Image: HAAS Alert
HAAS Alertは、緊急車両の接近や工事現場情報など、道路状況の変化をいち早くドライバーに通知し、事故を未然に防ぐためのプラットフォームを提供する企業だ。今回はCo-founder & CEOのCory James Hohs氏に話を聞いた。

Cory James Hohs
HAAS Alert
Co-founder & CEO
デポール大学でコンピュータ科学、経済などを学ぶ。卒業後は複数企業で生産管理などに携わり、NOKIA Here Mapではコミュニティマップとプラットフォームのシニアプロダクトマネジャーを経験。2015年にHAAS Alertを共同設立、CEOに就任。

緊急車両とドライバーを事故から守る、接近車両通知システム

―まずは御社のビジネスについて教えてください。

 我々は携帯無線通信を使ってドライバーに緊急車両の接近を通知するサービスを提供しています。道を急ぐ緊急車両が事故の原因になってしまうことは少なくありません。実際、救急隊や消防隊の死傷事案を見ると、移動中の事故が最多なんです。私自身、危うく救急車にはねられかけたことがあります。そこで、自動車同士が通信し合える方法はないかと模索したのです。

 具体的には、緊急車両の赤色灯にトランスポンダー(中継装置)を取り付け、当社のアプリケーションを搭載した車両のドライバーに接近を通知します。1マイル先、やろうと思えば50マイル先からでも送信できますから、ドライバーがサイレンやライトに気づいてから対応するのと比べて、事故の危険性を60〜90%を削減します。

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―自動運転車への応用も期待できますね?

 そうですね。まだ具体的にはお話しできませんが、複数のメーカーとも話が進んでいます。

―どのようなビジネスモデルを採用しているのでしょうか。

 今は2つの側面からビジネス運営しています。まず1つは消防署や警察署と取引し、ライセンス供与という形で、車両に当社のシステムを搭載してもらっています。時には、市と契約することもあります。そしてもう1つは情報の受け手側となる乗用車のメーカーや自動運転車メーカー、ナビゲーションシステムのプロバイダに、受信用アプリケーションのライセンスを供与しています。

Image: HAAS Alert

―需要の大きなサービスだと思いますが、やはり競合も多いのでしょうか?

 我々の競合というのは、やはり赤色灯やサイレンのメーカーになると思います。彼らも、ドライバーに効率的に緊急車両の接近を伝えるための製品を作っているわけですから。あとは、ナビゲーションアプリなんかもライバルといえます。ただ、面白いのですが、一度は競合となった相手が、顧客になることがあるんです。

 たとえば、赤色灯のメーカーが当社のプラットフォーム搭載型に切り替えるとか。そうなると、パートナーシップを結ぶことになるので、一緒にエコシステムを構築していく仲間になるわけです。

 なので、実際の商売敵というのは、進歩し続けるテクノロジーそのものということになりますね。世の中の動きというか。特に、世界的な規模で考えれば、国によってセルラー技術や5Gのタイプなんかも違いますから。ただ、当社のサービスはドライバーの安全を守る技術であり、市や信頼できるベンダーと力を合わせていくことが前提なので、テクノロジーの変化に関わらず、必ず需要やソリューションはあると確信しています。

「シートベルト並みの標準装備」を目指し、世界へ発信

―日本など、海外展開も視野に入っているのでしょうか?

 もちろんです。実際、当社のソリューションはグローバルに運用可能なものです。すでに、中東やヨーロッパでパイロット版の開発を検討中です。アジアでも、特に日本は東京オリンピックを控えているので、新しいテクノロジーを大勢の人に知ってもらい、日本の投資家やビジネスパートナーと出会う機会でもあります。今が、日本でイノベーションを生む絶好のチャンスだと思っています。

―御社の将来的なビジョンを教えてください。

 ゆくゆくは、どの車にも標準装備として当社のシステムが搭載されるように、と考えています。今、新車には必ずエアバッグやバッグガイドモニターがついていますよね。衝突防止のセンサーやカメラなんかもありますが、緊急車両接近の観点から見ると、コストがとてもかかります。

 また今、サイレンやライト、あるいは工事現場に気づいたドライバーがリアクションをとるのに2.6秒かかると言われています。我々のシステムなら1マイル先から接近を知り、時間をかけて対応することができます。

 緊急車両接近通知システムが、シートベルトのように標準装備されるを目指し、これからも全力を尽くしていきます。

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