Image: Cryptowerk
Cryptowerk は、データのハッシュを用い、パブリックブロックチェーンに保存することでデータ改ざん等を防ぎ、真正性・整合性を証明するスタートアップ。大量のデータについても高速かつ安価でのサービスを特徴とする。今回は共同設立者でCEOのDirk Kanngiesser氏に話を聞いた。

Dirk Kanngiesser
Cryptowerk
CEO
1989年ミシガン大学ステファン・ M ・ロス・ビジネススクール卒業。1984年、Siemens AGに勤務。PolyTechnos Venture-PartnersのManaging Partner and Founder、SeebrightのCEO、German Accelerator U.S.の CEOを経て2016年にCryptowerkを設立。CEO & Co-founderに就任。

GDPRに準拠、シンプルなAPIを用いたデータの信頼性確保

―Cryptowerkの事業について教えてください。

 我々は、ブロックチェーンとそのテクノロジーを活用することによって、企業のデータに整合性と真正性を提供します。

 具体的な流れとしては、まず顧客企業からデータのハッシュを受け取ります。これは、データのフィンガープリント(人物や端末などの識別や同定、真正性の確認に用いられる短いデータ列)のハッシュであり、世界共通で用いられているハッシュアルゴリズムの一種です。

 我々は、送ってもらったハッシュごとに、公証人のように特定のシールを返します。そしてそのハッシュをパブリックとプライベートのブロックチェーンに書き込みます。通常は高価でスピード的にも非常に遅いのですが、我々はその課題を克服しました。我々のサービスなら、1秒あたり100万データのハッシュを、低廉な価格で、顧客が選択した1つまたは複数のブロックチェーンに書き込むことが可能です。

 顧客企業は、シールとデータのハッシュによって、データが改ざんされていないことや、オリジナルのデータと同じかどうかを確かめられるのです。

 我々のサービスによって、あらゆる種類のアプリケーションの統合が、非常に容易になります。この一連の流れのベースとして、我々は、ブロックチェーンへの簡単なインターフェースを顧客に提供します。なおデフォルトのブロックチェーンとしては、改ざんや改変ができないビットコインやイーサリアムを用います。

―APIを使うわけですか?

ええ。非常にシンプルでインストール可能なAPIを、トランザクションごとに提供します。通常、トランザクションはブロックチェーンにおいて20セントから3ドルかかりますが、我々のサービスでは数分の一セントにまで引き下げています。ですから巨大なデータセットでもマシンラーニングのデータでもIoTのデータでも安心して利用可能なのです。

Image: Cryptowerk

―他社との違いを教えてください。

 我々のサービスには4点の特徴があります。まず、クライアントにデータ変更といった負担をかけることなく、非常に単純なAPIで我々のソリューションと統合できる点です。

 第2は、我々は元のデータの提供を必要とせず、ハッシュデータの受け取りのみで対応するという点です。

 第3に、我々の技術は完全にEU一般データ保護規則(GDPR)に準拠している点です。欧州委員会はGDPR の日本に対する十分性認定を決定しました。2019年2月には日本とヨーロッパの間でEPAが発効し、個人データの交換が自由になります。しかしブロックチェーンを使ってデータの信頼性を確保したシステムをインストールする場合は、その技術が実際にGDPRに準拠していることを確認する必要があります。私が知る限りでは、その条件を満たしているのは我々の技術のみです。

 第4の特徴は、顧客が望むならば並行して同時に複数のブロックチェーンに書き込み作業を行うことができる点です。

高度に規制された産業や訴訟リスクが大きい産業のニーズ

―Cryptowerkのサービスは、どのような業種に役立ちますか?

