近年世界的に、食品ロスへの懸念が高まるとともに代替食品への需要が拡大しています。その背景には、地球上の人口増加にともなう食糧不足に対する危機感、環境保全、健康に対する意識の高まり、上記を理由としたベジタリアンやヴィーガン人口の増加、動物のウェルビーイングなどさまざまな要素が複雑に絡み合っていると考えられます。消費者の意識の変化やニーズを敏感に察知し、昨今、小売・外食産業でもたくさんの選択肢が提供されるようになってきました。代替食品市場は、単なる流行にとどまらず、今後ますます活況を呈していくものと予想されます。今回は、フードテックに関連するテーマを12に分けて、テーマごとに代表的なスタートアップを紹介します。

※本記事はTECHBLITZが配信した「Food Tech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらもしくは本記事末のフォームからお問い合わせください。

<目次>
消費者の意識やニーズが大きく変化
フードテック、12の注目カテゴリー
1. 代替肉
2. その他代替食品
3. 3Dプリンティング
4. 食品廃棄物削減ソリューション
5. アップサイクリング
6. 昆虫食
7. 食品用パッケージ
8. トレーサビリティ&フードセーフティ
9. 商品開発&フードサイエンス
10. 健康維持・増進サービス
11. ミールキット
12. クラウドキッチン/ゴーストキッチン

消費者の意識やニーズが大きく変化

 近年世界的に、食品ロスへの懸念が高まるとともに代替食品への需要が拡大しています。その背景には、地球上の人口増加にともなう食糧不足に対する危機感、環境保全、健康に対する意識の高まり、上記を理由としたベジタリアンやヴィーガン人口の増加、動物のウェルビーイングなどさまざまな要素が複雑に絡み合っていると考えられます。消費者の意識の変化やニーズを敏感に察知し、昨今、小売・外食産業でもたくさんの選択肢が提供されるようになってきました。代替食品市場は、単なる流行にとどまらず、今後ますます活況を呈していくものと予想されます。

 また新型コロナウイルスのパンデミックとそれにともなうロックダウンや外出自粛も、消費者の行動に大きな変化をもたらしました。健康的な食事への意識が高まると同時に、ミールキットや食料品の宅配サービス、飲食店でのピックアップサービスが一気に普及したのは周知の通りです。

フードテック、12の注目カテゴリー

Image: Food Tech Trend Report

1.代替肉

 人口増加と食料不足、環境保全(水使用量、土地の枯渇、温室効果ガスの排出)、健康(乳製品やグルテンアレルギー、畜産のプロセスで投与されるホルモン剤や抗生物質の間接摂取)、動物のウェルビーイングなど、さまざまな理由から代替肉への注目が高まっています。この分野は、植物性の材料を用いて肉の食感や風味を再現する方法と、牛や豚の細胞から食肉を培養する手法に二分されます。

Impossible Foods
本物の肉を再現した植物由来バーガー
所在地 Redwood City, California, US
創設年 2011年
資金調達額累計 $1.6 B / Series G
出資者 Bill Gates, Khosla Ventures, GV, UBS, etc.
URL https://impossiblefoods.com
大豆やじゃがいもを主な原料とした100%植物由来肉を生産、ハンバーガー用のパテなどを提供。本物に限りなく近い肉を実現すべく、人々が肉に求める要素である風味、食感、ジューシーさを追求。大豆由来のレグヘモグロビンと呼ばれる成分を用いて、「血を含んだ肉汁」も再現している。ファストフードチェーンと提携する他、スーパーマーケットなどで商品を展開。
Image : Impossible Foods HP
Aleph Farms
実現が難しかったステーキ肉を開発
所在地 Ashdod, Israel
創設年 2017年
資金調達額累計 $14.4 M / Series A
出資者 CCargill, New Crop Capital, The Kitchen - FoodTech Hub, etc.
URL https://aleph-farms.com
健康な牛の細胞を成長させ、ステーキと同じ組織を形成する培養技術の開発。従来の畜産プロセスでは2年かかるところを、細胞培養技術により、動物を屠殺することなく、持続可能で健康的な肉を3〜4週間で市場に提供することができる。2018年に概念実証を発表、2020年末にはバイオファームの建設に着手。2022年に製品の試験販売を予定している。
Image : Aleph Farms HP

