※レポート本誌は、「BLITZ Portal」にて2025年9月にご利用企業向けに発刊しております。
航空宇宙関連の概況
過去、政府機関を中心に担われてきた航空宇宙業界は、いまやスタートアップによる新型ロケット開発競争や、衛星を活用した多様なソリューションの登場、次世代航空機(eVTOLなど) の実用化に向けた動きが加速し、大きな変革期を迎えています。 こうしたスタートアップに対する投資家の期待も高く、本レポートに登場する企業はすべて累計資金調達額が1億3,000万USドルを超えています。特に米国の防衛テクノロジー企業であるAnduril Industriesは、2025年6月にSeries Gに当たる25億USドルの調達を行い、その累計調達額は60億USドルを上回っています。 各カテゴリーに目を向けると、ロケット分野では、宇宙輸送コストの削減に向けた再利用・回収可能な機体の開発が進んでおり、持続可能な宇宙輸送への転換が加速しています。 衛星分野では、小型衛星の開発に加え、軌道上で貨物や衛星を輸送するスペースシップや、宇宙ステーションの開発に取り組むスタートアップが台頭。さらに、地球表面に近い高度を周回する低軌道衛星を活用して、高速かつ低遅延な通信サービスを提供する企業も見られます。 航空分野では、環境性能と輸送効率を両立する次世代機の開発が進む一方で、自律化システムやターミナル整備といった運用面での革新も進展しています。また、偵察ドローンの脅威に対応する監視ソリューションも登場しています。 本レポートでは、世界の航空宇宙関連スタートアップの中から、2025年8月時点での累計資金調達額トップ50社をピックアップし、カテゴリー別にご紹介します。皆様の情報探索の一助となれば幸いです。
「ロケット」、「衛星(開発・運用)」、「航空機(開発・運用)」の注目スタートアップを紹介
本レポートでは下記注目カテゴリーを取り上げております。 【5つの注目カテゴリー】
- ロケット
- 衛星(開発・運用)
- 衛星(サービス・ソリューション)
- 航空機(開発・運用)
- 航空機(サービス・ソリューション)
ロケット
ロケットの開発や運用を支えるソリューション。特に宇宙空間へ物資や衛星などのペイロードを安価かつ効率的に輸送するため、民間企業による新型ロケットの開発が進められています。多くは再利用・回収可能な設計を採用しており、従来の使い捨て型から持続可能な宇宙輸送への転換が加速。さらに、液体燃料・固体燃料ロケットの高性能化も進展しています。
Isar Aerospace
“欧州初”が期待される、民間商用ロケット打ち上げサービス
image : Isar Aerospace HP
ドイツ発の民間ロケット企業で、欧州では数少ない中小型ロケットの開発・打ち上げサービスを提供。開発中のロケット「Spectrum」は全長28m、直径2mの2段式で、LEO(地球低軌道)に最大1,000kg、SSO(太陽同期軌道)に最大700kgのペイロードを打ち上げる能力を持つ。
- 資金調達額累計:$614.6M
- 本拠地:ドイツ ミュンヘン
- HP:https://isaraerospace.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Isar-Aerospace-0jZLgBX1
衛星(開発・運用)
各種衛星の開発から効率的な運用までを担うソリューション。衛星の活用ニーズの拡大に伴い、小型衛星のみならず、その基幹部品である衛星バスや宇宙ステーションの開発に取り組むスタートアップが台頭しています。
Apex
衛星バスを標準化し低コストかつ短納期を実現
image : Apex HP
同社は、衛星バス専業メーカーとして衛星バスを標準化・量産化することで、他の衛星メーカーより低コストかつ短納期で提供する。ペイロードサイズが異なる「Aries」「Nova」「Comet」を展開。
- 資金調達額累計:$522.0M
- 本拠地:米国 カリフォルニア州 ロサンゼルス
- HP:https://www.apexspace.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Apex-nXGM2aMj
航空機(開発・運用)
電動化や高速化による次世代航空機の開発と、航空機の効率的な運用を支えるソリューション。eVTOLをはじめとする環境性能と輸送効率を両立する機体の開発が進む一方で、自律化システムやターミナル整備といった運用面の革新も進展しています。特に自律化システムは、パイロット不足の解消や運航効率の向上に寄与することが期待されています。
Quantum Systems
高精度データを収集できるeVTOL固定翼マッピングドローン
image : Quantum Systems HP
同社は、無人航空機 (UAS:Unmanned Aerial Vehicle) の専門技術を応用して、高いデータセキュリティと汎用性を兼ね備えたeVTOL機を開発。搭載したマルチセンサーで収集したデータインテリジェンスを、政府と民間に提供する。
- 資金調達額累計:$597.3M
- 本拠地:ドイツ ギルヒング
- HP:https://www.quantum-systems.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Quantum-Systems-5X9MD2ZX
グローバルな技術トレンドの把握や、スタートアップ調査、事業アイデア創出といった場面で、本レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。
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