HyperTrackは、アプリ専用の位置追跡システムを開発、提供する企業だ。これまで個別のプラットフォームで扱ってきた位置情報、データ管理、分析機能を統合するシステムにより、生産効率性向上に貢献する。今回は、同社のCEO、Kashyap Deorah氏にインタビューした。

Kashyap Deorah
HyperTrack
CEO
インド工科大学を卒業後、インドで決済アプリ開発会社などを創業。渡米後は、決済アプリのOpenTableやOski Technologyに経営陣として参加後、2016年にHyperTrackのCEOに就任、現在に至る。

多くのユーザーや従業員の位置追跡を容易にする、画期的なサービス

―御社のビジネスモデルについて教えてください。

 HyperTrackは、アプリ専用の位置情報追跡システムです。ユーザーの許可のもと、その位置情報を追跡したいと考えるアプリ開発会社は多いと思いますが、彼らが自分でそのインフラを構築するのは大変です。我々なら、ほんの数分で、希望のアプリに追跡機能を追加することができます。

 顧客やユーザーではなく、従業員の位置情報を追跡したい、という企業もいます。販売やサービス業、配送業、タクシーやトラック運送業関連企業ですね。当社の顧客にも、非常に多くなっていますが、そういった企業の場合、従業員の位置情報や移動コースを知ることにより、生産効率性を上げることができるのです。

―取得した位置追跡データの分析も可能ですか?

 はい。HyperTrackが搭載されたデバイスの所有者がどこに行ったのか、滞在時間はどのくらいか、どのようなルートをとったのか、など、さまざまな情報を分析することができます。

―ターゲットはどんな業界ですか?

 運送や物流であれ、また商品やサービス、そして従業員であれ、とにかく商業的な価値のあるものの移動を追跡するのがHyperTrackですから、商品価値のあるものを運搬するすべての企業、だということができますね。ただ、デバイス数が100以下の企業では、当社のメリットを感じにくいと思います。数百から数千単位に拡大していこうとする企業が、最も当社サービスの価値を感じていただける規模だと考えています。また、当社はデータのプライバシーやセキュリティに真剣に取り組んでいますので、データ保護を重視する顧客が望ましいですね。

地図、位置追跡、分析が三位一体となった総合管理サービス

―具体的な活用例を教えてください。

 最も多い事例の1つが、注文商品を追跡する、というケースです。食品や日用品の配送アプリを運営している企業で、そのリアルタイムの位置情報を知りたい、という顧客が多いですね。他には、従業員の位置を知りたい、という場合。営業スタッフが得意先を訪問したのかどうか、それがいつなのか、滞在時間はどれくらいか、といったことを把握できます。あとは、運送業の場合ですと、従業員が自分の走行距離を知るのにも便利ですね。いずれの場合でも、マネジメント業務を完全に自動化することができます。

―位置情報などを扱う企業は多いと思うのですが、他社にはない、独自の強みは何でしょうか?

 現在、アプリのデベロッパー各社が位置追跡データを構築するとなると、まずはアンドロイド、もしくはiOSのスマートフォンの位置情報を利用することになります。それから何らかのサービスを使って、そのデータを管理します。最後に、マップ上での表示やデータ整理にはGoogle MapやMapboxのようなAPIをそれぞれ使っています。これらの作業には、それぞれ別のスキルが必要なので、対応できる人材育成には時間がかかります。しかも、いずれのシステムも絶えず進化を続けていますから、最新の状態を維持するのは至難の業です。

 HyperTrackを活用していただければ、そのような悩みは一掃されます。すべてのインフラは当社が管理します。スマートフォン管理システムやクラウド、地図テクノロジーといった課題を総合的に扱うソリューションは当社独自の技術であり、それがHyperTrackの強みです。追跡、管理、分析のプラットフォームすべてを扱っているのは、当社だけですから。

生まれながらのグローバルサービスで、世界中のアプリに信頼される企業へ

―Deorahさんの起業の経緯は何だったのでしょうか。

 私はeコマース業界出身です。そこで、eコマースというのはオンラインとオフラインのビジネスが共存していると知りました。特にUberが出てきてからは、同社のスタイルが1つのビジネスモデルとなりました。オンラインとオフラインのハイブリッドが進み、その大部分を占めるオフラインの世界がデジタル化しています。その中で、解消すべき重要な問題は何だろう、と考えた時、その1つが位置追跡だったのです。Uberもまた多額の資金を投入してそのテクノロジーを構築しています。しかしUberのシステムは、Uber専用のものです。他にもいくつかの企業が同様のシステムを作っていますが、いずれも自分たち専用のものです。そこで、我々は、誰でも使える、オープンな位置追跡システムを作ることにしたのです。

―海外市場への進出については、どのように考えていますか。

 当社はリリース当初からグローバルなサービスを展開してきました。スマートフォンとデジタル地図さえあれば、HyperTrackはどこでも機能します。世界120カ国のデベロッパーが、自社アプリに当社製品を搭載しています。我々は、構想当初から位置追跡はグローバルな問題だととらえてきました。日本もまた、早い時期からデジタル技術を導入してきた国ですね。ですから、日本の企業でも、位置追跡システムを導入することで、効率性と生産性アップを期待できると思います。

―日本企業とのビジネスも視野に入っているのですね。

 今はまだ、日本企業との取引はありませんが、大手企業のベンチャー部門2社から声をかけていただいており、話を進めています。今後は、日本で位置追跡サービスのユーザー獲得を支援してくれるような、少数の、主要企業と提携したいと考えています。多くの従業員の位置情報を追跡したい、と考える企業などですね。

―最後に、御社の将来的な展望についてお聞かせください。

 私は、HyperTrackは次世代の位置情報サービスだと考えています。今後、世界中のアプリが現行の位置情報サービスをアップグレードするかたちで、位置追跡サービスを搭載することになると思います。そうなれば、ビジネス効率や顧客体験はさらに向上します。その中で、HyperTrackは、あらゆるアプリに信頼してもらえるような、世界向けの位置追跡プラットフォームとして確立していきたいと思っています。



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