TECHBLITZ編集部では今回、eコマースや小売の分野における注目スタートアップや、その資金調達動向をまとめた「eコマース&小売50」レポートを作成しました。“マーケットプレイス”、“サブスクリプション”、“EC事業者向けサービス”などに分類し、世界の先端ソリューション事例を紹介しています。
※レポート本誌は、「BLITZ Portal」にて2024年2月にご利用企業向けに発刊しております。

eコマースは2023年〜2027年にかけておよそ8~9%の高い成長率が予想される

 新型コロナウイルスのパンデミックの影響から、外出せずに欲しいモノを入手できるオンライン販売による商品の売上が急激に増加しました。パンデミック収束後も豊富な品ぞろえの中から商品を「早く、安く、便利に」得られるeコマースは人々の生活に深く浸透し、eMarketerの記事によると2022年にeコマースの売上高の伸びは一旦鈍化したものの、2023年から2027年にかけておよそ8~9%の高い成長率が予想されています*。

 これに伴いeコマーススタートアップや関連テクノロジーが注目を集めています。嗜好やサイズに合った製品が見つかるファッションサイトや、試乗予約からローン申込、購入手続き、納車に至るプロセスをワンストップで提供する中古自動車販売サイト、購入した食品や医薬品、日用品を即日配達してくれるデリバリーサービスなど、消費者の要望に応えるスタートアップが多くの資金調達を受けて成長しています。また今後はモバイルコマースの売上比率がより増加するという予想もあり**、企業はSNSやオフライン購入も含めたオムニチャネル販売への対応も求められています。さらに、このような利便性の高いサービスは企業間取引においても広がっています。

 また、これまでオンライン購入の不安要素であった偽ブランド品や品質保証の問題についても、独自の審査や鑑定システムを整備するほか、手厚い保証サービスを提供するなど、消費者の不安を払拭する取り組みが見られます。このほかにも中古品や規格外商品を販売することで廃棄物削減に貢献する企業や、サブスクリプションや共同購入サービスなどを提案する企業、さらには実店舗ならではの良さを活かしたサービスなどの多様なソリューションが市場の評価を受けています。本レポートでは、このような世界のeコマースと小売関連スタートアップの中から累計資金調達額トップ50社(2024年1月時点)をピックアップし、カテゴリーに分類してご紹介します。

*eMarketer“Ecommerce growth worldwide will pick up before tapering off
**Statista“Global Mobile E-Commerce Worth $2.2 Trillion in 2023

「マーケットプレイス」「共同店舗」「実店舗」などの注目スタートアップを紹介

 本レポートでは下記注目カテゴリーを取り上げております。

【8つの注目カテゴリー】

  • マーケットプレイス(BtoC)
  • マーケットプレイス(BtoB)
  • 専門EC
  • デリバリー
  • サブスクリプション
  • 共同購入
  • EC事業者向けサービス
  • 実店舗

 その中でも今回、「マーケットプレイス」「サブスクリプション」「EC事業者向けサービス」のスタートアップを一部紹介いたします。
※以下の資金調達額累計は2024年1月時点の数値となります。

マーケットプレイス(BtoC)

一般的なECサイトでは見つかりにくいアイテムや廉価な商品を購入できるマーケットプレイスサービス。取り扱いジャンルを限定したり、出品者の身元確認を厳格化することで取り扱い商品の信頼性を高める施策により、ユーザーの囲い込みを狙う。

Meesho

Image : Meesho HP

ファッションアイテムを中心に、個人や中小企業が製品を売買できるマーケットプレイスを提供。SNSで紹介した商品が売れると、アカウントオーナーに販売手数料が支払われる。

サブスクリプション

定期的な支払いで、製品やサービスを継続的に利用できるサブスクリプション型ビジネスモデルは個人・企業を問わず浸透してきている。管理コストを削減する各種デバイスのレンタルサービスのほか会員向けの割引販売など、解約率を抑え長期利用を促進する施策に注力。

Grover

Image :Grover HP

最新ガジェットをレンタル提供するサブスクリプションサービス。個人・法人向けに多様なデバイスをそろえ、電子廃棄物削減にも貢献。品質チェックを経てから再度レンタルすることで循環型経済を支援。

EC事業者向けサービス

EC市場の拡大とともにサービスの差別化や運営効率の向上をサポートする、EC事業者向けに特化したソリューションを提供する企業も増加。顧客との長期的な関係構築を目指すデジタルマーケティング分野やECサイト構築に照準を当てる。

ShopBack

Image :ShopBack HP

同社サイト経由での購入でキャッシュバックを提供。アフィリエイトマーケティングで利用者が拡大。東南アジア・東アジア地域やオーストラリアなどでサービスを展開。



 グローバルな技術トレンドの把握や、スタートアップ調査、事業アイデア創出といった場面で、本レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。
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