Image: Asana
Asanaはチームでプロジェクトやキャンペーンなどを進める際、担当や期限、進捗を可視化・管理できるワークマネジメントプラットフォームを提供している。資金調達額はすでに213億ドルに達しており、時価総額10億ドルを超える“ユニコーン”だ。同社は来年には日本オフィス開設を目指しているという。今回はCOOのChris Frinacci氏に話を聞いた。

Chris Farinacci
Asana
COO
992年、オハイオ州立大学メカニカルエンジニアリング卒業。2007年よりOracleのアプリケーションマーケティングにてVice Presidentを務める。2011年よりGoogleのCMOを務めたのち、2015年よりAsanaのCOOに就任。また2017年よりY Combinatorのアドバイザーも務める。

注目が急速に高まっている「ワークマネジメント」

―まずAsanaの事業について教えてください。

 そうですね。まず現代のプロダクティビティ(生産性)を広義で考えた場合、3つのバケツに分けられます。

 一つ目は従業員のコミュニケーション。SlackといったグループチャットやZoomが提供するビデオカンファレンスなどが挙げられます。またMicrosoftやGoogleが提供しているプロダクトもこの一つです。

 二つ目は従業員がどうやってファイルやドキュメントをシェアするのかという点です。BoxやDropbox、Google Driveがこのバケツに入ります。

 三つ目は私たちが提供しているワークマネジメントというバケツです。このバケツは現在、急成長しており、多くの上場企業が生まれています。このバケツは私が述べてきた1つ目と2つ目のツールの上に成り立ちます。例えば、プロジェクトを進める場合、明確に誰がどのタスクをやるのかを決定しなければいけませんし、それを他のプロジェクトメンバーが知る必要があります。そして私たちはタスクや期限などを管理できるプラットフォームを提供しています。

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チームのタスクやデッドラインを見える化

―どのような企業がAsanaを利用しているのでしょうか。

 例えばメディア企業であれば、入稿期限などのカレンダーマネジメントをAsanaで行っています。マーケティングチームがキャンペーンやイベントのマネジメントをするときにも利用しています。プロダクトチームはプロダクトのローンチまでのロードマップやプランを管理しています。具体的な名前を出すと、たとえばUberが新しいエリアへのローンチの際にAsanaを利用していますね。

―色々な企業やチームが利用しているのですね。Asanaには他のビジネスツールを統合することが可能ですよね。

 そうです。私たちの顧客の多くは他のビジネスツールを併用して利用しています。ですからGoogleやDropbox、Slack、SalesforceなどはAsanaのプラットフォームに統合することができます。

―Asanaの他にもワークマネジメントツールがあるとは思いますが、違いは何だと考えていますか。

 私たちの成長スピードだと考えます。私たちの成長率は年90%です。私たちはすでに大きな企業でありながら、成長が早い。そしてすでに顧客の40%以上がアメリカ国外であり、ヨーロッパやアジアなどを中心に利用しています。

Image: Asana

「会社にとって何をするべきか」を明確にしたい

―海外戦略、特に日本への進出について聞かせてください。

 2018年、私たちはヨーロッパにオフィスを開設しました。チームを拡大し、言語サポートなどを実施しました。

 私たちは2018年11月、4回目の資金調達を終えました。それはオーストラリアそして日本へとビジネスを拡大させるためです。2、3週間前にオーストラリアオフィスを開設し、来年には日本にもオフィス開設予定です。私たちのSeries EラウンドのVCには日本のVCであるWorld Innovation Lab(WiL)も投資をしてくださっています。

 日本市場が私たちに期待することはワークスタイル変革にあたってのイニシアチブをとることだと考えています。私たちはチームが仕事の調整に時間を費やすのではなく、会社のゴールへと繋がる仕事に集中することが大事だと考えています。

 私たちは最近、日本語のプロダクトをローンチし、日本オフィス開設へと動いています。すでにTeam Labやサイバーエージェントなどが私たちの顧客です。

―最後に将来の展望についてはどうお考えですか。

 Asanaは現在チーム単位、プロジェクト単位で利用されています。しかし、将来的には企業単位で利用されるようになると考えています。会社のミッションやゴールと実際の仕事が結びつくということです。ですから、出勤した際にチームにとって今日、集中すべきことだけでなく、自分の会社に対して何をすれば良いのかという質問ができるようになります。そして自らの仕事を会社のゴールや目的に沿って進められるようになると考えています。



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