新興国の人々がオンラインでローンなどの金融サービスを利用できるプラットフォームを提供するBranch International。10年以上にわたってマイクロファイナンスの非営利組織を率いたのち、同社を立ち上げたCEOのMatt Flannery氏に聞いた。

Matt Flannery
Branch International
CEO
2001年スタンフォード大学(哲学科)修士号取得、コンピュータプログラマーとして働いたのち、2004年にマイクロファイナンスのNPO、Kivaを立ち上げ、10年以上CEOを務めた。2015年にBranch International創業。

現代版のマイクロファイナンス

―どんなサービスを提供していますか。

 私たちは、新興国向けに世界標準の電子化された金融サービスを提供したいと考えています。完全にモバイルベースで、今のところケニア、タンザニア、ナイジェリア、メキシコで展開しています。もうすぐインドでもスタートします。

 基本的には現代的なマイクロファイナンスの機関をつくりたいと考えています。マイクロファイナンスとは、世界中の中間層から低所得層に、ビジネスを始める目的でお金を貸して、必要なものを買ってもらい、ビジネスを広げてもらうものです。

オンラインの金融サービスでビジネスを広げる

―どのような問題を解決しようとしているのでしょうか。

 新興国では銀行業はオフラインの旧来的な方法が続いており、銀行口座を持っていない人もたくさんいます。インド、ブラジルやメキシコなどでは、銀行口座にアクセスができないけれどスマートフォンは持っているという人が何百万人もいるのです。ここに、ユーザーに愛される現代的なサービスを持ち込もうとしています。

 洋服を作って売る人ははじめに生地を仕入れる必要があり、タクシー運転手はお客さんを乗せるためにはガソリンを入れる必要がありますよね。レストランオーナーなら料理を提供するために材料を市場で買ってこないといけない。我々はこうした日常的なニーズに対応できるようにサービスを提供しています。

AIによるリスク審査でローン

―具体的にはどのようにサービスを提供しているのですか。

 2019年には貯金や支払いもできるようにする予定ですが、まずはローンから取り組んでいます。人々がまずアプリケーションをダウンロードし、AIが返済能力を見積もります。一度も対面で会うことなく、電話でローンを借りることができます。AIは借りた人の行動についてのデータを集め、どんどん賢くなっていきます。電話によって本人確認をし、国のIDナンバーや地理的情報も得られるので、当初信用スコアがまったくない人でも利用ができます。

ウガンダへの旅が転機

―どうしてこのビジネスを始めたのですか。

 大学を卒業してコンピュータプログラマーになりましたが、「この仕事を一生続けるのかな」と疑問を感じ始めていたとき、ウガンダに旅をする機会がありました。そこでマイクロファイナンスに感銘を受け、貧困などの問題を解決するためにどうしたらいいかを考えている仲間にも大いに刺激を受けました。ウガンダでクラウドファンディングサイトを始め、誰でも新興国の人に融資ができるプラットフォーム、Kivaを立ち上げました。Kivaはとても成功し、10年で80か国に広がりました。

 一方、そうこうするうちに技術革新が新興国にも広まり、スマートフォンが使われるようになってきたので、これを活用できないかと考えました。今度のビジネスは資本が必要なので今度は営利企業としてBranch Internationalを作ることにしたわけです。

東南アジアや南米にも

―今後の展望を聞かせてください。

 インドネシア、フィリピンなど東南アジア全域、コロンビア、ペルー、アルゼンチンなど南米も今後の市場としてあり得ますね。日本の投資家、ベンチャーキャピタルとは常に会話をしていますし、歓迎しています。



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