2.その他代替食品

 代替肉への注目が集まる中、細胞培養および植物ベースのシーフード、卵、乳製品など、実に多様な代替食品が生まれています。P17 以降の「代替食品フードテック」のリストもぜひあわせてご参照ください。

BlueNalu
細胞培養シーフードを開発
所在地 San Diego, California, US
創設年 2017年
資金調達額累計 $84.8 M / Unknown
出資者 Sumitomo Corp., Syngenta Group, Tech Coast Angels, etc.
URL https://www.bluenalu.com
魚の組織から生きた細胞を分離し培養液に入れて増殖させ、魚肉を生産。世界の水産物に対する需要が高まる一方、供給量が追いつかず、海洋種の個体数も減少の一途を辿る中、海の持続可能性と多様性を支え、同時に美味しくて健康的で安全、信頼性の高い製品を消費者に提供することを目指す。
Image : BlueNalu HP
Eat Just
植物ベースの卵代替品を提供
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2011年
資金調達額累計 $440.0 M / Series E
出資者 Khosla Ventures, Vulcan Capital, Marc Benioff, Founders Fund, etc.
URL https://www.ju.st
緑豆から、世界で最も食べられている動物性タンパク質である卵の代替品を開発。溶き卵の状態で販売されており、スクランブルエッグやオムレツなどの調理に用いることができる。卵と同程度のタンパク質を摂取できる一方で、コレステロールや飽和脂肪はゼロ。卵の生産に要する土地や水使用量、CO2排出量も抑制。
Image : Eat Just HP

3.3Dプリンティング

 食の世界でも3Dプリンターの導入が進んでいます。植物性の材料を用い、本物と見紛うばかりの代替肉や代替魚を生産するものから、芸術的なスイーツを生み出す 3D 技術まで幅広い用途に利用されています。

Redefine Meat
3Dプリンターで植物由来の代替肉を開発
所在地 Tel Aviv, Israel
創設年 2018年
資金調達額累計 $35.0 M / Series A
出資者 CPT Capital, K3 Ventures, PHW Group, etc.
URL https://www.redefinemeat.com
3Dプリンティング技術と独自モデリング技術を活用し、ステーキ肉に含まれる筋肉や脂肪などを再現し、植物性タンパク質から、見た目、食感、味ともに本物の肉と変わらない代替ステーキ肉を開発。環境への影響を95%低減、コレステロールがなく、費用対効果と拡張性が高く、動物性の肉に比べて価格も手頃に抑えることができる。
Image : Redefine Meat HP
Natural Machines
直感的に使える3Dフードプリンター
所在地 Barcelona, Spain
創設年 2012年
資金調達額累計 $5.4 M / Unknown
出資者 EIT Food, Plug and Play Tech Center, Closed Loop Ventures, etc.
URL https://www.naturalmachines.com
より健康的な食事を手軽にデザイン可能な3Dフードプリンターを提供。ペースト状にした好みの食材を指定のカプセルにつめ、画面から形状を選び、ボタンを押すだけで完了。難しい操作を必要とせずに、複雑なデザインの料理を簡単に作れる。有名シェフなどともコラボをしており、既に外食産業や食品メーカーなどで利用されている。
Image : Natural Machines HP

4.食品廃棄物削減ソリューション

 国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、世界で生産される食品の 3 分の 1 が 廃棄される運命にあるといいます。このような現状を変えようと数多くのスタートアップ企業が、食品を長持ちさせる技術、これまで廃棄される運命にあった食品を安価に提供するマーケットプレイスなど、様々なアプローチで食品ロス削減に挑戦しています。

