IndeniはITテクノロジーの発達に伴い、大きく拡がっていくインターネット回線内を快適にすることを目的としたネットインフラ解析プラットフォーム「Dynamic Knowledge」を提供している。顧客は、提供サービスを介するネットワーク回線内で起きる問題を事前に予測し、回線が遮断されるのを未然に防ぐことができる。今回はCo-founderでCEOのYoni Leitersdorf氏に事業内容や今後の展望を聞いた。

Yoni Leitersdorf
Indeni
CEO & Founder
2002年にイスラエル国防軍へ入隊後、5年間防衛技術開発に従事。退役後、2008年から2011年までイスラエル・オープン大学へ在籍し経済学の分野で学士を取得。2009年、同校に在籍中にIndeni社創設、CEOに就任。

ITインフラ環境を監視・問題を予測「Knowledge Platform」

―まずIndeniの事業概要について教えてください。

 モバイルデバイスの普及率が上がるにしたがって、インターネットを通してさまざまなサービスが消費者へ提供されるようになりました。それらのサービスを利用することで消費者は直接店頭へ足を運ぶ必要がなくなり、自宅にいるままでもさまざまなサービスを利用できるようになりました。

 しかし、それは同時にインフラ環境がより複雑化し、不安定なものへと変化していっていることを意味します。その不安定なインフラ環境はよりITサービスの提供を難しいものに変えていくのです。私たちは、このような複雑化したITインフラ環境の中でも全ての事業会社が安心してITサービスを提供できるようにインフラを常に監視し、問題を予測して事前に知らせてくれるサービスを提供しています。

―このプラットフォームの機能についてもう少し詳しく教えてください。

 どのような機能を中心にこのプラットフォームを開発するかというのは、創業時に一番注力していた点です。さまざまな問題がITインフラ環境内で起きている現在、どのような問題の解決が一番価値があるかをまずは考え、その結果現在のサービスモデルの仕様に落ち着きました。

 このモデルを開発するにあたり、最初に考慮したのは「扱うデータの種類」と「データ量」でした。そして最終的に顧客のサービス内でやりとりされる全てのトランザクションを24時間、365日監視し、集めた全てのデータを分析する仕組みを構築しました。膨大なデータが常に飛び交うインフラ環境を整えるには、このシステムが一番効率が良いという結論に至ったからです。

 さらに、このシステムから得た情報を過去のデータと比較することで、どのような問題が起きるかを予測し、顧客に対して伝達することが可能となりました。顧客は、実際に過去に発生した問題事例やそれに対するソリューションをあらかじめ把握しておくことで起きうる問題に対してあらかじめ対策を講じることができるわけです。

―どのようにマシンラーニングを活用しているのですか?

 「マシンラーニング」は問題となりうる要素を検出するために利用しています。ITインフラ環境内でのデータが行き来するパターンは顧客によって異なるので、着目すべき要素も異なります。なので、私たちはマシンラーニングを利用し、それぞれの顧客に適した形で問題要素の検出を図っているのです。

―主な顧客はどのような企業になるのでしょうか?

 金融、小売、通信関係の会社や、政府系機関などです。いずれもインターネット回線で異常が発生すると、大きな損失に繋がる可能性が高い業種をターゲットに、私たちのプラットフォームを提供しています。顧客に最高の状態のITインフラ環境を利用していただくことが目標です。

ネットインフラから大手のサービスを提供を全面サポート

―競合と比較した際の強みは何でしょうか?

