特定テーマのトレンドキーワードや注目スタートアップを紹介する「トレンドレポート」。今回は「スマート自動車コンポーネントトレンドレポート」を紹介します。同レポートでは、“ディスプレイ“、”​​車載インフォテインメント“、”センシング“など6カテゴリに分けたスタートアップ情報と共に、日中アクセラレーター『ジャンシン(匠新)』が「北京モーターショー」から見る中国自動車業界の注目動向を解説するインサイト特集をお届けします。
※レポート本誌は、2024年6月に「BLITZ Portal」ご利用企業向けに発刊しております。

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自動車業界の今とこれから

図1出典: IEA ”Global EV Outlook 2024"
図2出典: McKinsey ”Spotlight on mobility trends

 自動車業界は今、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)という流れを軸に新たな技術を取り入れ、大きな変革を遂げつつあります。電気自動車(EV)市場の勢いが弱まっているとも言われていますが、業界全体の環境課題への取り組みやゼロエミッションに向けた各国政府の政策などを背景に、販売台数は堅調な伸びを見せています(図1)。国際エネルギー機関(IEA)の発表によると、2023年のEV販売台数は、メーカー間の競争や電池と車両価格の低下も相まって、中国が前年比37%増の810万台、欧州が22%増の330万台、米国が40%増の139万台となり、世界のEV販売台数の6割近くを中国が占めました。新興国のインドやベトナムでは国産EVが成長を続けており、2024年には世界のEV販売台数は前年比23%増の1,700万台、世界で販売される新車の5台に1台がEVとなる見通しが示されています*。最近の投資状況からは、CASEのうち、自動運転技術やシェアードモビリティへの投資は落ち着きを見せ、電動化が最も盛り上がっていることが読み取れます(図2)。現在のEV普及の動きは、自動車の新たな価値の創出を促進するものです。また近年、Sony Honda Mobilityのように異業種参入の事例も続いており、自動車業界全体が未踏の変化の渦中にあると言っても過言ではないでしょう。

 これに伴い、次世代の自動車を構成するコンポーネント領域の動きが活発になってきています。「車体の軽量化」や「燃費の向上」に向けた素材や製造プロセスの改善はもちろんですが、コネクテッドやデジタル化によって実現可能となる「スマートコックピット」や「ソフトウェア定義の車両(SDV)」といった新たな需要も生まれています。さらに、センシングや半導体、AIといった周辺技術の急速な進化も、自動車コンポーネント領域の進化を後押ししています。

 本レポートでは、旧来のフォームファクターから解放されつつある次世代自動車を形作る、スマートなコンポーネントに着目し、カテゴリ別に有望なスタートアップをご紹介します。また、インサイト特集では、日中アクセラレーターが「北京モーターショー」から見える中国の自動車業界の注目動向を解説します。

* IEA “Global EV Outlook 2024

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 「スマート自動車コンポーネントトレンドレポート」は、以下の画像の内容で構成しております。そのうち本記事のフォームから入手できる短縮版では、冒頭の「Overview」と「カテゴリー概要(一部)」、「インサイト特集:日中アクセラレーターが解説する 中国次世代自動車の注目動向」をお読みいただけます。

  ※今回TECHBLITZ上で配布する「スマート自動車コンポーネントトレンドレポート」は一部項目のみの短縮版となります。下記コンテンツを含んだ完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。

[完全版で追加される内容]
・(Category7以降)カテゴリー概要
・協業 / 導入事例


ディスプレイ

はじめに、ユーザーの乗車体験を大きく変えるスマートコックピットの領域で活躍するスタートアップを紹介します。ディスプレイの分野では、より控え目ながらも高度な機能を備えた透明ディスプレイや、自動車メーカーや OEM 企業が自社で AR ソフトを開発できるツールなどが注目を集めています。