Misfits Market
規格外野菜・果物のサブスクリプション
所在地 Pennsauken, New Jersey, US
創設年 2018年
資金調達額累計 $301.5 M / Series C
出資者 Accel, Sound Ventures, Third Kind Venture Capital, etc.
URL https://www.misfitsmarket.com
形や大きさが規格外であることを理由に小売店舗での販売に適さない野菜や果物を、市場価格よりも安く消費者に届けるサブスクリプションサービス。品質には問題がないにもかかわらず、規格外という理由でこれまで流通されることなく廃棄処分されてきた青果物を引き取り、市場価格より最大40%引きで消費者に提供。農家と消費者双方にメリットを提供し、フードロスの削減を目指す。
Image : Misfits Market HP
Mori
天然シルクのタンパク質で 食品の腐敗を遅らせる
所在地 Boston, Massachusetts, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $32.0 M / Series B
出資者 Prelude Ventures, SOSV, Food-X, Refactor Capital, etc.
URL https://www.mori.com
水と塩を用いて、天然のシルクからタンパク質を抽出。食品の水分やビタミンを保ち、 菌の繁殖を防ぐタンパク質ベースの保護膜を開発。果物、野菜、肉、魚介類の腐敗を 最大2倍遅らせ、食物を長く新鮮に保つのみならず、使い捨てプラスチック、ワックス、 防カビ剤、化学薬品の利用削減にも寄与。
Image : Mori HP

5.アップサイクリング

 食品廃棄物の削減に寄与するもうひとつのアプローチ法が、これまでゴミとして捨てられていた食品廃棄物から、価値ある製品を生み出すアップサイクリングです。ここでは、ビール醸造の過程で排出される麦芽からシリアルバーを製造する企業と、サンドイッチパンの切れ端や残り物のパンからクラフトビールを生産するスタートアップ企業を紹介します。

ReGrained
地ビールの醸造かすをアップサイクリング
所在地 San Diego, California, US
創設年 2013年
資金調達額累計 $2.5 M / Seed
出資者 Telluric Foods, Blu1877, Griffith Foods, etc.
URL https://www.regrained.com
ビール醸造の過程で残される使用済み麦芽から得られる、高栄養価の粉末成分を原料にシリアルバーなどを製造。同社はUSDA(米国農務省)との共同研究を通し、醸造後の穀物を栄養価が高く低カロリーの粉末へと作り替えるアップサイクル技術を開発。地元ベイエリアの醸造業者から原料穀物を入手し、パフやシリアルバー、スナック菓子等を製造、全米の小売店舗で販売している。
Image : ReGrained HP
Toast Ale
余剰パンを再利用しクラフトビールを生産
所在地 London, UK
創設年 2015年
資金調達額累計 $1.9 M / Series A
出資者 For Good Ventures, ImpactAssets, GoDaddy, etc.
URL https://www.toastale.com
廃棄前のパンからクラフトビールをアップサイクル。同社は小麦粉を材料とするパンがビールの原料に適することに着目。ベーカリーの売れ残りパンや、サンドイッチ工場から出るパンの切れ端部分を回収し、ホップとイースト菌、水を加えクラフトビールを生産。パンの風味は全く感じさせず、有名料理人やビールソムリエがお墨付きを与える味だという。
Image : Toast Ale HP

6.昆虫食

 人口増加にともなう食糧不足の可能性を視野に、また環境負荷の低減を目的に、タンパク質源の多様化、持続可能なタンパク質の確保が急務であるとして、世界中で食用昆虫の生産や加工食品の開発が進められています。下記では、栄養価が高く健康的、美味しい昆虫食をより身近なものにするスタートアップ企業を紹介します。