 競合他社と比較して3つの主要な差別化要因があります。1つ目はシステムに利用しているプロトコル (通信での送受信の手順を定めた規格)が他社のサービスと弊社のプラットフォームでは異なっています。ほとんどの競合他社は、SNMPと呼ばれる非常にシンプルですべてのデバイスに対応しているプロトコルを利用しているのに対して、私たちはスマートフォンならスマートフォンに特化したもの、タブレットならタブレットと、それぞれのデバイスに特化したプロトコルと併用しています。理由としては、まずSNMPは私たちが一度に収集するデータ容量に耐えられないことと収集できるデータの種類が限られてきてしまうからです。

 2つ目は、導入に際しての手間を省いたことです。競合他社のソフトウェアを利用する場合、顧客はさまざまな設定する必要があります。しかし、私たちのサービスを利用するにあたりそれらの設定の変更やレポートの作成は一切必要ありません。

 3つ目はやはり、24時間体制でネットワークを監視できるこのプラットフォームそのものが他社との大きな違いであり、強みだと思います。先ほども申し上げた通り、インフラに異常をきたすことが大きな問題につながる業種の方々はこの強みに一番価値を感じてくれていると思います。

―売上はどのように得ているのでしょうか?

 年間サブスクリプションまたは永久ライセンスと二年目以降よりかかるサービス料になります。月額ではなく年間サブスクリプションにしているのには理由があります。このプラットフォームはより多くのデータを蓄積することで問題の索敵能力が飛躍的に向上するようになっています。顧客の方々には、多くのデータを集めていただき、このプラットフォームを常に最高の状態で利用していただきたいのです。

―顧客との連携事例を教えてください。

 富士通などのITサービスプロバイダーには、彼らの管理するユーザーのネットワークに潜む問題の発見・予測のためにプラットフォームを利用していただいています。それらの顧客が常にITインフラ環境を整えることでユーザーに対してより信頼性の高いインフラ環境を提供できるのです。このように私たちはIT業界の全ての企業に良い影響を与えています。

 ITインフラ環境を管理するサービスを提供する顧客は、わざわざその他のインフラ環境を管理をする第三の企業を介入させる必要はなくなりました。

 その他の事例では、世界最大手のクレジットカード会社2社が、私たちのプラットフォーム利用しています。クレジットカードの提供は信用が生命線です。ネット環境は基本的に堅固なものでなければいけないのです。彼らはより安心してユーザーがクレジットカードを利用できるように常にネットインフラを監視し、問題発生を防いでいます。

軍隊での経験から生まれたビジネスモデル

―起業の経緯を教えてください。

 まずは、私自身の経歴からお話しします。私は物心ついた6歳の時に兄のお下がりのコンピューターを使ってコーディングを始めて、12歳で簡易的なソフトウエアを開発、15歳ですでに両親が稼ぐお金の約3倍のお金を稼いでいました。高校を卒業したあとすぐにイスラエル軍へ入隊し、8200部隊というアンテナを利用した索敵を主な業務とする部隊に配属になりました。当時、それまでに利用されていた旧式のアンテナを利用して敵の信号を傍受する方法は、すでに汎用性を失っていた為、新しい方法を探る必要がありました。私は、5年間を費やして新たな索敵用のソフトウエアを開発しました。そのソフトウエア開発中に、現在のIndeniのプラットフォームの原型となるアイデアを考案しました。

―今後の御社のビジョンをお聞かせください。

 IT業界を中心に、このプラットフォームの提供を進めています。なぜなら、今後よりITインフラ環境が様々な業種のサービスにとって重要なものになると確信しているからです。

 たとえば、最近の大きく普及率をあげているIotデバイスなどはすでに私たちのサービスを提供する上で外せない市場の一つとなっています。IotデバイスはITサービスよりもよりユーザーそれぞれより深くプライベートのデータ収集して節電したり、健康状態を監視し、病院に通報したり、救急車を呼び出したりするわけで、そこに一つでも問題があれば、そのデバイス自体の存在意義が問われることになります。ですので、そのような危機的状況を未然に防ぐために安定したITインフラ環境を整える必要があるのです。さらに、ビットコインやブロックチェーンの登場で盛り上がりを見せている金融業界もとても興味深い分野です。それらの業種が安全にサービス提供できるインフラ環境を整え続けることが将来へのビジョンであり、私たちのミッションです。



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