前回記事に続き、TECHBLITZ主催の「NEW JAPAN SUMMIT 2024 TOKYO」のピッチに登壇&ブース出展するそれぞれの領域のスタートアップの中から、編集部がピックアップした国内スタートアップを一足先に紹介します。開催日は11月6日(水)で、会場は東京・有楽町駅から徒歩数分のTokyo Innovation Base(TIB)。今年のテーマは「AI × ものづくり・脱炭素・ヘルスケア」です!

NEW JAPAN SUMMIT 2024 TOKYOとは:
世界のスタートアップエコシステムと日本をつなぐメディア「TECHBLITZ」が、これまでのスタートアップエコシステムの調査・取材で培った知見とネットワークを活かして企画・運営するグローバルサミット。スタートアップのピッチ登壇&ブース出展をはじめ、業界のキープレイヤーやオープンイノベーションに取り組む国内大手企業の事例を学ぶ各種プログラムを提供します。

目次
AI × ものづくり
TopoLogic(トポロジック)
FingerVision(フィンガービジョン)
AI × 脱炭素
MizLinx(ミズリンクス)
ジカンテクノ
AI × ヘルスケア
Syrinx(サイリンクス)

AI × ものづくり
TopoLogic(トポロジック)
ノーベル賞で話題の「トポロジカル物質」を社会実装

設立年 2021年
URL https://www.topologic.jp/
 TopoLogic(本社:東京都文京区)は、「トポロジカル物質」の社会実装を目指す東京大学発スタートアップ。トポロジカル物質は物性物理分野の新材料で、従来の材料では成し得なかったエネルギーの可視化、省エネルギー化を可能にし、QX(量子トランスフォーメーション)を実現できる可能性を秘めている。

 同社が開発した熱流束センサー「TL-SENSING」は、世の中で見過ごされてきた排熱や、コントロール不可とされてきた熱流など、吐息レベルの微細な熱を”0.01秒未満”で検知できるIoT機器だという。
image: TopoLogic  

FingerVision(フィンガービジョン)
ロボットなのに「いい感じ」の掴み具合

設立年 2021年
URL https://www.fingervision.jp/
 FingerVision(本社:東京都江東区)は、カメラ画像に基づき触覚を再現する視触覚センサーを開発するスタートアップ。触覚ハンドで食品を盛り付けるロボットは、「具材がさまざま」「柔らかくて傷みやすい」といった課題から人の手でないと盛り付けられなかった具材を、「いい感じ」の掴み加減で盛り付ける技術を実現している。

 2024年6月には人の指サイズのロボットハンド(画像)など、自動車、電気機器、素材、半導体、物流、医療をはじめとするさまざまな業界に向けに、新製品ランナップの販売を開始した。
image: FingerVision

AI × 脱炭素
MizLinx(ミズリンクス)
海のデータを見える化するスタートアップ

設立年 2021年
URL https://mizlinx.com/
 MizLinx(本社:東京都荒川区)は、持続可能な海洋利用を実現するためのモニタリングシステムを開発するスタートアップ。海洋観測システム「MizLinx Monitor」は生け簀設置型と海面設置型があり、海中を泳ぐ魚の映像だけでなく、水温、溶存酸素、塩分、pH、濁度などの各種データも取得可能。これにより、魚類の給餌効率化やコスト削減を図ることができる。

 代表取締役CEOの野城菜帆氏は、「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」のSCIENCE & TECHNOLOGY & LOCAL部門に選出された。
image: MizLinx

ジカンテクノ
1次産業の廃棄物を2次産業の素材に

設立年 2016年
URL https://jikantechno.com/
 ジカンテクノ(本社:大阪市福島区)は、もみ殻などの農業残渣を原材料としたバイオマス由来の素材開発に取り組むスタートアップ。同社は、コメ農家から大量に発生するもみ殻などを利用し、CO2排出量が実質ゼロカウントされるシリカなどの素材を抽出する技術を有している。そのシリカの活性面においては、化粧品に含まれるプラスチックの微粒子であるマイクロビーズの代替が期待されている。

 2024年9月には、世界最大級のスタートアップキャンパスであるフランスのステーションFに入居することを発表した。
image: ジカンテクノ

AI × ヘルスケア
Syrinx(サイリンクス)
「声を失った」人に寄り添うウェアラブル型人工喉頭

設立年 2019年
URL https://syrinx.community/
 Syrinx(本社:東京都)は、咽頭がんや喉頭がんで失われた音声を復元する、ハンズフリーの電気式人工喉頭 (EL)を開発中のスタートアップ。従来のELは多くが円柱型のデザインで日常生活で使いにくいのが課題だった。この課題を解決するため、同社は首にかける形のハンズフリー型を開発。実際に出る音声も、より人の声に近い振動音を作製している。同社によると、毎年約30万人が世界で声を失っており、日本でも年間約5,000人以上が喉頭がんに罹患しているという。
image: Syrinx



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