Alluxioは分析およびAI用にクラウドで使える、データオーケストレーションテクノロジーだ。データドリブンアプリケーションとストレージシステムの間で、データアクセスの高速化に貢献する、メモリ主導のストレージレイヤーとして機能する。今回は創業者であり、2019年にCEOから退き、現在はChairman & CTOを務めるHaoyuan Li氏に話を聞いた。

Haoyuan Li
Alluxio
Founder, Chairman & CTO
2018年、University of California, Berkeley AMPLabにてコンピュータ科学の博士号を取得。修士号はCornell University、学位は北京大学で取得している。北京大学およびCornell University在学中にGoogleで研究インターンを務めた。博士過程在籍中にAlluxioの前身となるTachyonを開発。2015年にAlluxio(旧名 Tachyon)を設立、CEOに就任。2019年よりChairman & CTO。

ストレージ環境は定期的にDisrupt(破壊)してきた

―AlluxioはLiさんが博士課程在学中に始めたプロジェクトが基になっていると聞きました。まず起業に至った経緯を教えてください。

 今から数年前に、UCバークレー校の博士課程2年目に在籍していた当時、「Tachyon(以下Alluxio)」と名付けたオープンソースプロジェクトを共同で立ち上げ、成功を収めました。

 私は、その当時から開発した技術を基礎技術にし、「Alluxio」を一般的に使用できる製品にすることを目標にしていました。全く新しいものを開発して、共通の標準を作り、より多くの業界でデータ、AIテクノロジーやカーテクノロジーが活用できるようにしたい、と考えていたので、VCから資金調達し2015年に起業しました。

 基本的に、組織、企業、個人など全てにおいて、分析、機械学習、AIなど、あらゆる種類のメカニズムを通じてデータから価値を得る必要があります。ほとんどの場合データはストレージシステムに保存されますが、保存先はバラバラになりがちで、全てのデータにアクセスするのは非常に難しいのが常識化していました。ストレージシステムには、戦略的価値があり、データを簡単に活用したいと皆考えているものの、実際の管理や運用は容易ではありませんでした。

 また、ストレージ業界の歴史は約40年ほどですが、業界全体をみると5年から10年ごとに新しいシステムが生まれ、それ以前のシステムは「disrupt(破壊)」され新システムに置き換えられるサイクルができていました。

 これはストレージの歴史でもあり、今後も続く未来とも考えられていましたが、Alluxioは中間層となるレイヤーを設ける全く新しいアプローチにより、これらの問題を解決しています。

ストレージの概念を変えた

―製品について教えてください。

 無料のCommunity Editionと、有料のEnterprise Editionの二つがあります。

 Community Editionは、パッケージ化されたオープンソースです。ユーザーの多くはCommunity Editionを使っています。Enterprise Editionは、Community Editionの機能に加えEnterprise Edition用のセキュリティ機能とサポートが付きます。

 Enterprise Editionは2種類の料金設定があり、両方ともサブスクリプションです。一つは、従来型のライセンス販売で、NOS(ネットワークOS)の数が基準になります。もう一つは、使用量ベースで使いながら支払うクラウドユースケースモデルです。これらは現時点のもので、今後も継続的に最適化し調整をしていきます。

―Alluxioは全く新しいアプローチだと伺いましたが、競合はいますか。従来のサービスは競合となるのでしょうか。

 そうですね。Alluxioは全く新しいアプローチなため、従来のストレージシステムに取って代わるものではなく、競合にはなりません。

 データ処理を行うアプリケーションと、土台になっているストレージシステムの間にメモリ主導のストレージレイヤー(Alluxio)を設けることで両者を統合します。Alluxioを挟んだ多層アーキテクチャにより、アプリケーションに共通のインターフェースを提供し、複数のストレージシステムにあるデータへの高速アクセスを可能にしています。

 Alluxioを介することで、バラバラになっているデータに簡単にアクセスでき、活用が可能になります。そして、既存のストレージシステムレイヤーに、新しいシステムを加え一緒に使うことができますので、既存システムへの投資が無駄になりません。

大規模なデータ革命は始まったばかり

―今後のビジョンを教えてください。

 一つは、コミュニティを育てることです。Alluxioはオープンソースなので、コミュニティを継続的にサポートすることが、ユーザーにとっても価値を生みます。ユーザーからのフィードバックに耳を傾け、製品やサービスに反映することに注力していきます。

 米国内だけでなくヨーロッパやアジアなど世界中にAlluxioのコミュニティが広がり規模が拡大しています。この成長に対応できるよう、チームを大きくし、体制を整えていきたいと考えています。

―この記事を読んでいる日本の読者に向けてコメントがあればお願いします。

 はい。日本は多くのデータが生み出されている国で、データ収集とAIの観点で考えて優れた国です。日本にもAlluxioユーザーがいらっしゃいますし、日本コミュニティを成長させたいと考えています。多くの日本企業に当社製品をご利用いただきたいです。

 私達は大規模なデータ革命は始まったばかりで、初期段階にあると考えています。この革命は途方もない影響力があり、今後も影響力を持ち続けるでしょう。例えば、ビッグピクチャーで考えると、蒸気エンジンの発明や、インターネットが世界にもたらした影響力に劣らないほどの規模になり、世界を変えることになると考えています。

 日本の皆さんも是非Alluxioのグローバルコミュニティにご参加ください。そして、質問などがあれば気軽に聞いてください。コミュニティがいつでもお手伝いします。




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