個人のプライバシーを守りながら信用力を証明する、新時代のIDサービスを提供する「GlobaliD」

個人のプライバシーを守りながら信用力を証明する、新時代のIDサービスを提供する「GlobaliD」

Blockchain / Silicon Valley / Startup / GlobaliD
2019-01-31 04:55
2016年に設立されたGlobaliDは、個人情報を開示せずに信用力を証明する、固有ID付与サービスを提供するスタートアップ。今回はCo-Founder&CEOのGreg Kidd氏にインタビューした。
Greg Kidd
GlobaliD
Co-Founder&CEO
イエール大学でMBAを取得後、複数の企業でアナリストやコンサルタントとして勤務。2013年から2年間、RippleでChief Risk Officerを務めたのち、2016年にGlobaliDを共同設立、CEOに就任。

プライバシー保護と信用力を両立させるID登録サービス

―まずは、御社のサービス内容を教えてください。

 私たちは、世界中のすべての人に専用の身分証明IDを付与するため、独自のサービスを提供する企業です。IDを国や企業が所有するのではなく、各個人が所有し、あらゆる場面で利用できるようにしたいと思っています。

 皆さん、TwitterやSkypeで専用のIDを作ると思いますが、それと似ています。異なる点は、そのIDで様々なサイトなどの決済から認証まですべて完了するので、いちいちパスワードやカード番号などを入力せずに済む点です。携帯電話さえあれば、円だろうがビットコインだろうが、どんな形の決済でもすぐにできるというわけです。

―御社のプログラムでIDを作れば、その後ユーザ名やパスワードをいちいち入力しなくても良いということですか?

そうです。QRコードをスキャンするだけで、航空券を購入、その場で決済することもできます。

―それは便利ですね!ユーザ側には非常に使いやすいですが、企業側にもこれを導入するメリットはあるのでしょうか。

もちろんです。今、インターネット上で商品を販売する場合、決済はVISAやMastercardなどが使われていますが、これがほとんど手数料なしのダイレクト決済になりますから。カード会社と銀行を通すより、速くて安いサービスになる、というわけです。

―サービスの流れをもう少し具体的に教えていただけますか?

 まずは氏名などの情報をご登録いただき、GlobaliDを取得していただきます。すると、ディレクトリにID所有者名とそれぞれの信用度が表示されます。

 信用度とは、電話番号や銀行口座、政府発行IDが認証登録されているかどうか、といったことです。実際の電話番号が何番か、といった個人情報が表示されることはありません。つまり、プライバシーを明かすことなく、自分の信用力を示すことができるという、いわゆるゼロ・ナレッジ・プルーフです。

―ゼロ・ナレッジ・プルーフですか?

 個人情報を明かすことなく、個人のステータスを証明する、ということですね。どこの銀行の、どういった口座、ということは明かさず、「銀行口座がある」ということだけを示すわけです。

 登録していただいたGlobaliDのユーザは、専用のホットウォレットを使って送金のやりとりなどを行います。銀行口座への送金の場合、相手の銀行や口座番号を知らなければ送れませんが、ウォレットなら名前さえ分かればいいわけです。自分のプライバシーを相手に伝えずに、取引ができます。しかも、信用力自体は保証されていますから、プライバシーと利便性を両立できるのです。

―今のところ、どのような業界をターゲットにしていますか?

どんな業界でもいいと思うのですが、今はまずデジタルウォレットやカードを扱っている企業ですね。

匿名性による不透明さに疑問感じたCEOが生み出した、新時代のサービス

―画期的なプログラムですが、どのようにしてこういったビジネスにたどり着いたのでしょうか。

 私は以前、Ripple社にいました。Rippleの台帳は匿名性が高く、どのユーザがどれだけの資産を持っているか、ということは分かったのですが、肝心のそのユーザの特定ができず、不透明な情報が非常に多かったのです。

 そこで、便利なシステムやプライバシーはしっかり守りながらも、個人の特定や信用力についてはしっかり高めていけるシステムを作ろうと思いました。

―それだけの情報を抱えると、セキュリティの問題も重要になりますね。

個人の情報はすべて暗号化され、各々の携帯電話に保存されます。スマートフォンに指紋を登録するようなものです。外に公開される情報は、あくまで「銀行口座認証済み」「電話番号認証済み」といったステータス表示に限られますので、なりすましやスパムなどの心配はありません。

個人情報をユーザ自らが管理する時代へ、けん引役を目指すGlobaliD

―日本進出についてはどのように考えていますか?

 とても興味深く思っています。我々が最初に出した商品の1つが、デビットカード関連のものでした。各種ポイントやロイヤリティを一括管理、利用、換金できるといったサービスです。これは日本ならではのものでした。

 GlobaliDはその名の通りグローバルですから、世界中のどこにいても、もちろん日本の方もサインアップできます。円だろうと、ドルだろうと、仮想通貨だろうと、どんな通貨を持つこともできます。株などの資産を保有することもできるでしょう。

―最後に、御社の将来的な展望についてお聞かせください。

ゆくゆくは、すべての人が自分の携帯電話やカードに自分の情報を持ち歩き、自分の手で管理できるようにしたいですね。自分の財務情報や資産情報を自分で把握し、利用したり、誰かに共有したり。いつかは医療情報や選挙なんかもこれ1つでできたらいいですね。これが私のビジョンです。

設立 2016年
事業内容 あらゆるシーンで利用可能なデジタルID付与サービスを提供
資金調達額 $6.0 million (2019年1月現在)
従業員数 10人以上
拠点 San Francisco, California
URL http://www.GlobaliD.net/
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