 我々のデータ不正操作防止メカニズムは、基本的に、すべての業界に役立つと考えています。データの改ざん防止を非常に低いコストで達成できるからです。

 はじめに利用されるのは、高度に規制された産業や訴訟の可能性が高い産業でしょう。航空宇宙産業、自動車産業、ソフトウェア産業、医薬品産業などですね。

 これらのビジネスには訴訟や規制、同時にサプライチェーンにおける高度な偽造品がつきものなので、データの改ざん防止は重要です。我々はまだスタートアップですが、上記した業種に約10社のクライアントを抱えています。

無料版APIの試用を通じ、国際的な事業拡大を予定

―海外戦略、特に日本企業との協働の予定は?

 企業にとって、その提供するデータが本物であると証明できることは、強い競争力になります。日本やドイツのような国は強い産業的を持っており、我々の技術が役立つでしょう。

 また、データの信憑性が脆弱な第三世界にデータを提供する場合も同様です。我々はまだ小さなスタートアップですが、2019年には、よりグローバルな拡大を始めます。まずアメリカとヨーロッパです。私はドイツにネットワークがあります。

 日本に関しては、アメリカ市場での日本企業とのコラボは大歓迎ですし、日本市場でも歓迎です。我々がドイツで寄せられている関心は、日本市場の潜在的な関心と同じはずですから。

 我々は、データの真正性と整合性管理のためのグローバルスタンダードになりたいのです。非常にシンプルなAPIを通して世界中の大企業に提供したいと考えています。



RELATED ARTICLES
20億以上のユーザーアカウントを保護 APIセキュリティソリューション Cequence Security
20億以上のユーザーアカウントを保護 APIセキュリティソリューション Cequence Security
20億以上のユーザーアカウントを保護 APIセキュリティソリューション Cequence Securityの詳細を見る
「速さ」がモノを言うDeFiの世界で「勝つ」ために ブロックチェーンのスケーラビリティを実現 bloXroute Labs
「速さ」がモノを言うDeFiの世界で「勝つ」ために ブロックチェーンのスケーラビリティを実現 bloXroute Labs
「速さ」がモノを言うDeFiの世界で「勝つ」ために ブロックチェーンのスケーラビリティを実現 bloXroute Labsの詳細を見る
まだ履歴書チェックしてるの? 評価テストで企業の採用活動を効率化するTestGorilla オンラインで最適な候補者選び
まだ履歴書チェックしてるの? 評価テストで企業の採用活動を効率化するTestGorilla オンラインで最適な候補者選び
まだ履歴書チェックしてるの? 評価テストで企業の採用活動を効率化するTestGorilla オンラインで最適な候補者選びの詳細を見る
物流のラストワンマイルを変革し、輸送コストとCO2排出削減に貢献するLocus.sh
物流のラストワンマイルを変革し、輸送コストとCO2排出削減に貢献するLocus.sh
物流のラストワンマイルを変革し、輸送コストとCO2排出削減に貢献するLocus.shの詳細を見る
営業プロセスや顧客エンゲージメントを可視化 企業の生産性向上、LTVに寄与するクラウドサービス Magic Moment
営業プロセスや顧客エンゲージメントを可視化 企業の生産性向上、LTVに寄与するクラウドサービス Magic Moment
営業プロセスや顧客エンゲージメントを可視化 企業の生産性向上、LTVに寄与するクラウドサービス Magic Momentの詳細を見る
【後編】GCP 高宮氏に聞く  Web3の普及に必要なこととは?  大企業は「What」を明確にせよ 
【後編】GCP 高宮氏に聞く Web3の普及に必要なこととは? 大企業は「What」を明確にせよ 
【後編】GCP 高宮氏に聞く Web3の普及に必要なこととは? 大企業は「What」を明確にせよ の詳細を見る

NEWS LETTER

世界のイノベーション、イベント、
お役立ち情報をお届け
全員にオープンイノベーション
ガイドブックもプレゼント


新規事業の
調査業務を効率化
成長産業に特化した調査プラットフォーム
BLITZ Portal
社員の声でイノベーションを効率化する
アイデア管理プラットフォーム
q-ideate

Copyright © 2022 Ishin Co., Ltd. All Rights Reserved.