Jimini's
昆虫スナックを販売
所在地 Paris, France
創設年 2012年
資金調達額累計 $1.1 M / Seed
出資者 Bpifrance, Pepsico Greenhouse Collaborative Accelerator, Le Comptoir de l'Innovation, etc.
URL https://www.jiminis.com
欧州内の専門農場で生産されるバッタ、ミールワーム、コオロギを原料に、昆虫の姿をとどめたクリスピーな昆虫スナック、プロテインバー、パスタなどを製造、販売。フランスに加えて、イギリス、オランダ、スペイン、ベルギー、デンマーク、ドイツなど、欧州の主要市場に商品を展開している。
Image : Jimini's HP
BeoBia
ミールワーム生産キット
所在地 Loughborough, UK
創設年 2019年
資金調達額累計 Undisclosed / Accelerator
出資者 FFWD London
URL https://www.beobia.com
健康的で持続可能なタンパク質の供給源である食用昆虫を自宅で育成することのできるキットを開発、プレオーダーを受付中。果物や野菜の廃棄物を餌として与え、一度に100〜300gのミールワームを生産可能。グリルしてそのまま食べたり、粉砕して料理やスムージーに混ぜたりできる。昆虫食レシピ本も提供。フラス(ミールワームのフン)も植物の肥料として利用可能。
Image : BeoBia HP

7.食品用パッケージ

 海洋プラスチックゴミの問題などを背景に、食の分野でも脱プラスチックへ向けた動きが加速しています。食べ物に直接触れる容器から、コールドチェーン向けの梱包材まで、新たな素材の開発が進められています。

Vericool
植物由来のコールドチェーン向けパッケージ
所在地 Livermore, California, US
創設年 2015年
資金調達額累計 $24.1M / Series A
出資者 BillerudKorsnäs Venture, Radicle Impact, Ecosystem Integrity Fund, etc.
URL https://vericoolpackaging.com
植物由来の素材を用いたコールドチェーン(生鮮食品や医薬品のための低温、冷蔵、冷凍輸送)用パッケージを製造。コールドチェーン用の梱包は、氷やドライアイスを用いる必要性から、従来発泡スチロール(EPS)が主流だったが、同社は、EPS製品に遜色ない保冷能力と価格競争力を持ちながら、再生紙繊維と植物成分のみを素材とし、100%リサイクル、または堆肥化可能なパッケージを開発。
Image : Vericool HP
W-Cycle
堆肥化が可能な食品容器
所在地 Ganshmuel, Israel
創設年 2017年
資金調達額累計 Undisclosed
出資者 Unknown
URL https://w-cycle.com
バガス(サトウキビの搾汁後の残留物)やバナナの皮などの植物パルプにポリマーベースの添加剤を加え、堆肥化可能な食品容器を製造。特許取得済みの加工技術で、食べ物の油や水分の容器への染み込みを防ぐ。また−40°Cから270°Cまで耐性を持っているため、冷凍食品、電子レンジ / オーブン加熱食品にも幅広く利用できる。
Image : W-Cycle HP

8.トレーサビリティ&フードセーフティ

 生産者から、加工、流通を経て消費者の手にわたるまで食のサプライチェーン全体のトレーサビリティを実現するソリューションや、食の安全性を担保するソリューションに対するニーズも高まっています。

FoodLogiQ
食品サプライチェーンを一元管理
(2022年にESHA Researchが買収。2023年6月追記)
所在地 Durham, North Carolina, US
創設年 2006年
資金調達額累計 $33.8 M / Series B
出資者 Tyson Ventures, Renewal Funds, Pontifax AgTech, etc.
URL https://www.foodlogiq.com
食品関連企業向けにトレーサビリティ、食品の安全性、サプライチェーンの透明性を 確保する管理ツールを開発。同社は、IBM Food Trust、SAPと連携し、異なる管理ツールの間でのデータ共有を可能とするプラットフォームを構築。導入企業は、食品に関する多数のデータポイントをモニタリングし、フードサプライチェーン全体をマップ化、データに基づいた意思決定を行うことができる。
Image : FoodLogiQ HP
Is It Fresh
パッケージにつけるタグで食品の中身を管理
所在地 Aachen, Germany
創設年 2017年
資金調達額累計 Undisclosed
出資者 Plug and Play Tech Center, Horizon 2020, Merck Innovation Center, etc.
URL https://is-it-fresh.com
NFC(近距離無線通信)対応RFIDを使用した独自タグで商品の鮮度を確認できるトレーサビリティソリューション。パッケージに取り付けると、pH、酸素、湿度、アスコルビン酸、温度など、パッケージの中身の状態を測定できる。製品の原産地、製造日、内容物や流通経路なども記録でき、サプライチェーン上での追跡が可能。NFC対応のスマート棚や冷蔵庫、スマートフォンなどから食品情報を確認することもできる。
Image : Is It Fresh HP

