CrowdOpticは、AIを活用した映像プラットフォームサービスを提供する企業だ。世界各地で進行中のスマートシティ事業に実用的な、新しい映像解析技術を構築する同社のCo-Founder兼CEO、Jon Fisher氏にインタビューした。

Jon Fisher
CrowdOptic
Co-Founder&CEO
サンフランシスコ大学を卒業後、ソフトウェア会社を中心に様々な企業の創設、経営に携わり、SaaS黎明期の業界発展に貢献。2004年に共同設立したBharosaをOracleに売却後、2011年にCrowdOpticを共同設立、CEOに就任し、現在に至る。著書にStrategic Entrepreneurism: Shattering the Start-Up Entrepreneurial Mythsがある。

AIを用いたライブストリーミングプラットフォームで、これまでにない映像解析を実現

―御社のビジネスモデルについて教えてください。

 我々はAIを用いたインテリジェント・ライブストリーミング向けの製品やプラットフォームを提供しています。具体的に言えば、携帯電話や監視カメラ、ドローンなどのデバイスがどの方向を向いて、何にフォーカスしているのかを把握することができます。ユーザーやデバイスの位置情報を特定する機能はこれまでにもありましたが、当社ではデバイスの向く方角や、実世界での背景まで把握できるのです。

―御社のサービスによって、どのような問題を解決することができるのでしょうか。

 スマートシティを想定する話になりますが、何らかの異常事態が発生した場合の対応が迅速化されます。警察による交通状況の把握や、火事の初動対策など、問題にスピーディに対応可能となり、経費削減と人命救助に貢献できます。あとは、多角的な映像解析が求められるスポーツやエンタテインメント、また医学の世界でも活用できます。

―御社技術の活用例を紹介してもらえますか?

 たとえば、携帯電話を持っている人がいて、近くで火事が発生したとします。我々のテクノロジーなら、その携帯カメラを火事の方向に向けるだけで、その被写体の情報を分析します。消火用のドローンを呼ぶにしても、通常の技術では撮影者の位置に飛んできてしまいますが、CrowdOpticの技術を使うことで、撮影した対象である火事現場にドローンを飛ばすことができるのです。また、今はNECと共同で顔認証システムの導入も進めているので、これもスマートシティで活躍してくれるでしょう。

―具体的にどのような技術が使われているのでしょうか。

 我々は基本的にはJAVAによるソフトウェアベースのソリューションを構築しています。しかし、それだけでなく、ヒューレットパッカードやインテルなどの企業と提携して、1から作り上げた専用のカメラを搭載したサーバーなども作っているのです。つまり、ソフトウェアだけでなく、専用のサーバーやカメラなどのハードウェア技術も駆使しているということです。

―ハードウェア製品とソフトウェアサービスの両者を扱っているのですね。収益モデルはどうなっていますか。

 まずは基本的なライブストリーミングと分析、およびアルゴリズム機能を持つハードウェアキットを6000ドルで販売しています。それから、プラットフォームですね。顧客によって価格が異なりますが、サブスクリプションもしくはインストールあたりの費用が5万ドルから、といった規模になります。

スマートシティを念頭に置いた独自技術を提供

―他社にはない強みはどんなところでしょう。

 AIやコンピュータビジョンの分野で、我々は数々の特許を取得しています。特に、新しい形の三角測量を発明し、それも特許があります。これは非常に重要で、稀有なことであり、当社の強みです。

―ターゲット層と顧客規模について教えてください。

 最も大きなターゲットはスマートシティ業界です。それから、スポーツとエンタテインメント、そして医療業界ですね。スマートシティ向けの事業では、日本のNECもクライアントの1つです。ヒューレットパッカードやインテルもそうです。

4度目の起業となるシリアルアントレプレナー

―Fisher さんはシリアルアントレプレナーですね。毎回どのように事業を立ち上げているのでしょうか。

 私には、長年一緒にやっているエンジニアチームとビジネスチームがいます。彼らとともに、優良企業を作り、また良いパートナー企業を見つける。この方法をとってきたことで、今我々の技術が世界に広まっているのです。CrowdOptic以前にも3社を設立しましたが、いずれも今はS&P500企業が所有しています。1つ前の会社は、オラクルに売却しました。今、皆さんがオンラインバンキングなどで利用している製品は、我々が開発したものです。不正利用防止などに役立っていますよ。

―CrowdOpticを立ち上げたきっかけは何だったのですか?

 ある時、海を眺めていたら、船が通り過ぎました。その時、携帯電話を向けて、その船の情報を得られるような機能があればいいのに、と思いました。それがきっかけです。ただ、実現に至るまでには苦労しました。船の位置を把握し、移動を追跡し、コンピュータに移動する対象物を常に「同じもの」として認識させるなど、多くの課題がありました。ここから、新しい形の三角測量が生まれたのです。

―御社の今後のビジョンは何でしょうか。

 スマートシティにおいて凶悪事件が発生したり、救急車が悲劇の現場に急いでいたり、容疑者を追うパトカーがいたりする場面もあるでしょう。その時に、当社の技術によって防犯カメラや消費者の携帯電話、ドローンなどを駆使して問題の早期解決ができるようになれば、と描いています。そうすれば町としての効率性が上がり、時間や資金、そして人の命を守ることになると思っています。



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