Image: Mira Labs
Mira Labsは、iPhoneを使ったシンプルな仕組みと、低コストでAR環境を実現し、製品化した。2019年に発売を始めた「Prism Pro」は産業界で実用的に使える様々な機能が加わっている。今回は、Co-founder & CEOのBen Taft氏に話を聞いた。

専用ソフトウェアも開発。全てが揃うエンドツーエンドサービスを提供

―まずは経歴と、Mira Labs設立の経緯を教えていただけますか

 私はPalo Alto生まれで、テクノロジーやベンチャーキャピタルに囲まれた環境で育ち、起業家に成長しました。18歳までに20以上のビジネスを立ち上げ、17歳の時には事業の売却にも成功し、その後、南カリフォルニア大学(USC)へ入学しました。私がUSCに入学した時期は、Oculus社が開発者向けVRキットを配布した直後でもありました。

 USCのプログラムには、ARやVRのオタクやマニアが集まり、様々な事業に関わっていました。Co-founderはハリウッドでVRエージェンシーを起業し、SonyのPlayStation VRコンソールの構築に関わりました。私も、ARヘッドヘルメットを開発していたDAQRIで働いていた経験があります。

 当時から私たちは、VRではなくARが未来のコンピューティングになると考えていました。しかし、ARは開発費が高すぎますし、企業が製品化し大量生産するには費用がかかりすぎるという問題がありました。加えて、ARのデバイスは複雑で、よいソフトウェアもありませんでした。こうした問題を解決するために生まれたのがiPhoneを使った当社のARヘッドセットです。価格を99ドルまで落とすことができ、これは従来品の数十分の一の価格です。

Benjamin Taft
Mira Labs
Co-founder & CEO
高校在学中に立上げた事業を売却。高校卒業後は、University of Southern Californiaに進学し、在学中の2015年に共同でMira Labsを設立、CEOに就任。
 

―iPhoneを使っているということですが、御社はヘッドセットの製造とソフトウェアの開発も行っているのでしょうか。

 「Brain」となるデバイスとして、ユーザーのiPhoneを活用し、当社はヘッドセットの開発、製造と販売を行っています。デバイスの「Prism Pro Hardhat」はヘルメットに装着可能で、防塵・防水仕様で、屋内だけでなく屋外でも使えます。また、専用のソフトウェアスイートの提供も始めました。現在は、産業界で実用的に使えるデバイスとソフトウェアをセットにし、エンドツーエンドで提供しています。

―ソフトウェアについて詳しく教えてください。

 主要ソフトウェアの一つが、ワークフローのガイダンスアプリケーションです。ユーザーは、当社のWebプラットフォームを使い、チェックリスト、トラブルシューティングガイド、作業構成やタスクリストなどを作成し、ARデバイスに組み込みます。現場で働く作業員が、ARデバイスを装着したヘッドセットを着け、タスクや作業手順のガイダンスに従いながら作業を進めることができます。作業はカメラで見守られ、ミスがあれば自動的に文書化され管理者に報告されます。管理者は、Webプラットフォームに集約される報告を確認し、作業員のヘッドセットの「画面」も共有することができるため、それぞれの作業員の作業状況を簡単に正確に把握できます。

 作業員が作業中にサポートが必要になった場合は、「Remote Expert」機能を使い、エキスパートのサポートを受けることができます。作業員が見ているヘッドセットの「画面」は共有可能で、エキスパートは「ここでこれを回して」と、作業員の「画面」に書き込みながら遠隔から指示を出せます。

軍用そして製造業での活用が世界的に進む

―御社の製品は米国外でも導入可能でしょうか、また、どういった分野で特に活用されていますか。

 そうですね、特に、軍用、化学製造、製薬、自動車製造、流通などで当社のARソリューションが注目されています。顧客は、米国だけでなくオーストラリアとヨーロッパにもいますし、日本の企業とも商談を始めたところです。

―日本市場ではどういった分野をターゲットに考えていますか。

 日本は、自動車製造業が特に強い国だと思いますので、日本の自動車メーカーに当社の製品を導入いただければと考えています。



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