※レポート本誌「自動運転トレンドレポート」は、2023年7月に「BLITZ Portal」ご利用企業向けに発刊しております。
このトレンドレポートでわかること
●「自動運転」関連のテックトレンド(ソフトウェア、位置特定、物流 …etc)
●インサイト特集「日中アクセラレーターが解説する中国自動運転の注目動向」
※今回TECHBLITZ上で配布する「自動運転トレンドレポート」は一部項目のみの短縮版となります。下記コンテンツを含んだ完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。
[完全版で追加される内容]
・大手企業 × スタートアップの協業事例
現在の自動運転の動向
国土交通省『自動運転のレベル分けについて』および米国運輸省道路交通安全局
『Federal Automated Vehicles Policy』を参考にBLITZ Portalが作成
最近では街中で電気自動車、充電ステーションやシェアードモビリティを見かけることも珍しくなくなってきました。自動車業界の大きな潮流「CASE」(Connected:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared & Service(シェアリング/サービス化)、Electric:電動化 / Environment:グリーン化)のうち、シェアリングと電動化が確実に社会に根差しつつあるなか、次に成熟が待たれる領域は「自動運転」であると言えるでしょう。
自動運転とは、自律型の制御システムを備え人間による運転操作なしに走行する技術を指しますが、広義では運転支援機能なども含む場合もあります。最近ではビジョンセンサーやレーダー、LiDAR、超音波センサーやGPS等で周辺環境を正確に認識し、指定された行き先へ走行するというセンサー主体の技術開発が主流となっているようです。軍事用のパトロール車両や、鉱山や建設現場など限定された現場での大型重機や産業用車両などには既に自動運転技術の導入が先行しています。また、一般的な乗用車やサービス車両においても、人間が介入するもの(レベル3:右表参照)や人間の運転操作を支援するシステム(レベル2)については、普及が進んでいます。
自動運転の普及による恩恵としては、人の不注意や疲労に起因する交通事故の減少、高齢化社会のモビリティ課題の解決、渋滞の軽減やCO2排出量の低減といったことが期待されています。国内では2023年4月に改正道路交通法が施行され、レベル4の自動運転が解禁されるなど、普及への道筋が着々と整えられています。その一方で、ソフトウェアの信頼性や不正アクセスのリスクは依然として高く、損害賠償責任の所在があいまいであることや法規制の整備不足といった懸念点も山積しているのが現状で、より高度な自動運転の本格普及にはしばらく時間がかかりそうです。
* McKinsey & Company “Autonomous driving’s future: Convenient and connected”
McKinsey & Companyのレポート*によると、自動運転は交通機関のみならず消費行動や社会全体を変革するポテンシャルを秘めていて、2035年までに3,000億ドルから4,000億ドルの収益を生み出す可能性があるとしています。また、乗用車市場では、2030年までに新車の12%にはレベル3以上の自動運転技術が搭載され、2035年にはこの割合が37%に達すると予測しています。
国内では、産学官オールジャパン体制で自動運転の事業化を推進するべく、2015年2月に経産省製造産業局長と国交省自動車局長の主催で自動走行ビジネス検討会が設立され、「自動走行の実現及び普及に向けた取組報告と方針 version7.0」にあるような様々な取り組みが進んでいます。2023年4月に施行された改正道路交通法に基づいた許可があれば運転者なしに自動運転移動サービスを提供することが可能になり、5月には福井県永平寺町で全国で初めてレベル4の自動運転移動サービスが開始しました。こうした地域限定型のサービスについては、2025年度を目途に50か所程度、2027年度までに100か所以上の地域で実現するという具体的な目標が国の方針として掲げられています。
また、海外に目を向けますと、米国ではAlphabet傘下のWaymoのロボタクシーやWalmartと提携するGatikの無人配送トラックなど、主に民間の大企業に牽引される形でレベル4のサービス展開が進んでいます。欧州では欧州経済委員会で自動運転の国際標準化の取り組みが推進されるなど官主導の動きが活発で、特にドイツでは2022年4月に世界に先駆けて公道でのレベル4の自動運転を可能にする「自動運転車両の認可及び走行に関する政令」が承認されています。中国では製造業分野の成長戦略「中国製造2025」の一環として国が自動運転モビリティの実現を牽引し、5G通信網を活用した公道でのロボットタクシーや配送サービスの事業化が進められています。また、アジアをはじめとする新興国では公共交通網が発達していない地域に対する課題解決策としての移動サービスや、自動運転モビリティを軸とした不動産開発など、民主導の動きが見られます。
次世代モビリティ業界全体と同じく、自動運転の領域では従来の自動車産業の枠を越えて通信やデータなどIT産業の企業を巻き込んだ大きな渦が生まれており、これからの社会を形づくる大きな要素となるでしょう。本レポートでは、その中で最新のAI技術や革新的なソリューションを提供し、自動運転の社会実装を牽引する有望なスタートアップをご紹介します。中盤ではインサイト特集として、弊社のコンテンツパートナー「ジャンシン(匠新)」による、中国における乗用車の自動運転についての最新注目動向を掲載しています。また、大手企業と有望スタートアップとの協業事例もご紹介します。
短縮版でも「自動運転」関連スタートアップ32社をご紹介
