パンデミック中、外にも出れず余暇の大部分を家で過ごした人も多いだろう。筆者もその1人だが、今回取材したForeVRはそこをビジネスチャンスと捉え、コロナ禍に立ち上がったスタートアップである。創業から1年足らずで850万米ドル(約10億円)もの資金調達に成功したForeVR社CEOのMarcus Segal氏に話を聞いた。

今と昔の融合。誰もが知るゲームをVRで

――ForeVRの提供している商品について詳細を教えてください。

 ForeVRは立ち上がったばかりのVRゲーム企業です。マスマーケット向けゲームをVR型で提供するというミッションのもと、2020年7月にパンデミックの最中にローンチしました。

 ゲーム業界ではVR自体が比較的新しいテクノロジーですが、老若男女誰でも遊べるようなゲームを開発したかったので、実世界に存在するゲームをVRにすることが目標です。誰もが知っているようなゲームをよりソーシャルにして提供したいと思っています。

Marcus Segal
ForeVR
CEO
ペパーダイン大学​​グラジアディオビジネス・経営学院でMBAを修得後、Zynga Games社でCOOを務める。6年ほどスタートアップやゲーム関連企業のメンターを務め、ベンチャーキャピタル関連業務にも携わった。2020年にForeVRを立ち上げ、CEOに就任。

 子供の頃に、他の友達とリビングで遊んだようなビデオゲームを今度はVRで遊べるように、といった感じです。VRの場合、場所を問わないので、カリフォルニアにいようと、東京にいようと関係ありません。いわば、eスポーツの精神的な後継者のような存在になりたいですね。

 私たちの企業名「ForeVR」(フォーエバー)も、末長く遊んでもらえるようにとの気持ちを込めて名付けています。なるべく長く遊んでもらえるようにするのが私たちのミッションです。

――パンデミック中に立ち上げたそうですが、どうしてそのタイミングを選んだのですか。

 私は、日本の「生きがい」という概念が好きで、私にとっての生きがいはなんだろうと考えたときに、人々をつなげるエンターテインメントを開発することだと感じました。

 自身のキャリアを振り返ったときに、私はいつでも人々が楽しみながらつながれるようなテクノロジーや製品を開発してきて、それ自体が私に幸せをもたらしてくれたことを思い出します。

Image: ForeVR

 パンデミック中、皆が誰かとつながりたいと切望していた時期でしたので、このように人々が一つになれるようなタイミングはもう二度とないだろうと思いました。

 ただ、パンデミック中の起業ということもあり、人材の採用やデモをオンラインで行う難しさもありましたし、資金調達にも苦労しました。

可能性を秘めたVR業界でこれからもゲームを作り続ける

――VRのどんな点が魅力だと思いますか。

 VRは、没入感があり、まるでその場にいるような体験ができます。PS5のようなビデオゲームで遊んでいると、目の前のスクリーンに作られた世界観がありますが、ヘッドセットを着けるとその世界観の中に入り込むことができるのです。月でボーリングをしたり、水中に潜ったり、崖っぷちに立って恐怖で足がすくむ体験なども、現存のゲームコンソールでは実現できないことが体験可能となります。VRにはそのような完全な没入感という利点があります。

Image: SFIO CRACHO / Shutterstock

 私たちの作るゲームは非常に質が高く、トリプルAグレードです。プレイヤー同士で結びつくソーシャルなつながりを維持するため、技術投資も行っています。ユーザーにとってはそこが魅力で、私たちを他と差別化する点ではないでしょうか。

――今後ゲーム業界はどのように進化すると思いますか。

 ゲーム業界は非常に大きく、音楽やTV、映画業界を全て合わせても足りないくらいだと思います。ゲームは、これから私たちの普段の生活の一部となり続けますし、より多くの時間が「遊び」に充てられるのではないかと思います。小さい頃は遊んでばっかりで親に怒られた経験がある人が多いかと思いますが、大人になると遊ぶことの楽しさを忘れてしまいます。

