FreightWavesは、貨物運送業に特化した情報を提供する“貨物版ブルームバーグ”とも言われているスタートアップだ。今回はCEOのCraig Fuller氏にインタビューした。

Craig Fuller
FreightWaves
CEO
ベイラー大学で経営学を学ぶ。父親の経営するUS Xpress Enterprisesで役員を務めた後、金融関連企業のCEOなど、さまざまな経験を重ね、2016年にFreightWavesを設立してCEOに就任。

世界の貨物運送市場のニュース、データを提供

―まずは御社のサービス内容について教えてください。

 当社は、世界の貨物運送市場に関連するニュースやデータを提供するメディアコンテンツ企業です。あらゆるソースや協力会社、業界関係者からデータを集め、いま市場で何が起きているのかをお伝えしています。その業態から、我々を“貨物版ブルームバーグ”と呼ぶ人もいます。

―すると、主要ターゲット層は物流企業など、貨物運送業を利用する企業になりますか?

 そうですね。日本でいうヤマト運輸のような企業がメインターゲットになります。ただし、いまはアメリカ国内の貨物運送企業に注力しています。

―なるほど。あらゆるソースからデータを集めるとのことですが、どのようにして行うのでしょうか?

 ソースとなるのは、IoTデバイスやコンピュータシステムでデータ管理する運送会社が多いですね。そのデータを匿名化し、整理します。たいていの場合、データが体系化されていないので、整理し、インデックス化してシステム上で公開しています。

―具体的にどのような情報を扱っているのでしょうか?

 どこにどんな需要がどれくらいあるか…といったことですね。他にも地図や天気、支払いや保険、燃料消費など貨物輸送に関するあらゆるデータになります。

―御社独自の強みは何ですか?

 ブルームバーグは金融市場を扱い、金融為替にかかわる企業向けに株や債券などに関する情報を提供していますが、当社はそれと同じことを貨物運送業界に向けて行っています。これは、当社ならではのサービスなのです。

自動運転車の登場により、貨物運送業界はデータ新時代へ

―どのようにして収益を得ているのでしょうか?

 我々はSaaS企業として、サブスクリプション制をとっています。現在、約500社のクライアントとサブスクリプション契約を結んでいます。

 いずれの企業も分析データやニュースを活用し、ドライバーへの給与支払い方法からトラックの配置、そして貿易に関する世界経済の動向を知るなど、それぞれの業務に生かしていただいています。

―御社でのデータ分析にはAIなども用いるのでしょうか?

 そうですね。機械学習やAIは活用しています。だからこそトラックを必要とする顧客に関する情報や、トラックがどこに向かっているのか、価格はいくらか、いま利用できる状態か否か、市場に何台のトラックがあるのか、ということもわかるのです。需要データを見れば、アメリカ経済の現状や短期的な市場の動向を知ることもできます。

―自動運転車の登場など、これから市場に変革が起きることも予測されますが、どのように対応していきますか?

 自動運転車というのは、多くのデータによって成り立つものです。データによって行き先やルート、トラックの配置などが決まりますから、今後ますます情報が重要になってくるでしょう。また、自動運転車が普及すれば、そこから新たに大量のデータが生まれます。我々は運送業界において、ニュートラルなポジションにいますから、企業にとって安全なパートナーと言えます。我々は業界内の垣根を越え、あらゆるデータにアクセスすることができますから。当社のAPIも汎用性が高く、多くの企業に活用していただけるはずです。

―今はアメリカを中心に事業展開していますが、今後世界へと拡大していく方針ですか?

 ぜひそうしたいと考えています。最近ではオーストラリア、ロンドンにオフィスを開きました。

 日本にも展開したいですね。日本は島国なので、他の国と比べてもはるかに貿易の重要度が高いですから。日本の貨物運送関連企業の情報を欲しがる欧米企業も多いでしょうから、データを供与していただくことによってマネタイズにつなげることもできます。逆に、我々が提供する情報により、世界市場について、より深いインサイトを得られるようになります。

―では、最後に御社の将来的なビジョンを教えてください。

 貨物運送業界でデータが重要視されるようになってきたのは、ごく最近のことです。今、世界は急速に「つながる」ようになってきていますが、それは今後も加速していくでしょう。企業は今以上に市場の動きに敏感でいなければなりません。競争力を保持するには、より多くのデータにアクセスしていくことがカギになります。

 我々は、企業が体系的なデータや分析にアクセスし、市場の現状を把握できるよう、支えとなるプラットフォームでありたいと思っています。



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