9.商品開発&フードサイエンス

 商品開発に AI とデータを活用する動きも顕著です。消費者の味覚やトレンドを分析・予測するものから、本レポートでは紹介しきれませんでしたが、代替食品の生産を目的として植物のベストの組み合わせ、最適なタンパク質を特定する技術も登場しています。

Analytical Flavor Systems
AIで消費者の味覚をモデル化
所在地 New York, New York, US
創設年 2010年
資金調達額累計 $4.1 M / Series A
出資者 Leawood Venture Capital, Global Brain, Better Food Ventures, Bits x Bites, etc.
URL https://gastrograph.com
機械学習を活用して人間の味覚をモデル化、飲料・食品における消費者のトレンドを予測する「Gastrograph AI」を開発。食品や飲料の新製品の95%は、発売から3年以内に市場から消えると言われるが、同社は「フレーバー」「香り」「食感」といった知覚に関する10年分の蓄積データをもとに人間の味覚や嗜好をAIを用いて数量化、モデル化し、消費者の好みやトレンドの把握、開発プロセスの効率化の面で顧客企業をサポート。展開市場に合わせてデータの調整も可能。
Image : Analytical Flavor Systems HP
Spoonshot
AIとビッグデータによる食品トレンド予測
所在地 Saint Paul, Minnesota, US
創設年 2015年
資金調達額累計 $1.6M / Seed
出資者 SRI Capital, Artesian Capital Management, Arts Alliance, Techstars, etc.
URL https://spoonshot.com
AIとビッグデータを用いて消費者の嗜好とトレンドを予測、食品メーカーの革新的な製品開発を支援。食品素材、消費者レビュー、科学研究結果、食品関連記事、ブログ、メニュー、レシピなど合計2万を超える情報ソースから、数十億の食品関連データを分析。出現しつつある新たな食品トレンド、競合他社の特定、消費者が求める製品の開発など、顧客企業ごとにインサイトを提供する。
Image : Spoonshot HP

10.健康維持・増進サービス

 近年、腸と脳の関係を明らかにした研究や、腸内環境が私たちの気分や感情、行動にまで影響を与えていることを示唆する研究が多く発表されており、「Food as Medicine」の考え方がますます重視されるようになってきました。以下では、腸内環境の状況に基づいて食生活の改善をサポートするサービス、そして食事の画像を活用して健康的な食生活を支援するサービスを取り上げます。

Foodvisor
AIを利用した食事の栄養分析アプリ
所在地 Paris, France
創設年 2015年
資金調達額累計 $5.7 M / Seed
出資者 Demeter, Bpifrance, Kima Ventures, Wilco, etc.
URL https://www.foodvisor.io/en
AIを利用して食事の写真から栄養分析を行うデジタルヘルスアプリ。ユーザーがスマホのカメラで撮影した食事の画像を、コンピュータビジョンと深層学習が分析。カロリー、タンパク質、炭水化物、脂肪、食物繊維などの栄養分をアプリ内の食事日記に自動的に追加。目標体重を設定して、ダイエットの進捗状況を可視化することもできる。有料プランでは、アプリ内のチャット機能から、認定栄養士による個別アドバイスを提供。
Image : Foodvisor HP
Viome
個人のマイクロバイオームにあった サプリで健康を増進
所在地 Bellevue, Washington, US
創設年 2016年
資金調達額累計 $ 48.5 M / Series B
出資者 Khosla Ventures, Bold Capital Partners, Marc Benioff, etc.
URL https://www.viome.com
腸内細菌を含むマイクロバイオーム(人体の微生物)の状態を検査、パーソナライズされた健康増進サービスを提供。テストキットでサンプルを採取。人工知能とシーケンス技術で、ウイルス、寄生虫、酵母、真菌、古細菌、細菌、バクテリオファージを含む微生物の解析を行う。解析結果に基づき個々に調合されたサプリメントと栄養指導を通して、心身の健康、睡眠の改善、免疫システムの強化を図っていくことができる。
Image : Viome HP

