IRL(In Real Life)は、人々が時間をともに過ごすことをサポートするソーシャルカレンダーだ。実際の行動に直結するIRLアプリは、広告収益モデルではなく、配車サービスUberの収益構造に近い。起業家およびエンジェル投資家として著名な、Scott Banister氏もFounderとして関わる同社。今回はCEO & Co-FounderのAbraham Shafi氏に話を聞いた。

人々の交流を促進。人生をより豊かにするためのアプリ

―IRLは何を目的としたアプリなのか教えてください。

 私は起業した1社目をエグジットさせた後、IRLを設立する前に、自分の人生を何に費やし、何を一番大切にしたいか考える時間を持ちました。その時に、人間にとって最も基本的な活動といえる「人とひとが時間をともに過ごす」際に生じるフリクション(手間)を、解決するアプリケーションがいまだにないことに気づきました。

 私は、人生は経験や体験が積み重なったものだと考えています。人びとの人生経験や体験を増やし、人生をより豊かにするお手伝いをライフワークにしたいと考え、私のメンターでありIRLの創設者の一人になってくれたScott Banister氏に相談しました。Scottは、Facebookに初期投資したエンジェル投資家でもあり、初期のPayPalの顧問および取締役だった人物です。彼もIRLに可能性を感じ創業を後押ししてくれました。

 IRLはフリクションをなくし、より簡単に、そしてより頻繁に多くの人が友人や家族と一緒に過ごす時間を持てるようにできるアプリです。

Abraham Shafi
IRL
CEO & Co-Founder
UC Berkeley在学中に、企業の雇用担当が求職者とのコミュニケーションツールとして活用できるソフトウェアを提供するgetTalentを設立、CEO/Chairmanを務めた。2014年に同社を求人サイトDice.comに売却。2017年にIRL (In Real Life)を共同で設立、CEOに就任。2018年には、スタンフォード大学で「entrepreneurship」をテーマに外部講師として講演を行った。

―IRLにはどういった機能があるのでしょう。

 複数人で一緒に行動するためには、各自のスケジュールを整理し、予定の調整が必要になります。そのツールとして、多くの人がカレンダーを使って行っています。カレンダーは、インターネット以前から幅広く使われていますが、デジタル化されたカレンダーはオプションが多すぎて使いづらく、カレンダーを使ったスケジュール管理は仕事っぽくて楽しくありません。私はカレンダーが大嫌いだったので、カレンダーをIRLの軸にすることに最初は抵抗がありました。しかし、だからこそ”Slackify”(楽しくする)して改善できる余地があると考えるようになったのです。

 IRLは、ソーシャルカレンダーです。まず、シンプルで美しいUIに必要な情報のみ含め、プライベートでも仕事でも、普段カレンダーを使っていない人も楽しく使いやすい“the best”カレンダーを作りました。このカレンダーでは、予定毎に共有、公開または非公開に設定することができます。そして、カレンダーにチャット機能を加えました。これは業界初の試みですが、とても合理的です。

 次に、カレンダーで期間と場所を指定、または所在地に従ってイベント情報等のインデックスを表示する機能と、ユーザーが興味をもったイベント等をフォローできる機能を加えました。イベント等の情報は、Ticketmaster(チケット販売会社)、Live nation(世界最大のコンサート検索エンジン)、Meetup(コミュニティ構築プラットフォーム)、Eventbrite(オンラインチケットサービス)と連携しています。

 他には、ユーザーの興味に合った情報のフィード機能もあります。イベント情報に加え、あなたがフォローしている人が公開またはあなたと共有したスケジュールもフィードされます。例えば、友だちがカレンダーに追加したイベントに自分も興味があれば、IRLで友だちとチャットし、参加申し込みも行うことが可能です。

既存大手SNSとは競合しないビジネスモデル

―IRLのビジネスモデルを教えてください。

 当社は広告収益モデルではなく、例えばグルーポンのように取引ごとに手数料を得るビジネスモデルです。IRLを使うということは、外食やイベントへの参加など目的があり、実際に出かける予定があるということです。そして、出かけるということはお金を使うということでもあります。ユーザーがIRLを通じてイベントに参加するとIRLにアフィリエイト報酬が入ります。従来のSNSのほとんどは広告収益モデルなので、SNSとしては新しいビジネスモデルですし、大手と競合しないことは当社にとって大きいです。

―日本のユーザーもIRLを使えますか。

 はい、使えます。日本国内の情報もフィードしています。ただ、日本語に対応していないので、日本ではまだあまり使われていません。IRLのiOS版をローンチしたところで、Android版やPC版は今後公開していく予定です。そして、機能面でも今後さらに充実させていきます。日本人は几帳面で、こうしたアプリを上手に活用するユーザーが多いので、日本語に対応すれば日本のユーザーも増えていくと考えています。



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