国別のスタートアップエコシステムの概要と、その成⻑を⽀える主要プレーヤーや今注⽬のスタートアップをご紹介。今回は「ロンドン」の動向をお届けします。
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フィンテック分野を中心に広がるユニコーン企業群

 ロンドンは、ヨーロッパ最⼤のスタートアップエコシステムとして知られておりStartup Genomeが発表するスタートアップエコシステムの総合評価ランキングでも、⻑年NYと並んで世界第2位の座を維持しています*。

 この成功を⽀える要因には、ロンドンの優れた⼈材環境が挙げられます。⼈⼝の約4割を移⺠が占める国際⾊豊かな都市であり、ケンブリッジやオックスフォードといった世界トップレベルの学術拠点にも近接しています。さらに、起業家育成プログラムや投資への税制優遇措置といった⽀援体制が整備され、グローバル⼈材がイノベーションを⽣み出しやすい環境が構築されています。

 ロンドンに本拠を構えるユニコーン企業は、2024年12⽉時点で44社にのぼります**。そのうち20社はRevolutやWiseに代表されるフィンテック分野のスタートアップであり、世界三⼤⾦融センターとしてのロンドンの強みを象徴しています。また、ロンドンには120社以上のバイオ医療企業が集積しており、医療分野の豊富な⼈材層を背景にライフサイエンス関連スタートアップも成⻑を遂げています。近年ではAI関連スタートアップも急成⻑し、スタートアップエコシステムをさらに活性化させています。

 本レポートでは、幅広い分野のスタートアップを輩出し、グローバルなイノベーションハブとしての地位を確⽴するロンドンに焦点を当て、そのスタートアップエコシステムの概要と成⻑を⽀える主要プレーヤー、注⽬のスタートアップを紹介します。

*Startup Genome “The Global Startup Ecosystem Report 2024
**CBINSIGHTS “The Complete List Of Unicorn Companies

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ヨーロッパ最⼤のスタートアップエコシステム

 ロンドンは、イギリス南東部に位置し、約886万⼈の多様な⼈々が暮らす、歴史と現代が融合する国際的な都市。ヨーロッパ最⼤級の経済都市でありながら、⾯積は約1,500㎢と東京都より約3割⼩さい。世界有数の学術機関が集まり、イギリス政府のスタートアップ⽀援施策も相まって、優れた⼈材がビジネスを始めやすい環境が整備されています。2020年にイギリスがEUからの離脱した後も、ロンドンはヨーロッパのスタートアップエコシステムを牽引し続けています。

 世界に誇る⾦融センターとして強固な⾦融インフラを持つロンドンは、他の都市と⽐べてもスタートアップが成⻑しやすい資⾦調達環境を備えています。イギリス政府もイノベーション創出を積極的に推進しており、ライフサイエンス、AI、量⼦技術などへの投資を拡⼤し、科学技術分野のイノベーションを促進する企業に対してR&D税制優遇措置を講じています。

 さらに、イギリス政府はロンドンをイノベーションのグローバル拠点とするため、SEISやVCT(ベンチャーキャピタル信託)などの税制優遇措置を活⽤し、スタートアップへの投資を促進。特に初期段階のスタートアップにとって、魅⼒的な環境が整っています。

 ロンドンは、⼈⼝の約4割が国外出⾝者で構成される国際⾊豊かな都市として知られています。またロンドンから電⾞で1時間ほどの距離にあるオックスフォード、ケンブリッジ、そしてロンドンを結ぶエリアは、「ゴールデントライアングル」と呼ばれ、世界的な研究‧開発の中⼼地となっています。これらの⾼等教育機関から輩出される優秀な⼈材は、ビジネス、テクノロジー、ライフサイエンスなどさまざまな分野で活躍し、イノベーションを⽣み出しています。さらに、アクセラレータープログラムなど、これらの⼈材を活かすための⽀援環境も充実。政府や⼤⼿企業やVCが⼀体となって⽀援するアクセラレータープログラム「Tech Nation」を通じてユニコーン企業が輩出されるなど、世界でも魅⼒的なスタートアップエコシステムとして機能しています。

 また、ロンドンは⼤都市でありながら、その47%が緑地と⾔われ、最近ではゼロエミッション施策が取られるなど、環境への配慮が強化されています。超低排出ゾーン (ULEZ) の導⼊をはじめ、持続可能な都市作りに向けた取り組みが進んでおり、これらが環境問題に取り組むスタートアップの成⻑を後押ししています。

参考: “外務省/英国基礎データ、GOV.UK/UK Innovation Strategy、LONDON DATASTORE/The State of London June 2024、London Convention Bureau/Sectors、nufuture/The Golden Triangle UK-An Overview、Tech Nation/ About us、London.gov.uk/The Ultra Low Emission Zone for London

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レポートに掲載のロンドンスタートアップを2社ご紹介

Orbital Materials
生成AIで新しい材料の開発を加速

Image : Orbital Materials HP

プロンプトによる指⽰で新しい材料の設計シミュレーションが⾏える、オープンソースのAIモデル。基盤モデルの「LINUS」をベースに微調整された「Orb」は、GoogleやMicrosoft の主要モデルよりも精度が⾼く、⼤規模シミュレーション処理を5倍の早さで実⾏できるという。2024年10⽉、NVIDIAのベンチャーキャピタル部⾨NVenturesからの資金調達を発表。また2024年12⽉には、Amazon Web Servicesとパートナーシップを締結。AIを活⽤してデータセンターの脱炭素化および効率化の技術を開発することを明らかにした。

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Addionics
独自の電極板による高性能バッテリー

Image : Addionics HP

独⾃の電極板によって容量や充電速度を⾼めた、充電式バッテリー。電極板「Addionics Smart 3D Electrodes」は、特許取得済の3D⾦属製造⽅法で製造。これを従来の充電式バッテリーに適⽤すれば、化学的性質に依存することなく電気抵抗を⼤幅に減らすことができ、熱安定性や寿命に影響を与え、バッテリーの劣化につながる要因を改善できるため、バッテリー容量や充電速度の向上が⾒込める。同社は、AIベースの構造最適化アルゴリズムを開発に活⽤することで、開発期間の短縮や⽣産コストの削減を実現。


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