Webサイト構築プラットフォームで有名な「WordPress」。世界のWebサイトのうち、じつに4分の1が「WordPress」によってつくられているという。今回紹介するのは、そんな「WordPress」をベースにしたレンタルブログサービス「WordPress.com」などを提供しているAutomattic社。創業者であり、CEOであるMatt Mullenweg氏に、事業の詳細やユニークな働き方、日本市場の展開などについて聞いた。

Matt Mullenweg
Automattic
Co-Founder & CEO
2004年にヒューストン大学中退後、CNET Networksに入社。2005年にAutomatticを設立し、Founder & CEOに就任。WordPressの開発者として知られる。

Webサイトの4分の1が利用

―まず事業内容を教えてください。

 さまざまなWebシステムツールを提供しています。主力サービスは、「WordPress」をベースにしたレンタルブログサービス「WordPress.com」です。「WordPress」はオープンソースとして配布されており、「TIME」や「CNN」のような大手メディアから個人ブログまで、世界のWebサイトの4分の1が「WordPress」によって構築されています。

   当社のミッションは、“情報発信の民主化(Democratizing Publishing)”。オープンソースを使い、誰でも情報を発信できる世界をつくっていきたいのです。

―「WordPress.com」では無料でWebサイトが制作できますが、どのようなビジネスモデルでしょう。

 フリーミアムモデルを採用しています。基本的な機能は無料でも使えますが、有料プランになれば、データ容量を増やしたりサポートを受けることができます。米国では月100ドルと300ドルのプランがあります。また、大規模なWebサイト向けに、年6,000ドルから提供しているVIPプランもあります。

自宅勤務OK

―先進的な働き方を取り入れていることでも有名です。具体例を教えてください。

 通勤する必要がありません。私がオープンソースの活動から学んだのは、世界には優秀な人がたくさんいて、リモートでも開発は可能だということ。当社では自宅勤務を許可しており、オフィスに通う代わりに働く時間を指定すれば、好きな時間帯に自宅などで働けます。現在、400人の会社ですが、47ヵ国に社員がおり、リモートワークをしています。こうすることで、オフィスにとらわれずに、サービスを世界各地に広げていくことができるのです。

 ちなみに、日本にも女性社員が働いています。日本はブログやWebサイトの市場が大きく、もっと日本市場にも力を入れたいと思っています。もし興味のあるデザイナーやエンジニアの方がいれば、ぜひ連絡してほしいですね(笑)。

―Mattさんは21歳で起業しています。きっかけはなんだったのでしょう。

 小さいころから音楽が好きで、サックスを弾いていました。一方、父がコンピュータサイエンスの学位をもっており、小さいころからコンピュータに囲まれた生活も送っていました。父とよく一緒にコンピュータの修理をしていましたね。

 サックスのジャズミュージシャンになろうと真剣に打ち込んでいましたが、18歳で断念。自分はWebサイトをつくるほうが得意だと気づいたからです。そこで音楽はやめて、エンジニアの仕事をすることにしました。

 その後、大学を中退して、いったんCNETに入社しましたが、「WordPress」に専念するため、起業。いままでにない、オープンソースのWebサイト制作ツールをつくりたかったのです。

―起業してから現在まで、もっとも大きな挑戦はなんでしたか。

 ひとつは「WordPress.com」をJavaScriptにすることを決断したことです。当時、JavaScriptが書けるエンジニアは社内に2人だけしかいませんでした。残りの100人以上はPHPエンジニアだったため、ゼロからJavaScriptを勉強しなおす必要がありました。これは大きな挑戦でした。

 もうひとつは、社内のコミュニケーションです。先ほどお話したように当社ではリモートワークを採用しています。社員が20~30名のときは問題ありませんでしたが、100名~200名を超えてくると、コミュニケーションの仕組みをつくらなければいけませんでした。ただ、いまは「Slack」のようなサービスができて、それもずいぶん簡単になりましたね。

オープンソースを受け入れよう

―日本の展開について聞かせてください。

 日本市場は、非常に興味深いです。食べ物や音楽、ファッションなどについての歴史、文化があり、私は日本が大好きです。また、物事を成すときに、うまく行おうとする国民性もあり、ぜひ当社にもっと多くの日本人が参画してほしいと思っています。

 課題について言えば、これは日本に限ったことではありませんが、世界とマーケットが異なるということです。各国ごとにユニークな点があり、あらゆる国に当てはめられる戦略はありません。だからこそ、私は現地の人材を採用し、任せたいと思っているのです。

―最後に読者にメッセージをお願いします。

 日本企業では、まだオープンソースを受け入れる文化が醸成されていない印象があります。もしあなたがテクノロジー分野のリーダーだとしたら、オープンソースに対する見方を変える必要があります。 オープンソースはセキュリティが高く、信用でき、機能的です。ぜひオープンソースを積極的に導入し、Webの世界をクローズドではなくオープンなものにしていきましょう



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