「自動運転トレンドレポート」は、以下の画像の内容で構成しております。そのうち本記事のフォームから入手できる短縮版では、冒頭の「Overview」「カテゴリー概要」そして「インサイト特集」までのセクションをお読みいただけます。
「自動運転」関連スタートアップをご紹介
ソフトウェア
自動運転の進化はソフトウェアの進歩によると言っても過言ではないでしょう。特に人工知能や機械学習の適用により、自動運転システムの精度の向上やシステムのトレーニングにかかる時間の短縮が図れ、開発のスピードが一層加速しています。 Oxa (旧Oxbotica)
Image : Oxa (旧Oxbotica) HP
GPS / 地図 / 車線などが利用できない鉱山や倉庫などの環境で動作する自動運転向けのオペレーティングシステムを開発。2022年に欧州で無人かつ完全自動での試験運転を実施した。また、同社は独自の生成AIツールによるフリート管理用のクラウドベースツールも提供する。2023年5月にはGoogle Cloudとの連携を発表し、交通 / 物流 / 農業 / エネルギー / 鉱業といった複数業界での導入を加速するという。さらに同月Goggo Networkとの連携により、欧州の自動運転EVに同社技術の導入を加速する計画も発表した。
- 資金調達額累計:$229.5M / Series C
- 本拠地:Oxford, UK
- HP:https://oxa.tech/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Oxbotica-gjLO0gKo
センサー
自動運転システムの中核であるセンシング技術は、厳しい環境下でも機能するよう進化しています。現在この分野では、製造プロセスの改良、製品のモジュール化、性能を維持した状態での小型 / 軽量化など、量産体制への移行を実現するスタートアップに注目が集まっているようです。 Scantinel Photonics
Image : Scantinel Photonics HP
フォトニック集積回路ベースのFMCW(周波数変調連続波)LiDARを開発。同製品は自律走行車向けの次世代LiDARであり、高い信頼性、堅牢性、ピクセルレート(秒毎のピクセル数)を備え、コヒーレント測距により長距離でも効率的な物体検出が可能。レーザー、検出器、光学コンポーネントの大部分をシリコンウェーハプラットフォーム上に統合した、コンパクトさと大量生産に適した製造プロセスが特徴。300mを超える検出範囲を維持しながら競争力のある価格で提供できるという。2023年6月ドイツ中小企業サミットのTop 100 Innovator Awardで第2位となった。
- 資金調達額累計:$19.6M / Series A
- 本拠地:Ulm, Germany
- HP:https://scantinel.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Scantinel-Photonics-MXdvNbLj
管理 / 最適化プラットフォーム
自律的に運行する車両がフリートとして活躍する際に必要なのが、システム全体を監視 / 分析し、適切に管理できるプラットフォームです。車両の遠隔操作システムからインテリジェントな制御システム、車両の周辺環境のインフラも含めた最適化プラットフォームなどをご紹介します。 Ottopia
Image : Ottopia HP
自動運転車両を遠隔で安全に誘導するRVA(Remote Vehicle Assistant)システムを開発。独自技術で高速かつデータロスのない安定したデータ伝送を実現。複数の無線通信事業者間の信号を機械学習でリアルタイムに分析し、最適な通信を選択。システム全体をモニタリングし、最適化を図る。現在はオペレーター1人が10台の車両を誘導するが、将来的にはさらに多くのロボットタクシー、自動運転トラックや無人シャトルバスを少人数で監視 / 誘導することが可能になるソリューションであるという。
- 資金調達額累計:$26.5M / Series A
- 本拠地:Tel Aviv, Israel
- HP:https://ottopia.tech/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Ottopia-9XgMQnj2
物流
自動運転の実装が最も進んでいる業界の一つは物流業界であると言っても過言ではないでしょう。自律型ロボットによるラストマイル配送からヤード内のオペレーションの自動化、公道で走行可能な環境に優しいトラックまで、指数関数的に増加する物流ニーズや人手不足の課題に対応するべく、様々な自動運転ソリューションの活用が進んでいます。 Ottonomy
Image : Ottonomy HP
小売業や物流界の人手不足を解消する、非接触で配達ができる自律型ロボットを開発。同社のレベル4の自律ソフトウェアスタックは屋内外の環境で実証済み。シンシナティ国際空港、ローマ・フィウミチーノ空港、ピッツバーグ国際空港などで導入されている。2021年および2023年にRobotics Business Reviewの世界のロボット企業トップ50社に選ばれ、Plug & PlayAcceleratorのMobility Startup Awardなども受賞している。
- 資金調達額累計:$4.9M / Seed
- 本拠地:Santa Monica, California, US
- HP:https://ottonomy.io/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Ottonomy-ojDZ0VwX
日本企業が現状のトレンドを予測するうえで、またオープンイノベーションの進め方を考えるうえで、本レポートが少しでもお役立に立てれば幸いです。
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