新しい風を吹き込む、JCBのイノベーション活動 × BLITZ Portal

株式会社ジェーシービーのグループ会社である米国現地法人JCB International Credit Card Co., Ltd.は2015年11月にSilicon Valley Office(以下:シリコンバレーオフィス)を開設し、以来R&D拠点として先進ビジネスの調査探索を行っています。

シリコンバレーオフィスの堀口氏・梁氏の2名に、活動内容やBLITZ Portal導入について話を聞いた。

<ポイント>

  • 日本・アジア展開できそうなFintechまたは新領域のソリューション探索に活用
  • 海外情報の社内展開時の日本語化の工数を削減
  • 純粋なデータベース型サービスとは異なり、「気付き」を得られる

※本記事は、イシン株式会社が提供するイノベーション情報ポータル「BLITZ Portal」の導入インタビューです。

Fintech領域だけでなく、加盟店の課題解決も視野に

−お二人が所属されているJCBのシリコンバレーオフィスについて教えてください。

 まずJCB全社のイノベーション活動を推進するのが「イノベーション統括部」という部署です。イノベーション統括部は社内の旗振り役としての役割だけでなく、将来的には既存の事業部を巻き込みながら、新しい収益源・ビジネスモデルを構築していくというミッションを担っています。

 我々がいるシリコンバレーオフィスはイノベーション統括部の中の一組織です。R&D目的とした初の海外拠点として2015年に設立されました。Fintechという領域は、欧米で新しいビジネスが生まれる傾向にあります。そのため数年後の日本やアジアを見据えながら新しく生まれるビジネストレンドをリサーチし、JCBのビジネスに組み込んでいくことを目的としています。

 アメリカにもJCB USAという組織はもっと以前からありますが、JCB USAは既存のカードビジネス拡大を目的としており、我々シリコンバレーオフィスは既存のカードビジネスからちょっと離れ、将来の金融ビジネスを生み出すことを目指しています。

-シリコンバレーオフィスはどのような体制でしょうか?

 ここにいる堀口と梁の2名で活動しています。3名の時期もありましたが、設立以来ほぼ2名です。目的が分かれているというよりも、2人で常に協力しながらリサーチ業務を進めているイメージです。

堀口 智也(Tomoya Horiguchi)
JCB International Credit Card Co., Ltd.
Senior Vice President, Silicon Valley Office
2001年、ジェーシービー入社。海外における決済インフラおよびテクノロジー展開・実装等に従事。2010年よりロンドンに駐在し、6年間欧州市場を担当。2018年より現在のJCB米国法人へ出向、シリコンバレーに駐在。

梁 在石(Jaesuk Yang)
JCB International Credit Card Co., Ltd.
Assistant Vice President, Silicon Valley Office
大手SI・スタートアップ・戦略系コンサルティングファームを経て2018年ジェーシービー入社。国内外有望スタートアップの発掘および協業推進、戦略投資関連業務等に従事。2020年より現在のJCB米国法人へ出向、シリコンバレーに駐在。

-リサーチ業務はどのような領域が対象でしょうか?

 もちろんFintech領域のスタートアップには注目しています。あとは小売や広告の領域もみています。我々はカードを使っていただく加盟店と関係を築いているので、その加盟店に単純に決済手段を届けるだけではなく、デジタル化や業務効率化やその他の困りごとを解決するようなソリューションに注目しています。当然シリコンバレー周辺でもそういった動きはありますので、何か日本に持ち込めるものはないかなといった観点でリサーチをしています。

日本・アジア方面で活用できるFintechソリューションは少数

-御社には2019年から弊社のスタートアップ情報サービスを利用いただいています。どのような背景があり導入をきめたのでしょうか?

 2015年にシリコンバレーオフィスを設立しましたが、そこから2年半ほどは各カンファレンスへの出席だったり、日系企業の方への取材や、当時の注目サービスのレポーティングを中心に活動していました。2018年に私がシリコンバレーオフィスに駐在したタイミングで、リサーチだけではなくデベロップメントにも軸足を置いた活動をはじめるようになりました。活動方針変更がきっかけになります。

-必要な情報が変わったわけですね。

 はい。当時出資を開始したVCからもスタートアップ情報は得るようにしていましたが、Fintech領域で「日本でも活用できそうなソリューション」を展開していて「日本・アジア方面をみている」スタートアップはかなり絞られます。それを我々だけで、もしくは他領域もみているVCさんだけで探し出すのは難しいと感じていました。

BLITZ Portalがないと、日本語化に大きな時間を割かなければならない

-実際にBLITZ Portalを利用してみて感じたメリットは?