11.ミールキット

 献立を考える手間、買い物に行く時間を省くとともに、余剰食材の発生を回避するミールキットも近年非常に人気です。特に新型コロナ感染拡大にともなうロックダウンにより、人々が自宅で過ごす時間が増えたこともあり需要が一気に高まりました。

Gousto
毎週50メニューを展開する バラエティ豊かなミールキット
所在地 London, UK
創設年 2012年
資金調達額累計 $211.3 M / Series G
出資者 ACF Investors, Unilever Ventures, MMC Ventures, etc.
URL https://www.gousto.co.uk
10分でできるお手軽料理から、インターナショナルな料理、ベジタリアンメニューまで、毎週更新される50のレシピから好みのメニューを選択するだけで、人数分のミールキットを配達(メニューの選定はGoustoに任せることもできる)。献立を考える面倒から解放され、食材を無駄にすることもなくなる。梱包材や容器も再利用可能、堆肥化可能な素材を用い、サステナビリティに配慮している。
Image : Gousto HP
Good Eggs
地産地消に重きを置いたミールキット
所在地 San Francisco, California, US
創設年 2011年
資金調達額累計 $165.0 M / Series D
出資者 Benchmark, Index Ventures, GV, Sequoia Capital, etc.
URL https://www.goodeggs.com
調理時間が15分以内のミールキット、Good Eggs Kitchenで下ごしらえされた食材とソースなど、調理の時間と手間を省くミールキットを展開。地元の生産者と提携し、新鮮な食材を提供することを重視している。その日に焼かれたばかりのパン、地元産ワインなど、ミールキット以外の食料品も合わせて注文可能。
Image : Good Eggs HP

12.クラウドキッチン/ゴーストキッチン

 多額の初期コストを投じることなく、飲食店がサービスを展開・拡張することができるクラウドキッチンが世界のあちらこちらで開設されています。デリバリーオンリーのところもあれば、ピックアップに対応するキッチンもありますが、コロナ禍で店内での飲食が制限される中、大きな存在感を示しました。

Kitchen United
外食事業者にキッチンスペースを提供
所在地 Pasadena, California, US
創設年 2017年
資金調達額累計 $50.0 M / Series B
出資者 GV, Fidelity, ACE & Company, etc.
URL https://www.kitchenunited.com
デリバリーとテイクアウト専門の厨房を提供する「ゴーストキッチン」の先駆け的企業の1つ。複数の外食事業者が厨房スペースを共有する。厨房設備や駐車スペースの他、24時間のサポートスタッフ、店舗管理システム、注文管理システム、メンテナンス/クリーニングサービスなどを提供。不動産に投資することなくサービスを展開したり、宅配サービスの需要急増に対応するための追加設備として利用することが可能。消費者に対しては、1か所で、ゴーストキッチンをシェアする複数のレストランへの注文が可能な「Kitchen United Mix」を提供。
Image : Kitchen United HP
Karma Kitchen
シフト単位でレンタル可能な シェア・キッチンスペース
所在地 London, UK
創設年 2018年
資金調達額累計 $316.3 M / Series A
出資者 Omakase Investment Club, Vengrove, etc.
URL https://www.karmakitchen.co
オフィス向けランチデリバリー・ビジネスからスタートし、2018年にピボット。工業用スペースを、デリバリー専用のシェア・キッチンスペースに転換。コミュニティマネージャー、最高級の機器など、外食ビジネスに必要なすべてのニーズを満たすワークスペースを提供。スペースは24時間、あるいはシフト(7am-3pm / 4pm-12am / 1am6am)単位、曜日単位で柔軟にレンタル可能。今後、英国内での拠点拡大に加え、欧州主要都市への展開も計画している。
Image : Karma Kitchen HP

※紹介している企業情報は、「Food Tech Trend Report」制作当時のものです。
※本記事はTECHBLITZが配信した「Food Tech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまでお問い合わせください。




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