国際取引の業務を統合するソリューションプラットフォームへのニーズが拡大。

Forto

Image : Forto HP

見積から配送、文書管理、追跡、データ分析まで提供するデジタル物流プラットフォーム。利用企業は複数の配送選択肢から最適なオファーを選び、オンラインで直接予約可能。2022年3月、SoftBank VFなどから$250Mを調達。



グローバルな技術トレンドの把握や、スタートアップ調査、事業アイデア創出といった場面で、本レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。
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