 大きく「Fintech・金融領域の情報の質」「日本語」「効率性」「金融以外の領域もカバー」の4点をメリットとして感じています。

 他の手段でスタートアップを探しても、社内展開するためには多くの時間を割いて日本語化する必要があります。ソーシングだけに時間は使えないのでそこは改善する必要がありました。また小売・広告などをカバーする必要がありましたが、その領域の専門家ではないので目利きが難しいです。

 Fintech領域で良質な情報を探せる点ももちろん重要です。

-登録社数の多いデータベース(DB)型の他社サービスもありますが、それらとの違いをどう感じていますか?

 BLITZ Portalと他社が提供しているDBサービスは明確に違います。

 アメリカでは、金融機能をAPIベースで調達できる環境が整備されており、不動産やヘルスケアなど、一見するとFintechから遠いように見える領域でも、金融サービスを提供するケースが増えています。

 そういった情報は自ら幅広い領域でアンテナを張って見に行かないと気付けないのですが、BLITZ Portalなら幅広い領域のスタートアップの情報が見れるので、いつも参考にさせて頂いています。純粋なDBだと、利用する側はより明確にイメージできている必要があります。

 私個人としては、まずBLITZ Portalで検索してから、他のDBサービスを利用するようにしています。

-ありがとうございます。ヒット率を高められるように頑張ります。確かにデータベースと併用していただいているお客様は非常に多いですが、データベースはどちらかというと周りの人から良い情報を聞いたときに百科事典的に活用されているようです。それに対してBLITZ Portalは、どちらかというとプッシュ型でお客様にあった情報をレコメンドすることを意識して運営しています。



-4月から「月10社のレポート」から「サイトにログインして情報を自由に調べられる」形に変わりました。活用方法に変化はありましたか?

 まず情報量が増えたのが大きいです。Fintechは勿論ですし、小売・広告、場合によってはそれ以外の情報を活用することもあるので広いに越したことはありません。専門外の領域は独自に調査しても情報精度を担保できないので助かります。

 また過去のレポートもすぐに取り出せるので、以前のPDF納品形式より必要な情報に辿り着きやすいです。

求められるのは”ぶっ飛んだ”情報

-本社との連携にスタートアップ情報を活用していると事前に伺っています。本社から具体的なニーズが来て応える形でしょうか?

 「こういった技術はあるか?」と具体的なニーズがくることもありますが、多くはありません。

 日本でも顕在化した情報は調べられますので、シリコンバレーに期待されているのは「自分たちでは思い浮かばない”ぶっ飛んだ”サービスやビジネスモデル」です。日本側ではニーズ化、言語化できていない情報を求められるので、引き出していく作業が必要です。

-引き出していく作業とは、どういうことでしょうか?

 我々2名が得た情報をそのまま渡しても、「面白いね」で流れてしまいます。そうならないために部署や相手によってタイミングや伝え方を変えていますし、ニーズを掘り下げる工夫が必要です。

-「困りごとを教えてください」と各部署とMTGを重ねていくイメージでしょうか?

 本社のメンバーは様々なミッションに取り組んでいるため、ヒアリングを名目とした打ち合わせは何度も行えません。そのため、各事業部が興味を持ちそうな参考情報を用意して、そこのインプットを行いつつディスカッションやヒアリングを行う流れです。その参考情報としてもレポートは役立てています。

-BLITZ Portalを活用して、どのような成果が生まれていますか?

 まだ具体的な成果までは至っていませんが、やはり短時間に幅広い情報を収集できるので、各事業部署との会話の活性化につながっていると感じています。そこから、例えばバーチャルカードなどBtoB決済に活用できるソリューションなどは、当社も注目している領域であり、事業開発に向けた具体協議に活用させていただいています。

 金融は規制・インフラ面などで国による違いが強く出るため、日本にそのまま持ってくるわけにはいかず、成果まで時間がかかってしまうのが難点です。

-最後に、今後のシリコンバレーオフィス、イノベーション統括部の抱負を教えてください。

 JCBは日本発唯一の国際ブランドとして60年間ビジネスを展開しています。日本アジアでのパイオニアとして、2020年度までの中期経営計画では「イノベーションの基盤をつくる」ということを核に据えていました。助走期間としての位置付けです。

 2021年4月からはじまった新たな中期経営計画では、イノベーション統括部でしかできない案件に主眼を置いて活動していきます。そのなかでシリコンバレーオフィスでは「新しい風を吹き込む」役割で具体的な成果に繋げていきます。

-ありがとうございました!

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