Basemark
自動車専用のAR開発キット

Image : Basemark HP

自動車向けAR特有の課題に対処できるAR開発ツールを展開する企業。高度なローカライゼーションとモーショントラッキングメカニズムを搭載しており、自動車の動きや振動に左右されることなくARコンテンツを常に現実世界に正しく固定し、ドライバーの視野内の正しい位置に表示することができる。ローエンドのチップに収まり、複数の車載ディスプレイへの同時投影が可能。同社はAR開発スタジオとARソフトウェア開発キット(SDK)を組み合わせて提供するため、OEMは独自のブランド性を反映したARアプリケーションを効率良く開発できる。BMWグループをはじめ、米国やドイツ、フランス、イタリアなどの著名OEMやTier 1企業を顧客に持つ。2024年4月、同社はBoschのヒューマンマシンインターフェース(HMI)部門との提携を発表。ARベースのUIやプロトタイプの開発と量産移行に取り組む計画。

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車載インフォテインメント

コネクテッドカーの普及により、車内と外の世界が繋がっていることが当たり前になりつつあります。運転にまつわる情報はもちろんのこと、ショッピングやライフサービス、エンタメコンテンツなどへのアクセスは容易でより複雑なものとなり、もはや車は単なる移動手段ではなく、生活空間の一部となっています。

MAVI.io
車での移動時間に買い物ができる車載ソフト

Image : MAVI.io HP

コネクテッドカーのダッシュボードショッピングを実現する、車載小売マーケットプレイ スを展開する企業。同社の「OnMyWay Commerce」は事前注文や店頭受け取りに対応している厳選された小売業者、飲食店、駐車場、ガソリン/充電ステーション、サービス事業者などをドライバーと結び付けることで、コンバージョンや新規顧客の獲得、利便性やロイヤルティの向上をサポートする。ドライバーは車の位置や自分の情報からおすすめの商品や近隣の店舗までの最適ルートなどをリアルタイムで知ることができ、ハンズフリーで買い物を完結できる。ドライバーは便利でパーソナライズされたサービスが享受でき、導入企業はラストマイル配送のコストを削減できる。通常の食品や消費財の買い物の他にも、駐車料金の支払いやマイクロ保険の購入といったニーズにも対応する。

センシング

ソフトウェア定義の車両にとって不可欠なのが車内外の状態についての大量のデータです。ソフトウェア指向が進む次世代の自動車では、車体の安全性の確保や保守に信頼性と即時性の高いデータが欠かせません。正確な制御を可能にするセンシングシステムや予測機能で自動運転を支援するセンシングソリューションが注目を集めています。

MINIEYE
複数センサーを用いた運転支援システム

Image : MINIEYE HP

車内外のセンサーを活用し、自動運転の精度向上や運転支援を実現する高度なセンシングソリューションを提供する企業。車両前方のミリ波レーダーやLiDAR、超音波レーダー、バック・サイドミラーや後方のカメラ、後方側面のミリ波レーダーなどの情報から、路上の車両や歩行者、信号などの物体を検出する。前方車両との距離を保つACCや緊急ブレーキシステムのEBSといったADAS機能、自動パーキング機能、膨大なデータを活用した予測機能などで、高速道路や幹線道路での自動運転レベル2を実現。また、同社はビジュアルセンシングとセンサーフュージョン技術とを組み合わせた個人識別や、危険行為の検知などの車内センシングソリューションも展開している。同社はEVメーカーNezha Automobileや内装部品メーカーYangfenとの提携により、共同開発と市場拡大を推進している

日中アクセラレーター『ジャンシン(匠新)』が解説

「北京モーターショー」から見る中国自動車業界の6つの注目動向
1 「SDV」から「ADV」への進化
2  コックピットのスマート化・高品質化
3  自動車とスマホの一体化
4  CASE推進のローカライズ化
5  非BEV新エネ市場の拡大化
6  参加企業の世代交代加速化


 グローバルな技術トレンドの把握や、スタートアップ調査、事業アイデア創出といった場面で、本レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。

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