Auth0は、複雑化したログイン機能を、セキュリティを保ちつつ簡略化することで、新たな顧客体験を提供している。創業したEugenio Pace氏と、日本カントリーマネージャーの藤田純氏に話を聞いた。

ログインのプロセスをシンプルに

―創業した経緯を教えてください。

Pace:2009年頃、データセンターやクラウドでのソフトウェア開発に変化が起きていたのですが、セキュリティが最大の焦点となっていました。そこで2012年、開発者の認証管理をシンプルにすることを掲げ、創業しました。

Eugenio Pace
Auth0
Co-founder & CEO
ブエノスアイレス工科大学電気工学学士・コンピュータサイエンス修士。MicrosoftのVisual Studio Team、クラウドサービスAzureプロジェクトなどで12年開発に携わる。2013年2月に創業しCEO就任。
藤田純
Auth0
日本カントリーマネージャー
IT業界で20年のキャリアを持つ。Githubなど米国スタートアップの日本進出をカントリーマネージャーとして担ってきた。2018年11月から現職。

―どのようなプロダクトでしょうか。

Pace:至ってシンプルです。あらゆるアプリケーションのログインエンジンを開発しています。一般にはユーザー名とパスワードを入力してログインします。我々はそのログインの裏側を担っています。これを具体的に表すと、我々はログインに関わる2つの質問に答えていることになります。

 1つは「あなたは一定の自信を持って自分が自分であると証明できますか?」という質問です。これに「はい」と答えるともう1つのコアな質問があります。これは「あなたには何の権限がありますか?」という質問です。例えば、「あなたが経費報告システムを使用する場合、経費報告書を提出できますか?」「特定の文書を読む権限はありますか?」「特定のコンテンツをダウンロードできますか?」などの質問です。これが私たちが行っているオーソライズシステムです。これは特に新しいものではありません。

 しかし、ここ数年は質問にユーザーが答えるのが難しくなっていました。例えば、在宅勤務で会社から支給されたパソコンを使っているものの、ネットワークは家のWi-Fiを利用し、会社のシステムにログインを行うといった、認証にとってのグレーゾーンが出てきたからです。

―その複雑さを、どのようにシンプルにできるのでしょうか。

Pace:当社は、開発者向けにこれら2つの質問に回答するためのAPIを提供し、あらゆる複雑な要因を解消しています。複雑さの要因の1つに、システムのスケールがあります。当社は毎月30億回超のログインを処理します。

 もう一つはこの業界が常に進化しているということです。先日AppleはApple IDでのみログインできるといった機能を実装しました。私たちはその後、1週間でApple IDでのログイン機能をAuth0に追加しました。

 そもそもログインは、クライアント企業にとっては手段であってコアビジネスではありません。もしログインを外部サービスに委託すればコアビジネスに集中できます。高度化する悪意ある攻撃に対処するには、ログインに特化したプロフェッショナルの力が必要です。当社はログインインフラの構築・運用・保守・監視に特化した200人のプロフェッショナルを抱えています。

―どのようにマネタイズしていますか。

Pace:当社はSaaSサービスで、サブスクリプション制です。無料プランと有料プランがあり、アクティブユーザーには有料プランを提供しています。無料アカウントは2万アカウント、有料アカウントは7000アカウントほどが利用されています。これは個人的な利用が目的で、このほかにエンタープライズ向けのプランがあります。

日本でも積極展開

―日本法人のミッションを教えていただけますか。

藤田:日本でもIDの複雑化や顧客のセキュリティトラブル増加に伴い、よりセキュアで専門的なログイン技術の需要が高まると考えています。これを日本でも浸透させていきます。

―日本ではどのような業種と提携していますか。

藤田:製造、金融、ヘルスケア、ウェブサービスなど、幅広い業種と提携しています。

―今後のビジョンを教えてください。

Pace:現在、米国の他、南米、ロンドン、シドニー、東京、シンガポールで展開していますが、それぞれの市場でプレセンスを高めていくのが目標です。



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