 技術的には、次の5年ほどでVRやARのより一層の普及を期待しています。今は主にOculusが大手ですが、SonyやAppleも類似する製品を準備しています。従って、次の数年で急成長するのではないかと見込んでいます。

世界中のどこにいても、誰とでも簡単にVRボーリング!日本語でも提供中

――今後の目標を教えてください。

 現在はとにかく新しいゲームを追加することに集中し、人々同士を繋げられるようソーシャルな側面に技術投資を行なっています。ヘッドセットを装着し、その世界に丸ごと入り込むことで、その世界で友人を増やしたり、友人と待ち合わせしたりできるような体験を提供したいと思います。

 そのためにも、世界中のユーザーにリーチできるような企業とコラボレーションできればと思います。中でも日本という市場は、私たちの進出したい市場のトップに入っていますし、現在提供しているゲームも日本語で遊ぶことができます。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

 私たちのゲームは、日本語を含む22ヶ国語で提供していて、Oculusがサポートされている環境全てでローンチしています。現在も新しいゲームを開発中ですので、まずはForeVR Bowlで友人や家族とボーリングをして遊んでみてください。私たちはこれからも、みんなが知っているようなゲームをVRで提供し、楽しく繋がりながら遊べるようにすることが会社の目標です。



RELATED ARTICLES
QPIベースのマイクロディスプレイでモバイルユーザーの視覚情報を増やすOstendo
QPIベースのマイクロディスプレイでモバイルユーザーの視覚情報を増やすOstendo
QPIベースのマイクロディスプレイでモバイルユーザーの視覚情報を増やすOstendoの詳細を見る
リアルな裸眼3Dディスプレイ技術で、デジタルコミュニケーションを豊かに―Leia
リアルな裸眼3Dディスプレイ技術で、デジタルコミュニケーションを豊かに―Leia
リアルな裸眼3Dディスプレイ技術で、デジタルコミュニケーションを豊かに―Leiaの詳細を見る
ゲーム界のレジェンドたちが選んだフロンティア「Theorycraft Games」。1万時間以上没頭できるゲーム提供を目指す
ゲーム界のレジェンドたちが選んだフロンティア「Theorycraft Games」。1万時間以上没頭できるゲーム提供を目指す
ゲーム界のレジェンドたちが選んだフロンティア「Theorycraft Games」。1万時間以上没頭できるゲーム提供を目指すの詳細を見る
小売業界の技術トレンドが把握できる「Retail Tech Trend Report」を発刊
小売業界の技術トレンドが把握できる「Retail Tech Trend Report」を発刊
小売業界の技術トレンドが把握できる「Retail Tech Trend Report」を発刊の詳細を見る
ゲームがうまくなる方法を助言。700万人が利用するパーソナルゲームアシスタントMobalytics
ゲームがうまくなる方法を助言。700万人が利用するパーソナルゲームアシスタントMobalytics
ゲームがうまくなる方法を助言。700万人が利用するパーソナルゲームアシスタントMobalyticsの詳細を見る
イスタンブール発のCY Vision。自動運転車に拡張現実を映し出す技術で日本市場を次のターゲットに
イスタンブール発のCY Vision。自動運転車に拡張現実を映し出す技術で日本市場を次のターゲットに
イスタンブール発のCY Vision。自動運転車に拡張現実を映し出す技術で日本市場を次のターゲットにの詳細を見る

NEWS LETTER

世界のイノベーション、イベント、
お役立ち情報をお届け
全員にオープンイノベーション
ガイドブックもプレゼント


    世界テックトレンドから
    イノベーションを加速する。
    テック・イノベーション情報ポータル
    BLITZ Portal
    社員の声でイノベーションを効率化する
    アイデア管理プラットフォーム
    q-ideate

    Copyright © 2021 Ishin Co., Ltd. All Rights Reserved.