Image: Seventh Spark
Seventh Sparkは、デジタルイノベーションにおいて教会はホワイトスペースだと考え、信仰の「場」を拡げるモバイルプラットフォームの提供と、有意義なつながりを築くコンテンツをリアルとデジタルで提供している。今回はCo-Founder & CEOのMarissa Bell氏に話を聞いた。

教会の活動の「場」を拡げるデジタルイノベーション

―まずはSeventh Spark設立の経緯を教えてもらえますか。

 当社のCo-Founder & ChairmanのBrian Leeとは、彼が2009年に設立した「ShoeDazzle」という、女性用の靴をサブスクリプション方式で提供するスタートアップに、創業メンバーとして関わった時からの付合いです。「ShoeDazzle」の後、今から約2年前にBrianからSeventh Sparkの構想やビジョンを聞き、インスパイアされCo-Founderとして加わりました。

 米国では、若い世代が教会に行かなくなり、教会の出席率が低下しています。しかし、若者は助言を求めており、信仰に基づくしきたりを守り、人間として成長したいと考えていることが広く知られています。つまり、人々は信仰心をなくした訳でも、新しい信仰やプラクティス (宗教的なしきたりなどを守ること)が求められているわけではないということです。

 当社は、モバイル世代の若者が今までと変わらぬ信仰にふれ、プラクティスする新しい基盤を築き、「場」となってきた教会を革新することを目指しています。

Marissa Bell
Seventh Spark
Co-Founder & CEO
スタンフォード大学にて学位(Communication and Journalism) 取得後、投資銀行にて、AnalystやConsultantを務めた。2009年にアパレル系サブスクリプションサービスを提供するShoeDazzleの創設メンバとして入社、Product Manager、VP ProductおよびVP Marketingを歴任。2018年にThe Seventh Spark Companyを共同で設立。

メンバーをGod(神)と有意義に結びつけるもう一つの「場」としてアプリを活用

―Seventh Sparkのプラットフォームには具体的にどういった機能があるのでしょう?導入事例があれば教えてください。

 当社は、クライアントといわゆるSaaSプラットフォームとしてサービスを提供するだけの関係ではなく、パートナーとして深く関わり続けることを大切にしています。そして、プラットフォームの提供だけでなく、コンテンツの制作やライブイベントにも関わっています。

 キリスト教会のChurchomeのパートナーとして作ったアプリ「Churchome Global」を、2018年11月にローンチしました。このアプリは、iOS版とAndroid版があり、動画配信、対話、クラスの開催やライブイベントを、週7日提供しています。このアプリを通じて、世界中どこにいても、24時間いつでもGodと有意義につながることができます。

 他に、メンバー同士が対話できるコミュニティ機能があり、一つは、牧師主導のコミュニティで、それぞれのメンバーのライフステージに合わせた集いが毎週開催され、メンバー同士が話し合える場となっています。

 メンバーもデジタルグループを作れ、教えの共有や対話の主催、教会でのパーティーやローカルミーティングの開催に活用されています。グループは世界中の80都市以上に存在し、それぞれの都市でローカルミーティングが開催され、数千人のメンバーが日々このアプリを使い信仰を深め、互いにつながり合っています。

―Seventh Sparkのプラットフォームは、キリスト教会に限定しているのですか。

 Churchomeのパートナーとして「Churchome Global」に貢献し続けることが、当社のビジョンです。しかし、パートナーをキリスト教会に限定しているわけではありません。宗教は限定せず、信仰に基づいたコミュニティや組織のパートナーになりたいと考えています。

革新的な米国のキリスト教会

―今後の目標として海外展開も視野にありますか?

 そうですね。「Churchome Global」の現在までのダウンロード数は15万を超え、アクティブユーザーの20%は米国外の居住者です。オーストラリア、英国、アフリカ、ブラジル、フィリピンなど、キリスト教が浸透している国にメンバーがいます。

 当社は、米国内にフォーカスしていますが、キリスト教が普及している国で需要が見込めます。将来的に、それらの国でパートナーを見つけ、既存アプリと同様のサービスを展開し宗教活動の革新に貢献できると考えています。

―日本での展開も考えられますか?

 米国では、キリスト教を若者文化の重要な一部として表現しているリーダーが多くいます。そして、革新的な取り組みを行っている教会や若い家族が多くいます。しかし、日本ではキリスト教徒は少数で、ほとんどの人が仏教または神道を信仰していると思いますし、コミュニティのあり方や信仰の仕方が違うので、日本で展開する場合は、宗教的リーダーと協力して日本に適したコンテンツを作る必要がありますね。



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